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ノイエ・パラダイムズ・ロスト‐機械な婦人の観測  ☆☆☆



 どういう事だろうか、最近のこの二人と居ると、沢山の戦闘に巻き込まれる。


 運命的な、アカシックレイルコード、世界の導き手、極点ARの作者レベルの、意図的な誘因力。

 これは直観でしか読めない、今まで集積した、ありとあらゆる極点の価値と意味のある情報から、導き出される直観だ。

 確証も何も無い、違和感があるのだ、それだけがこの危機感の拠り所なのだろうが。


 ワタクシはレイア、次元の魔女。

 この戦域の全ての観測端末視点、それらを俯瞰しながら、

 この点から導き出される、ハルカ先の先までの、戦略的な価値のある情報を鬼集している。


 自らが盤上の支配者で、全てを優越するクイーンで居なければ、絶対にいけないと自負している。

 もちろん、こんな難易度の高いステージで、いつまでも、確固たる盤石な地位を保てないと、焦燥が有る。

 だがヤルのだ、ワタクシはワタクシの全力で、無双の最強足る地位を持ち保ちたいだけ、世界での己の在り方の真だと心得るの。


「やあやあ、イリスだよぉー、ツカサぁ~ごきげんようぉーだよぉー」


「うがぁ!お前もスパイだったのかよ」


 此処では無い場所、戦艦の中央司令部に近い場所のどこか、イリスとつー君が戯れている。

 実際は、順当におそらく違うだろう、だが手は貸して、場をかき乱したいだけのゴミ屑か?

 分からないが、この浮遊戦艦の黄金設定は頂いていく。


 デゥアル戦艦・イグニッションセイバー、

 長大な設定をカスタマイズし、色々な命中精度、攻撃制度、自立AIの学習機能、

 その他いろいろが、イリスの一夜漬けで全部成った、普通ならありえないが、コイツの特異能力の一つで全てがチート的に成った。

 イルミナードの各地を転々としながら、敵を引きつける誘導部隊の一大拠点だ。


 戦闘が開始された、これからは、おのおのの観測視点を再現して、より高度な計算を行う、

 起点はまあ、つー君でいいか、なんとなく、彼の挙動と思考をシンクロさせるのは、なぜか心地よい、

 恋しているからだろうか? 戯言で睦言以下、ワタクシに似合わない、思考を停止、中断、この感興の切り離しを行う。


「ちょっとイツキ!あんたも手を止めない!!」


「わーてっるよ!馬鹿やろうがぁ!」


 今目の前に迫る敵、敵と言うのも憚られる、善良な秩序側の観測者だ。

 手にもつ、アトランティックという、現実のゲームで使い慣れてるタイプの、幅広の長刀を振りかぶって、まっすぐに敵に打ち下ろす。


 刃が交わった時に、微妙に切っ先がブれる、緩急をつけたのだ。

 だがそれだけで、全ての間合いが狂って、俺の計算を妨害する、力関係が逆転し、交差の瞬間には俺の腕が袈裟がけに切り裂かれる。

 こんなのは所詮は情報戦だ、アバターとして力量差がほとんど無いならば、技量が全部だ。


「フィンスター! アロー!」


 アトランティックの特殊兵装、機能の一つ、剣の柄の宝石が光り輝き、弾数制限のある魔法の矢を三つ投げつける。

 しかし簡単に受け止められて、直ぐに反撃される。

 反射されるバリアで、浮遊する俺の矢の軌道を気をつけながら、俺は回避の為に、戦艦の艦橋の方に逃げる、味方の助けを待つ形だ。


「強すぎるっ!」


 俺はすこし舐めていたかもしれない、観測者も何もかも。

 現実のゲームで(アトランティックというリアルと変わらない格闘ゲームだ)相当上位のプレイヤーだったので、観測者も適当にいなせるだろうと。

 

 でも現実は違った、敵はこの幻蝶蚊帳という夢世界で、確固たる意志を保つ、

 そういう高度な脳制御と、情報処理を行なえる存在だった。

 超々高度知的ネットワークに、おそらく所属しているんだろうが、四大かは知らんが、

 だが所謂しかも全世界で最前線と呼ばれる、凝縮圧力の常に掛かる力場領域だ、存在しているだけで評価に値したのかもしれん。

 まあつまり天才だ、ならゲームの腕だって超一流でもなんら不思議はない、という事で話だ。


 今俺は、俺達は、奮起数日立たずに追い詰められていた。

 少なくともこの時の俺は、そんな風に今の状況を見つめいた。


「そうだよねぇ~、イリスは想うよ、

 だって敵の精鋭部隊、かもわからない、もしかしたら斥候程度の部隊に追い詰められているのだ!♪。

 更に敵の後詰めの、これ以上に強い部隊がきたら目も当てられない。そういう状況なのだからぁ~~♪。」


 こんな状況でも、艦橋上方の、魔法師部隊が展開する場所、その頂点の辺りで、歌うような声。

 イリスは森羅万象を統べる、という設定の、巨大な精霊の事象体、本来なら展開するだけで膨大なMPを消費する、

 だがイリスは高度過ぎる精神制御、精霊を統べる暴走させない絶妙な魔力制御やら、うんたらかんたらで、圧倒的な力を周囲に拡散させている。


「やはり強いわね!でもまだまだ!!」


「うわぁ! エミリ! 俺まで切るつもりか!」


 後方に逃げていた俺、背中に強烈な殺気を感じて、避けると、駆け抜けるブルーの飛翔体、抜け様から既に剣を大上段に構えていた。


「ちゃすととおおおおおおお!!」


 ぶがぁあああ! というロケットブースターの焼けつくような炎が、若干で無く俺を焼く、

 次の瞬間には、俺を追っていた敵を、真正面から力技で、なんの技量も無く、叩き切るでなく、ブッタギルように爆散するポリゴンに変貌させる。


「やっぱり!こんなモンな訳よ! アタシ様に喧嘩売ったら火傷するよぉ!」


 火傷したのは俺だ、と言いたい、だが言わないのだ例の如く。

 彼女は先日の城での騒ぎで入手した、ランクが数段アップしたような、白の発光する黄金の剣を華麗に扱い、

 俺以上の立ち回りをかましてくれてはいるが、まあ所詮はどうも分が悪い、敵の数が多すぎるのだ。

 彼女の抱えてる敵はだいたい十数、俺が二、三人、規格外の戦闘能力に目を剥くばかりだがな。


「おいおい! 流石に敵が多過ぎるぞ!」


 彼女の傍若無人な目障りか、というより突出した彼女を集中攻撃して、早めに脱落させたいのか、たぶん両方。

 周囲の偏在していた敵が、いきなり過ぎる挙動で集中して、彼女を志向、味方は間に合わない、俺以外はなアぁああ!


「くっそぉ!!こんな所で!このアタシがぁ!!」


「ここは俺に任せろ!」


「しかたない!使いたくないけど使うわよ!イツキ!!アタシの剣の斜線上から離れなさいぃ!!!」


 彼女の方面からの声の一瞬後、条件反射に近い立ち回りで、彼女の振り下ろす剣の斜線上から退避する。

 

「「エミリちゃんに司! 戦艦の特別砲台のチャージサイクルが完了間際、三秒後に君たちの周りを通過するので、よろしくぅ~~♪」」


 俺はとっさに状況判断する、エミリと一瞬の目配せ、後にはブースターの全力加速で、敵の方面、

 戦艦の超威力のビームを避けるべく、遠くの敵に逆に接敵。

 事前に双方の剣の能力を聞いていなければ、不審に思う挙動、攻撃思考。

 敵にとっては苦し紛れのハッタリか、何かに、この場合は幸運にも作用したらしい、酷く混乱している模様。


「ディヴァイン!!セイバァー!!!!」


「バリアフル・イスクインペリアルガード!」


 一切の恥ずかしげもなく詠唱、兼神への祈り、呪術的言霊の乗った叫びが響く時空。


「「うわぁあ! 二人とも! イリスは蘇生系の魔法縛りだから、ごめんだよぉ!」」


 次の瞬間、エミリの剣から黄金の力場が、直線状に迸り、

 ターゲットに定めた、防御系の能力持ちの、今までの戦闘、乱戦の中でも見極めていた、凄まじい並行処理のなせるわざ、エミリの隠れた才能。

 その敵の三人が、その奔流に直に飲み込まれ爆裂四散する。


「よし!!やったわぁ!!イツキこのまま押し切るわよぉ!!」


 そして、超光速の攻撃の後には、戦艦の広域に展開する大質量ビームが、敵もろとも俺達を襲う。


「おおぉ!!」


 そのチャージサイクルを要する、ドリームワールド起源の、神に対する祈りの産物、

 属性的には天使系、イリスの持つ扱う特異で得意な属性魔法力の伴ったモノ、亜音速のビームの形で発射されるモノ。

 

「エクスエクスエクス、エクストラ、バリアフル・イクスインペリアルガード! 全力展開!」


 詠唱以外に、全十六掛けの、重複防御魔法、とある古の帝国の国旗、魔法陣のような盾が眩い光のベールのように眼前に現れる。

 俺の持つ剣は、人々の想起により発生した幻想器、あるいは神器は、その機能を万全に果した末、一時の休眠サイクルに入る。

 この時間は光速戦闘では致命的、だが迫るビームは亜音速、広範囲に拡散する前の、ビームの形のトキだけは大丈夫だと踏んでいた。

 一定時間、厳密には3時間マイクロネオ秒だが。この戦闘中は使えなく、なくも無いになる。


「しかし、もう何とかなる戦力差だ」


 俺も気合を入れて剣を振り下ろそうとした瞬間、それは起こった。

 

 戦艦からの特別砲台の射線を、俺を起点としてずらし、

 敵が退避した大部隊、その主戦力とも言える場所、広範囲展開した後の主砲の速度は超光速、

 広範囲に渡って降り注ぐソレを、高レベルの防御魔法を扱う奴を、さきほどエミリが落とした、もう直撃確定だ。

 これは俺をビリヤードの側壁とした、主砲を球とした、本来曲げられない攻撃を曲げる作戦だったのだ。


「あらあら、ここがバレているなんて、予想外だったわ、でも御免なさい。

 実は強襲されても返り討ちに出来る所までは、読めなかったみたいね」


 そう言って、赤みがかった黒茶髪を靡かせる令嬢が、

 鋭利な小悪魔のような微笑と共に、その悪魔的な性能を持つ、銃口の撃鉄を打ち下ろす。


「ぐがあぁああ!」 


 その銃砲と共に、一人が一撃のもと、遠距離からの短拳銃の一発だけで爆発した。

 いつ見ても規格外だなこれ、普通遠距離用ライフルでもなければ、あそこから撃って当てられるわけないんだが。

 あの銃も何か、ご都合主義な不思議アイテムなのだろうか?それとも純粋な腕か?

 どちらにしても、とてつもなく反則臭い事この上ない。


「レイア!!どういうことぉ!この状況は仕組んだことなの!??」


 エミリが大声で問う、敵は既に後退に後退を重ねてしまっている。


「いいえ、これは彼らの優秀な諜報活動、情報収集能力の賜物。初めから貴方達を囮にしてたわけでも、売った訳でもないわよ」


 黒幕の微笑を、戦艦の航空機を放つタラップの上で、

 先ほどの銃撃で煙を放つ場所、息を吹きかけながら、煙草でも吸うように息を吸うレイア。


「どうだかな、お前なら簡単に俺たちを窮地に追い込んで、それを笑ってみていそうだ!」


 目の前の敵達が、明らかに動揺していた。

 そりゃそうだろう、目の前に自分達よりも相当強いだろう増援が召喚された。

 この状況で動揺しない方がおかしい。

 

「あの時点で、敵が完全に濁流にのみ込まれて全滅、だが実際はレイア、お前がゴワサンにした」


「ええ、あの状況下なら、この戦況を観察している、敵の上層部が、あのように後詰を送ってくるのは明らかだったのよ」


 実際はもっと確証があったのだろうが、幾ら暗号で防御しようと、次元の魔女の扱う解除スキルは、レベルが違う。

 遠方からの指令も全て解読、敵の筒抜けの情報網から、この展開を読んで、ああやったのだろうがよ。


 これで戦域に展開する敵は、負傷兵を持ち、時間稼ぎの俺達に、相当に足を引っ張られた形に成る。

 後詰の敵たちは、足手まといの負傷兵を見殺しにするか、一バチで迷うが、そんな事をすれば士気が落ちる、

 その状況を、しかもリアルタイムの生中継だろう、拡散する敵が目の前でビデオ構えてたりする、イリスだ。


 俺は俺で、目の前の敵に夢中だったが、まあ妥当にどうやら撤退を開始したようだ。

 すたこら逃げの一手を打つ敵を、追撃して撃破することもあるまい、俺は手を引いたのだが。


「何してるのぉ!イツキ!奴らを追撃して一人残らず撃破するのよ!!」


「ええぇ!!何の為に!益ないだろこれぇ!!」


「あるわよぉ!!私に歯向かった報いを受けさせるのよぉ!!

 あとおまけに奴らを撃破することによって、現界における必要時間で。活動を制限させることが出来る!!

 全員この場でやるわよぉ!!やりきるわよぉ!さっさと来なさい!!」


「わかったよぉ!!このまま追撃してやるよぉ!!」


 そんな事いいながら、既に初めの口上時点で、彼女に追走して敵を追っていた。

 だが実際に敵を追撃してるのは、俺達だけ、遊撃部隊のようなパーティー構成には、寂しいかな、アタッカー二人の名前だけ。


 彼女の方が俺より数段素早い、しかし俺も俺でそれなりの移動速度は持っている。

 彼女の真骨頂は近接戦闘能力にあるようだ、素早さはそれほど人間離れしていない、まあそれでも俺より数倍以上速く感じるが。


 でもそれ以上に予想外の事態が起きていた、俺の側面を、銀光が駆け抜けていったのだ。

 一瞬敵からの攻撃?と思ったが、そんなはずはない、後方にいるのは”あのレイア”だけだ。

 だがレイアは、さっきまで居た場所で、複数の敵を相手しているはずだ。

 味方を攻撃した事で、自立AIの機械兵が、うざったらしい事に、戦艦内の各所から群がる形で、数百と彼女たった一人に向かったのだ。


 だいたいにおいて、短拳銃で移動しながらだ、前方で追っている遠く離れた敵を、ピンポイントで狙い打つなど不可能ごとだ。

 しかし、目の前でその常識は覆させられている、なぜなら追っていた遥か前方の敵に、その銃弾が命中したのだ。

 それにより敵集団は、撤退を停止せざるを得ない、直線的に逃げる事ができなければ、必ず追いつかれる。

 それに魔の銃撃を警戒する為、こちらに向き合わざるを得ないという寸法だ。


 一瞬後方を確認するが、レイアの姿はない。

 遥か後方に俺達のアジト、浮遊戦艦の威容があるだけだ。

 その確認も一瞬だ、敵が前方から迫ってきている。


「撤退を一時中断、遊撃部隊の殲滅に変えたかぁああ!」


 高速移動から急停止、間合いの確認も碌に行わない、だが直観で全てを処理する、精度は落ちるがOKと暫定の判断の下、剣をふるう。

 ガキンと、剣と剣が交わる一瞬。

 その衝撃で後方に多少飛ばされながらも、一切体勢を崩さずにまたも激突。

 三合四合と切り結びながらも、一切の隙が出来ない。

 このままでは敵に数的有利を与えてしまうと思いきや、既に敵は一人だけだ、どうやらリリがもう既に倒していたらしい。

 敵の大部隊は、この場に残した小部隊を囮とし捨て、つまりは俺達を盾にして、レイアの銃撃を牽制、その隙をつかれたのだ。


「おい!!リリ!!援護を!!」


「良い機会よ!!一人で倒しなさい!!」


「そんな馬鹿な話があるかよぉ!!!」


 とか言いながらも、敵は一切止まってくれない。

 例え状況が圧倒的に不利でも一切怯まず、真っ直ぐな太刀筋で向かってくる。

 俺は覚悟を決め、ここで敵を始末することを改めて決意する。

 右に左に、敵の斬撃が迫り。交わしまたは刃で受け止め。大立ち回りを繰り返す。

 そうしている内にも、敵の攻撃パターンを収集、集積し、敵の癖を読む思考を継続させる。

 実際時間にしては数十秒マイクロネオ秒以下、だが、完全に読めた。

 俺の得意分野であるこの戦闘戦法は、戦闘思考と同時の並行的戦術思考だ。

 これにより大体の敵の攻撃は見切れるようになる、更に回避パターンまで読めれば、こちらのもの。


「っ!!!」


 敵は明らかに攻撃の質、回避のパターンの変わった俺に圧倒されている。

 だがもう何もかも遅い、長期戦で良いなどと、俺にとっては愚策、下作の戯作、高を括った時点で俺の勝ちだ。

 

 俺は回避を紙一重で行ない続けるという、戦闘機動のアドバンテージを伴いつつ、

 更に敵の一瞬先の回避も読んだ、高速連撃によって次第に敵を追い詰める。


 そこで俺は刀を一瞬、顔の側面まで引っ張り込んで全力で集中、

 体全体のバネを最大限引き絞って、弓を放つような鋭い一線を打ち放つ。


 しかし予想外にも敵はこの、必中必殺の正確無比に練った攻撃を避けやがった。どういう事だよ!

 

 俺は保険に、忍ばせていた短剣を、隙を生む攻撃の後の硬直状態から、

 無理な体勢で引き抜きつつ、刀を打ち捨ててまで、敵の致命的な剣の軌跡を払う為に振り、

 それで短剣は獲物の重量と、さらに無理な体勢からの力の入らない状態からの振りで。短剣も後方に吹き飛ばされる。


 敵はここぞとばかりに接近。

 俺の胸に刃を通すべく近距離へ、俺は後方によけながらも、俺は冷静に思考する。


 獲物は失った。しかし敵の攻撃パターン、回避パターン。若干の戦術思考まで全て読めた。

 まだこちらが有利なのは変わりがない。

 俺は一瞬までの怯みから脱し、敵に急速接近。


 敵の好機とばかりの、連続の攻撃の、その先の不確定で発生する、

 攻撃の先の挙動を全て読まなければ、絶対に接近しきれない、敵の懐まで一瞬で潜り込み、

 接近格闘術、

 いわゆるCQCとかそういう技をかける、

 敵はこちらの意図に気づいたようで、右手の獲物を一瞬で投棄。

 そのまま格闘戦に移行する、、かと思いきや。


「時間切れ。悪いけれどそこまでにしてもらうわ」


 と、後方で俺と敵の攻防を見守っていた、

 途中からチラ見で気づいた、レイアが無慈悲な銃弾で、敵にとっては予想外だったのであろう、一撃の下敵を爆散させる。


「おおぉ!!サンキュ!!

 って言っていいのか分からんが、まあありがとな!できれば最後までやり合いたかったんだがなぁ、、あそこまでやったんだからぁ、、」


「今はその辺にしときなさい。新たな増援が来ないとも限らないわ。急いで別のアジトに移りましょう!」


「ツカサ!!途中からの動きの切れの良さとかの変化について!!後でじっくり教えなさいよぉ!」


 そう言いながら、その戦域から離脱する俺達。

 俺は高速で移動しながら、隣のレイアに先ほどの不審な件に付いて聞いてみた。


「おい!レイア!お前さっき、アジトの方から銃撃したよな?」


「ええしたわ、それが何か?」


「なにかじゃねぇええ!!お前どんだけだよ!規格外にも程があるわ!!」


「ああアレのことぉ。別に不思議でもなんでもないわ。十全な訓練と経験による高い技術、それとコレによってね」


 そう言って、彼女愛用の短拳銃を見せる。

 その上の方には、長距離スナイパーライフル用の簡易カスタムセットがこびり付いていた。

 確かにそれなら、あの長距離からの狙撃が可能なのかもしれない。


「言ってなかったかしら?

 わたしの十八番はこういう手の射撃能力なのよ。もちろん他の戦闘方式にも自信はあるけどね」


「まじかよぉ!お前相当なレベルの万能家じゃねーか!

 そんな射撃腕の上で、更に近接戦闘能力も高いんだろぉ!!無敵じゃねーか!」


「イツキ、何を今更。レイアはそういうタイプなのを、今だに知らなかったの?」


「いつ言ったよ!お前らは常に、現実を直面させる前の事前報告を徹底しやがれぇ!!!」


 そんな高速移動中ではありえない程の、大声とテンションで馬鹿に話していたからだろう。

 既に別アジト前だという事も気づかなかった。

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