表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

200/588

トアル宇宙大戦の鳴動


 時間は繰り返される。


「はーなにか楽しいことは無いかぁ~カイ?」


「九竜お前の方こそ、なにか献策はないのか?」


 屋上で二人の少年が暇していたのだ。

 そんな所にバーンと、扉が爆撃されたような音を立てて一人の少女が現われた。


「あんた達! 暇してるならあたしに付き合いなさいぃ!」


 ビシッと、それぞれを交互に指差し。

 夕日に染まる屋上に映える、蒼髪の乙女、ミリアンである。


 彼女は一見してハイティーンの、多少肩幅の整ってる程度の普通の少女だが、

 実は、その裏には壮大な背景がある。


「このあたし! 青銅の種族の女王にして剣聖、

 世界に四人しかいない、クイーン級の存在格、真に真なる聖剣を授かりし巫女が、命令してあげるわ!」


「僕は、博物館のトップ、奇跡の閲覧者にして総攬者、東雲カイイチロウ」


「そして俺は、博物館次席、至高の哲学者にして始原の下位百を諳んじるモノ、だ」


「、、、はあ?  、、、まあいいわ。

 あんた達、哲学者に朗報よ、

 リスクがあっても、未知なるリターンがある話よ、

 もちろん観測者は、世界の崩壊する不確定で、とてもとても未知なる莫大なリスクに挫けたわ、

 でも、四大博物館は全オーケー、より良く世界を考えるならば、最善よ、

 停滞主義の観測者は、観測する対象の維持を絶対にしたいらしいけどねえ」


「ふーむ、僕のエウレカレコードには記述がある、近似率100%の未来像だが?」


「それって、対存在、観測者の動向まで、完全に記されているの?」


「馬鹿な、観測者の干渉率なんて、誰が導き出せる、奴らの行動の全ては予定調和として処理され、全ては初期値ゼロで計算されている」


「ダメじゃん、今期の新領域の暴走、これには観測者は世界の危機として、総動員、つまり干渉率の一時制限撤廃をやってるのよ」


 ところ変わって。


「ふぅ、この世の絶対神である、この俺様を害そうとは、まことにいい度胸だぁ」


 黄金のよろい甲冑を纏い、周囲に幾千の武器を出現させて、男は威風堂々立っている。


「ハドウさん、矛盾領域の連中は動きますかね?」


「ああレイジ、確実に動くだろうよ、水の都はやつらにとっても重要な拠点だからな」


 その言葉の終わり。

 天空から何百何千の光の槍が降り注いだ。  

 まるで流星の如く、それらを黄金の武器で一つ残らず迎撃しながら、男は舞い降りる乙女を見つめていた。


「来たか、最先端、終わりの始まり、、、アウルベーン」


 それより数刻前。


 アウルベーンは、真なるエーテル、つまり世界を操る根源的な力である、の鬼集を完全に完了した。

 これによって彼女は、世界の方向性として絶対の力を得たのだ。

 そして新領域、未知なる未知を求める彼女は、新たな創世を望み、

 今ある世界を旧世界と定義し、完全に消滅させて、一から全てが新しい未知なる世界の創世を始めたのだった。



「イツキ」


「はぁ、なんだシャル、おれ今日頭痛するから」


「知らないわよ、今日決戦だから、よろしく」


「はぁ、、、はぁ!! 意味分からん!」


「私達は”すべてを調停するもの”、盟約者たちの介入の要請には従うの。

 ほらぁさっさと来なさいよぉ!」


「やめろぉ!!! まじで頭痛がするんだって! 体調不良で休めないのかぁ!!」


「気合で乗り切れる分には問題なし!」


 ずるずると、喚いても無駄と悟って大人しくなっても、少女はひきずるのをやめない。



 ある世界ではない、ある別の空間にて、三人の少女が卓を挟んで話している。


「システムを管轄するのは、佳代さんの役割」


「はい、でも。

 システムを正しく運営していくために必要なのは。

 他でもない、システム内の舞台役者達の手に一存されていますから」


「つまり、貴方の立場を明確にすると、図書館の主の騎士、ナイトとして、貴方は傍観なのね。

 やっぱり、貴方レベルになると、少しの干渉意志すら、安直に扱えば世界を飲み込んでしまうから」


「ええ、私はわたしの明確な存在理由が抵触されない限り、大胆には動けないんです、ごめんなさい」


 そんな二人の会話を聞いていた一人が、机をダンダンやって注目を集める。


「だんだん!レイア、佳代、そういう話はどうでもいいよ♪。

 これから話したいのは、どう皆が動けば、場が盛り上がるか、それ一択だと想うよ! 僕はねぇ!♪」


 これから行われるだろう予測一連が、楽しく楽しみでしょうがない、っといった風情で少女は跳ねた声を出す。


「まったく、イリスは単純な行動理念で羨ましいわ」


「ですね、わたしもそんな風に、純粋に楽しむために動けたら、いいのですが」


「おっけー多おっけぇー♪

 実働はいつもどおり僕だぁ! 

 君達は素晴らしいアイディアを提供してくれればいいのさぁ! 

 全部最大限素晴らしい見世物として、観測者を楽しませて上げられるように調整するよぉ♪」


「あら? わたしも一応、それなりに動くつもりなのだけれど?」


 なにか黒幕の様相を呈して、三人は”これから”の話を決議する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ