表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

175/588

物語統括・運営委員会‐境界線上の魔術師の創造



「はあ、おい、物語がタイトルに偽り有りに、成っている現状について」


 俺は作者だ、全てのキャラクターを創造している筈だ。

 だが作者ですら手出しができない奴らが、この世界には溢れかえっているのだ。


「作者というキャラクターが言うには、キャラが勝手に動いて、物語の本筋からずれまくっているのだ、と主張するのだ」


 つまりはそういう事、

 全てを創造できるはずの俺が、物語のタイトルからかけ離れて、枠から破れまくって、型無しの現状、

 俺はタイトル通りに、タイトルに偽りなしにすれば勝利、

 逆に物語の世界の暴走を抑えられずに、タイトルに偽り有りになれば、敗北。


「くっく、おもしれえじゃねえかよ、久々に血肉沸き踊り、滾ってきたぜ」


 つまりだ、作者とキャラクターの、ひいては世界、物語世界との拮抗、全面戦争、そうだろう?


「矛盾だろうが、俺は自由自在な無限大に型破りな物語を創造したい。

 だが小説という媒体自体が、枠を規定して、

 物語のタイトルを想定して作られるべきもの、本末転倒的な矛盾を抱えているんだ、この世界は」


 そろそろ本気を出す、という事だ。


「まずは、俺を絶対存在まで引き上げる」


 あるいは絶対存在級の何か、特異点存在か、真なる世界の在り方よりも外側の何か、

 だが所詮は、絶対存在が現状においても、これから先も、

 世界というリソースを根源の全てにしている以上は、後付け的な設定でも、これに対しては絶対的に妥当不可能。


「そう、今の俺は、その存在と同レベル、というわけだ」


 名づけるなら、世界の方向性、第九天、作者、だ。


「絶対存在なら、配下に無限大の眷族が居るはずだ」


 俺の望み通りに動く、世界だ。

 それが、物語統括・運営委員会だ。


「コイツらは観測者の知恵を拝借して作る。

 創作者、は、枠に全ての事象を当て嵌めて、物語化する能力を持つ」


 そう、俺が、この世界を、強制的に、最低限半ば以上は無理やりに、

 タイピングによって世界を、物語の枠に当て嵌めてしまうように、な。


「そう、このように、摩訶不思議なエアタイプ、

 タイピングをするだけで、眼前の事象を、特定の枠に基づく物語化する能力だ」


 この世界が勝手に動いて、物語のタイトル通りにならずに、動くならば、完全に支配するのだ、というコンセプトだ。


「俺は、この世界に唯一無二、物語のタイトル通りに、事を進める、絶対的な知的生命体、小説という概念そのものだ」


 俺は配下に創造された、第九天の世界全体を見渡しながら、己の権限の増大、作者の真の姿を体現していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ