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王国防衛隊長リイン編★



「あっはっはあ!」


 混沌の属性、ステータスには”混沌の覇者”と出ている。

 マガマガしい凶器の大鎌、デスサイズ。

 そして、あのバイザー、超次元切断を可能にしている、おそらくオプション兵装。


「くそ!!!おお!」


 この我を持って、わたしが出遅れるのは、まあ良い。

 だが、この無上に無限大に滾る肉体、物理的な強度で劣るとは!


「あっはっは!」


「あっはっは!」


 釣られたのか、笑えない状況が、楽しいと思えるくらいに、から回ってきた。


 二つ前、奴らは突然あらわれた。

 無所属勢力、名をリベレイターズ。


「くは、はぁはぁ、隊長、すみません、やられました」


「くだらん! 戦闘で負けるとは! なにごとだ! 情けないと思わないのか!」


 直属の副長、可愛いほどに華奢な体躯、大人の女性をまるで幼女のように言ったが、コイツは私から見て痩せっぽち過ぎるのだ。


「とりあえず、これを見てください」


「おお、観る」


 艶やかな金髪、今は見る影もないが、戦闘前だろう、立体映像が透過しながらも、現実の半分を埋める。


「あーてんまるし、みひまるエスエス」


 古代の言霊、そして印字、副長の十八番、目を瞑りながら浮遊し、空転する立方体、円球が増えて、壮大な円陣を構成する。


「私は敵、エストランパエル海峡を渡ってくる、謎の敵性存在を、このように迎撃していたのです」


「なるほど、我は寝ていたがな」


 少し経って、向こうの方、海を浮遊する物体。

 立体映像の拡大機能を使い実視、

 小さい月に、擬人化したようなオブジェクトの、生々しい生物のような月の形をしたモノ、

 ソレに乗った、艶やかな黒髪の、ツンデレっぽい目をした、私と同じような、女傑のような不遜な女が居た。


「一瞬でした」


「だろうがよ」


 スロー再生する必要は無い、ゲームの録画は、コンマを無限大に割って描写してくれた。

 ただの一刀、

 奴がデスサイズを中空に出現させて、突撃。


「お前十八番の、中空を埋め尽くす範囲攻撃、エリアの全てを灰燼に帰すアレ、使えれば、どうだろうな?」


「駄目です、タメがあります、アレはおそらく、一瞬でトップスピードに達します」


 常識外れだ、どれだけの間合いがあっても、初速から、ほぼ無限大の速度を、光速すらヌルい、出されれば一瞬の勝負だ。


「くだらん敵が現れたが、敵ではない」


 くだらん敵で、副長がそれは貴方も同じ能力値っぽいですが、とかいう感じで見てたので、お尻ペンペンした。

 副長は年甲斐も無く泣き叫び許しを請い、年甲斐も無く幼女のように泣いて、私を罵った、まあいつも通りの可愛がりの弄りだったがな。


「さて、ナルディアとか言う奴」


「はい? なんでしょう?」


 コイツは今朝がた、私が牛乳を一気飲みしていた時に、若干できる隙。

 ハッキリ言って、この時以外に隙らしい隙は作らない主義だ、私というのはそういう奴だ。


「お前の罪は、万死に値する」


「へえ、そう?」


 くるくるくる、大鎌を、それだけで円形の輪ができるほどに光速で、回転させる、飄々とふてぶてしい、ツンデレのような釣り瞳。


「そうだ、私が唯一無二で気を抜く、あの時に、最小単位、コンマ無限大に少しの隙をついて、攻撃してくるとは、卑怯モノが」


「いえいえ、お褒めに預かってしまいまして、ごめんなさいねぇ」


 私はイルミナードで、最も強い自覚がある、この王国の女王近衛達の筆頭なのだから。

 その誇りと自負、プライドは絶対値なのだ。

 それでも人間だ、どこかで気を抜く事も必要、バランスを保つための真理は、最小でも、無上に突き詰めて、極めても残るモノだ。


「わたしは、猛烈に貴様を切り殺し、ブッタギル事を望む」


「喜んで、相手します」


 ただただ光よりも、なお早く、己が意志を振り下す。

 すると、敵も同じような速度で、意思で、なんとなくとも切り結ぶ、切り結べてしまうのだ!


「あっはっは! 白のマリアでもないのに! この私の混沌を跳ね返すなんて!

 流石イルミナード、流石あなた! 全てが全て、世界の全てよりも尚おもしろく! 超越的に超越の限りを尽くしている!」


 戦闘中、わたしは全力で、なのにも関わらず、よく回る舌が躍って、良く分からない言霊を紡いでいる。


「はあぁああああああ!!」


「あっはっは!!」


 一方的な意思のぶつかりでは無い、だが相手に、人間のような意思が感じれない、巨大な、巨大過ぎる絶対のモノを人間の意志を呼べるのか?


「は、はぁ、、、まあまあ楽しめたから、これで御仕舞」


「待ぇえええてて!」


 人外の膂力で跳躍して、どこまでも追おうとするが、振りきられる。


「なんだったんだ、アイツは、ヤバ過ぎるだろう」


 私はトコトコ移動して、執務室の影、執務室の下に向けて、己の大剣を振り下そうとする。


「いや、待て!」


「またん! んんんがあああああああああああ!!」


 どしゃああがああ! 執務室がはじけ飛ぶ、その下に潜んでいた、覇者もろとも!


「なにしやがる! リイン! 王国の覇者を殺す気かぁああ!」


「たわけえ! あまいわあああああああ!」


 横なぎの一線、ストレスを、このコイツの腹をぶち破って、臓物を弾け飛ばして、わたしは晴らす!!!


「ふわあああああああああ!!」


「まだまだぁあああああ!!」


 私の全力を、全部紙一重で交わす、まあ手加減が入っているとは言え、全力のわたしの連撃を避けるとは、


「コイツも、なかなか、捨てたモノではないわああ!!」


「だったら、ガチデ殺そうとするなぁあ!」


「ガチデは無い、わたしがガチデ無いのだから、全力でも尚、超越するところの芯のガチデは無い」


「いみわからねええなああああ!」


 何時ものヤリ取りである。


「うがあああああああ!!! 覇者よ! 討伐隊を組織しろ!」


「無理だあ! 王国の財政は、常にいっぱいいっぱいだ、ゲームバランスがそうさえるのだからなああぁ!!」


「ならば、わたし単騎で突撃する!」


「やめろおおおおおおお! 王国の領域に居る補正がついて、あのざまだろうが!」


「だったら、どうすればいいのだあああ! 死ねぁあああええええあああああああ!」


「ひゃあうううああああああああああ!」


 覇者を切り結ぶ事で、ストレスを発散する日々が始まった、どうしてこうもイラつく事が多いんだ! 神ゲーか! ここはあああ!  

 

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