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作者の死期が近いので



 俺は最近、眠くなる事が非常に多くなってきた。


「世界の限界って奴か、絶対存在のアルドが、アウルベーンという新領域の出現で、唐突に寿命を大幅に減らし、

 世界の外側にいち早くも、離脱した訳だ」


 他の絶対存在と違って、俺やアルドは統合の役割を果たす、

 故に、世界において世界の大き過ぎる意識体が現れると、統合阻害されて、自我崩壊し易くなるのだ。

 

「マジで絶対存在で微妙だわ、所詮は世界の12,3%しかリソースを持ってないって感じかよ」


 もっと大きなリソース、糧が必要だが、実際問題、絶対存在以上の存在は皆無、現存はいない、

 という少なくとも、俺の主観からの最低限の最小単位の、果てまで突き詰め切った設定なのだ。


「あ、終わる、尽きる」


 死期を悟った時、俺は離脱した、世界から、死ぬ前に、無になる前に、イルミの手を取って。


「よお、お目覚めか?」


 起きると、意味不明な砦の、寒風どころじゃない、雪のブリザード。

 久しく忘れていた体温、ついで雪が降り積もって、凍える風が、その体温を急速に冷やす。


「おお、さむ」


「うわあああああああああああ!」


「うっせええなああああああああああああ!!!!」


 世界の外側だった。

 アルドが言うには、此処は、あの世界から、この世界に来ると、やってこれる場所らしい、地名は知らんらしい。


「はあ、スペックが人間並みかよ」


「はっは、いいじゃないか、受肉して、俺はやっと全てからリベレイト、解放された、解放者の気分だぜ!」


「あうぅうう」


 今俺達は、アルドの自室、砦の防衛隊、その幹部クラスの部屋に居る。


「どうすんだよ、馬鹿アルド、死ねよ」


「いやいや、死んだら、もう蘇らないぞ」


「知ってる、どうすんだよ、ってことだ」


「知らん! イルミナードとマジで結婚して、大セックス祭りして、子供でも産むかなぁ??!!」


「勝手にしろ、お前がな」


 ちなみにイルミは、実は冷静だ、キャラ的な俺に対する配慮で、面白人間を演じてくれているのは、だいぶ前から俺的周知の事実だったりする。


「あのぉ」


「おお!なんだ! イルミちゃん! 俺はアルド! 前の世界では、矛盾の世界の方向性の、絶対存在だったぜ!」


「えと、知ってます、あのですね、前の世界に帰る方法は、無いんですか?」


「なんだ、お前? 帰りたいのか?」


 俺はイルミに問う、ハッキリ言って、オレ的には物語が確信的に革新的に展開して行ったので、

 このまま新しい章みたいに、ある程度、長く続けてみたいのだがね。


「知らん!」


「お前は、少しは考える、振りでもしてみろ」


「、、、、、わからん!」


「お前は死ねよ!」


「死んでください」


 微妙にイルミまで罵詈雑言したのがキツイみたいに、ガックリうなだれる、多分に振りだろうと予感される仕草をする、元絶対存在アルド。


「まあ、全ては良いとして、直近の問題だ、アルド、俺達はどうすればいいんだ?」


「そうだな、とりま、砦の防衛隊の仕事を割り振ってやるよ、オレって此処では、割と融通の効く立場だしなあ」

 

「クソキャラになってるってわけか、はいよ、了解した、なんでもしてやるよ、デスクワークで、給料高めで、楽な感じのな」


「軽作業なら文句はいいません」


「なんだろうなあ、この使えなさそうな感じはああ!」


 その日から、俺はとりあえずの衛兵、砦の見張りみたいな奴、

 イルミは帳簿をつけたりする、てか秘書、いや、マスコットだろ、凄く可愛い置きモノの役割に殉じた。


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