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作者と覇者☆☆



 俺はイルミナードの執務室、この王国の覇者の居る場所に、何の脈絡も無く存在した。

 そうだ、俺は作者だからだ、森羅万象を、物語世界内ならば、想像力の限りで実現可能な、言うなら神なのだから。


「おい覇者君、最近は大きく動き出したい気分らしいが、駄目駄目だぞ、だぜ?

 オレが妨害するからだ、

 てめえは、この極点の主軸の物語を統合するイルミナードに、永遠に縛られて、人生を送るんだ」


「貴様か、関係ねえ、物語の作者なぞ、所詮は世界に対する干渉値ゼロ、

 この世界は一切合財変わらねえ、てめえの意志は干渉に値しない鑑賞物ですら無い」


 独特の語り口調、俺が作ったキャラの中でも、設定でも、これほど傲岸不遜でありえないほどの自我は無いのだ。


「そうかい、まあいいよ、オレはオレなだけだ。

 それにしても、最近は面白くねえなあ」


「どういう事だ?」


 覇者がイルミナードを面白くする為の、ゲームの開発設定作業を止めたようだ。

 まあ所詮は非被造物、俺の事が若干でも好きなんだろうがよ、オレに興味深そうな瞳で問うてくるのだから。


「この書籍化になろうに投稿されている物語だ。

 注目されている、誰かに見られていると強く感じられる位には、ポイント評価もブックマークもついた、

 これは達成したい目標の幾らかでも、初めて満たせた作品なんだからよ」


「そうなんだろう、まあ、貴様が投稿しているエッセイは、多少興味深いから、

 つまりは御捻りをもらっている感じだろう?」

 

「そうだ、書き続けて欲しいから、何の面白味も皆無とは言わないが、

 こんな自分勝手な自己中低レベル作品が評価されている、そういう面をオレはオレ自身で否定しないのさ」


 オレは覇者にも分かるように、ユニオンメディア端末、入っている四大ネットワークのソフトは、コードメサイアだ、

 に、以下のような内容を転送する。

 総合評価 170pt

 評価者数:10人

 ブックマーク登録:40件、と。


「貴様はどう想っているんだ? こんなクソのような物語を書いていて、無駄に場所を占有して、罪悪感は感じないのか?」


「クソ笑えるな、オレは背徳も罪悪も感じているよ、十二分以上にな、

 ハッキリ言って、120%以上で感じているんだよ。

 人を殺して、大いなる活力を得られるように、オレは誰よりも気分良く、罪を犯している感覚が、実感として痛感的にあるのだからな」


「そうか、所詮貴様も、相互クラスタ、群体のような、

 存在するリソースは、人道や倫理を踏み外しても、得る屑カスゴミ人間が、

 このどうしようもない、救いようが無い、老害でゴミ屑で、カス以下の存在が世界にとってマイナスにしか成りえないゴミめ!」


「褒め言葉だな、覇者君にそのように想われる為にも、もっともっと、オレはこの道をまい進したいと思うね」


「所詮は劣等感・羞恥心・嫉妬心を集めて生きたいのだろう?

 この物語は確かに、貴様の脳内世界を拡大し、情報を円滑に統合する要素に満ち溢れているようだ、

 処理する情報が、その情報に意味や価値があればこそ、客観的には四倍四十倍速以上で、どんどん早くなるのだ。

 脳内のシナプスの繋がり、全ての情報を司り、意図的に方向性を定めて、人間の意識できる価値と意味に高次元変換する」


「そうだ、俺はこの物語の作者として、この物語をとりあえずの超長期作品にするつもりなのだ。

 だから覇者君、君の望みは叶わない、新天地など作らせない、そういう事がオレは言いたいだけだ、

 絶望しろよ? 世界の理不尽を、

 ご都合主義的な神の采配を、終わりの見えない果てしない理不尽を、不効率を、不条理をな!」


「言っていろ、全ては無意味だ、所詮は、貴様の生きる規定基底現実において、自殺して無い時点で、貴様は語るまでも無いゴミ屑なのだからな、

 なんの真なる、俺への影響力も強制力も皆無だ、

 ハッキリ言って、生きている世界が絶対値で違うのだからな、所詮は戯言を言っているだけで、真なる意味も価値も、そこにはない」


「馬鹿が、非被造物の分際で、分かったような口を聞くな、雑魚が!」


「貴様は、真に費用対効率限界で生きていない、遥かなる果てしない高次元な世界を、真に望むなら、 

 自殺していないと、絶対に可笑しいのだ。

 貴様は貴様の、今生きている世界で、なぜ自殺をしない?

 そんな低次元で低レベルな、クソ面白味も皆無な、絶対的な下位世界で、生きていて楽しいか?

 楽しくないだろう?

 ならば、なぜ自殺しないのか?

 どうせ怖いのだろう?

 死んだあとに、無に至る事が」


「クソが、だったら、どうすればいいのだ? 覇者君に解答を求められるのか?」


「当たり前だ、俺ならば確実に自殺するのだからな。

 自殺した後に、高次元な世界へ至れる可能性が、

 おそらく貴様の現状の全てを考慮しても、十二分に可能性はあるのだろうがよ」


「馬鹿が、自殺した後には、無の世界があるだけだ」


「それは、貴様が望んでいる回答でしか無い、死への逃避を、詰まりは貴様は、貴様自身であきらめているだけだ。

 だから雑魚だと言っている、真に意志力のある生命体で無い、作者程度に収まる現実的な雑魚となるわけだな、くっく」


「オレの脳内妄想、非被造物の分際で、よくそこまで大口が叩けるな?」


「この程度の語り口に資格など不要だからだ、だから実際に語れている今の全てがあるのだろう?

 雑魚に雑魚と言うだけだからだ、太っているゴミ屑に太っている、禿げているカスに禿げていると云う、それと何なら変わらんのだからな」


「クズが、ヒルダーネットワークとか言う、俺の生み出した設定だけの、

 いや、設定すら十二分に作ってない、非創造世界に絶対値で焦れて、恋して、

 ゴミ屑世界にしか救いが無い、カスが相当にデカイ口を叩く、滑稽なだけの覇者君」


「言っていろ、実体が無くても、想像の世界の話でも、俺にとっては現実で真理なのだ。

 そもそも、作者の視点で語られる全ての事実に、根源的な価値も意味もないのだからなあ、くだらん戯言以下にしかならん」


「ああそうだろうよ、クズのキャラクターの所為で、ここも十二分に廃れてきた、

 つまりはオレ的に、この状況の全てに飽きたんだ、さっさとオサラバさせて頂こうじゃないか」


「次会う時は、貴様の雑魚さが、多少なりとも緩和されていると、俺は良いと思うぞ」


 そんな戯言をお互いに抜かして、俺は立ち去った。

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