覇者と作者‐物語化すんな!
「よお、覇者、物語してるぅ?」
「貴様、全てを支配しているつもりか? 死ね」
だろうがよ、コイツのコンセプトの根源は、某巨大観測組織に出戻ることだ。
「ヒルダーネットワークに戻る展開を用意しているから、大丈夫だよ」
「くだらん、貴様の支配する領域で、俺が帰りつける確率は幾つだ?」
「さあ、100%で無い事だけは確実かな」
「だから、死ねと言っている」
俺を殺す算段でも、立てているのだろう。
だが今の俺は絶対存在級だ。
基底規定現実のオレすらも、既に人間の存在規模では無い、
真なるかどうかは知らんが、そも絶対の世界の外側という矛盾的な、物語の後付け設定で無上に無限に付与できるモノだ、
知るつもりも無いが、神すら軽く凌駕した、超越者ならぬ、著悦者に成っている事だろうがよ
「クソが、メサイアのイリカに、カギを使わせてやろうか?」
「効かんよ、そんなのは真に覚醒した俺を、僅かばかりでも痛めつけ、ダメージを与えられれば、恩の字ていどだろうね。
さて、この世界は、無限大に続く設定コンセプトの、イルミナードを舞台にした話だ。
その中心的な人物であるお前が、そう易々とドロップアウトできると、勘違いしているんじゃない、ばーろー」
覇者に対して、俺は邪笑してやる。
「貴様の望みを言え、全て俺が全力を持って叶えてやる、そして、この世界から貴様は消えろ、きえてなくなれい」
「ああ、そういう事かい、ああ良いよ」
俺の望みは。
「そうだね、商業ガンガン売れるくらいの小説を書きたい。
生き死にを超越できるくらいの、無限の痛みや不幸、幸福にすら打ち勝つ、
なにもかもが、心底からどうでも良くなるレベルの、絶対的な特異点強度、
無限の超越感、万能感、絶頂を極め続ける創造病、サヴァン症候群に成りたい、
なお且つ、人道や倫理、守るべきモノは遵守し、つまりは理性を失わない、丁度良いバランスの極まった感じでお願いします」
「限りなく不可能に限りなく近過ぎる、太陽の直近に家を構えるくらいの、無理難題を、よく平凡な顔で言えるモノだ、逆に感心してやる」
「お褒めに預かり恐悦にして恍惚至極だよ」
俺は覇者を見つめる、
この粗方の超越者は、俺の望みを叶えるレベルかどうか? 物語世界の、における適う逸材かどうか、見極めようとする、していた。
「どうかな? 可能かな?」
「俺に不可能など無い、一切存在せん、貴様の言う全てを全て、マルっと叶えてやろうじゃないか」
鷹揚に言ってのけた、罠や嘘、騙しの語り口調では無い、まあ俺の視える限りの好かした、本心がそうなだけだ、
コイツは大規模ネットワーク存在なのだ、
絶対存在クラスでも、世界の12,3%の支配率の現状からして、
世界の全てを糧に構築したネットワーク、分散コンピューティング処理・演算した、情報系の力関係では、
正直な話、時と場合にも寄るが、見透かしなぞというモノは、全てが微妙な話へと変換されるのだ。
「ふーん、まあ一応信じておいてやるよ、
俺の一応の、この世界での仕事、現状のイルミナードを舞台にした物語展開において、双方の利害も一致している、
長い目で見れば、悪い事は何も無い」
「短期的に見てもだ」
その意図は不明、徒然と語っているだけやもしれん、俺はそう思った。




