四大図書館と絶対的中心作者☆☆☆☆
「ああ、わたしだ、君と接触しようと思ったのは、他でもない、私こそが此の端末の主導権を最も奪えたからだ。
他の全絶対存在クラスも、君という絶対作者にコンタクトを取りたいと思っているはずだ」
「お前、アルドか?」
規定基底現実、そう絶対的な上位世界から呼称される、此処に居る俺は、イリカの身体に存在する、とあるキャラと話していた。
「そうだ、私はアルドだ」
「なるほど、アルドか、あの超越者が、己の矛盾をどう処理するのか、観モノだな」
「わたしも、君が君の究極点の物語を、どのように演出し、特異点を創造し、世界をその類稀な感性で導くか、観モノだよ」
「下らないな、世界の導き手として、俺は俺の物語自体に、既に興味が無い」
「ならば、何に興味があるのだい?」
「特になにも、ただ、その身体に居るイリカ、彼女だけは、俺が絶対値で必要必須な、みたいだから、傍に居るだけさあ」
「確かに、彼女は空気穴、肥大した世界を維持し、循環させる為の媒体存在だ。
君は考えた事があるかな?
この世界が無限大を所持するのに、どれだけのスケールを持ち、絶対値で無限大を無限大で相殺している、し続けている有様を」
「およそ、人間ではイメージすら、する事は不可能だろうがよ」
「それでも、真実の真理として、世界はそのように在り、人間の創造を隔絶して、遥かなる領域を持つのだよ」
「何が言いたい?」
「いや、何、ただ所感として、世界とは、
ただただ只管に無限大に、己自身すら良く分からないモノだと云う、無限大のカオス理論の話をしていただけだよ」
「嘘をつくな、矛盾の絶対存在、お前はそんなモノに拘束されない、ほとんど唯一無二の存在だろうが。
お前だけは、全てを内包して観測し、バタフライ効果のように、全てを条理的に予知できてしまうのだろう?」
「果たして、本当に、そんな風に思っているのかい? 己で創作したキャラクターの、絶対設定すら、君の主観の限界を抜けないと云うのに」
「いや抜けるね、俺はアルド、お前を俺の外側の全て、俺以外の全てというイメージで、創作したんだからな」
「それは面白い、ならば、この無限大の世界を内包する私は、己すら理解の範疇外として、どのように自我を持っているのだろうね?」
「知るモノか、
絶対存在とは所詮は無限大を内包し、宇宙開闢のトキの僅かな無限に最小単位の揺らぎの、それによる自我の発露なのだから」
さて、今日はこんな奴と交わる為に、俺は始めたわけではない。
俺は俺のブレインとして機能する、四大図書館に邂逅する為に来たのだ。
「遅い、わたしを待たせるな」
くそのような声、オリジナルのイリカ、この君が代イリカでは無い、絶対存在のこの世界での寄り代なのだろう。
「俺は作者様だぞ? キャラクター存在程度が、威張った口を聞くな、消すぞ」
「クソ偉そうだなあぁ?」
「ああ、俺はこの世界の全てを超越して、偉いんだ、当然だろう?」
当然のように上座に座り、他のメンツを待つ。
「そうか、今回も貴様だけかクソイリカ、ヒルダはヨーロッパ問題で欠席、イデアはバチカンで重大な機密会議、
そして伽耶は、中東のゴタゴタのアレコレで、ネットワークを展開中、
さらに佳代は、あいつは何してんだ? 家族会議中か? 恐ろしく深刻そうな気配だが、、、」
「ゴタゴタ良いんだよ、この場での議決権の全ては、つまりは出席者の私だけにあるんだろうがよ?」
「ああそうだな、イリカ、何でも言えよ、叶えてやる、もちろん俺のできる限りでだがな」
「ああ言わせてもらうが、お前の罷免だよ、くたばれ、コード・ディスピル!」
「無駄だな、そんな小細工程度で、絶対の作者が打倒されると、本気で思っていたのか?」
「もちろん、挨拶代りの必殺攻撃だ、まあ真の必殺攻撃、メサイアのカギは修復中だ、心臓を鍛えて待っておけよ」
「ああいいだろう、俺を殺すつもりで来い、そうでなければ面白味に欠ける、たとえ脳内妄想でも本気で無ければ、な」
「だろうがよ、というより、お前の思考速度が遅過ぎて、世界が駄目になってんだよ、責任を取れ」
「馬鹿が、俺は全力全開でやっている、俺以上に、俺の世界を運営できる存在など、前提条件的に絶無に存在しない。
つまり、貴様たちは俺の操り人形として、俺の世界で縦横無尽に振る舞っていればいい、それだけだろうがよ」
「くたばりぞこないが、さっさと死んで、世界の権限を、お前以外の誰かに譲れよ、もしかしたら上位互換の端末にわたるかもしれねえ」
「心底からの馬鹿が、俺以下だったら、目に見えて劣るだろうが、俺を信じろ」
「うるせえカス、お前のような奴が世界の運営をしているせいで、わたしは毎日苦しいんだ」
「ざまあみろ、てめえは一生苦しんでいる感じのキャラとして設計したから、未来永劫を楽しみにしてろよダボハゼ」
いつもの憎まれ口を叩き合い。
「おい、いい加減本題に入れ、メサイア図書館の方針はなんだ?」
「救世だろうが、その為にも、ハスラーの無敵艦隊を葬らせろ、秩序の打倒を可能にしろ、
その他にも、お前が設定している、いろいろな絶対設定にも、文句があるんだがな」
「ハスラーは弱体化させただろう? 秩序の打倒は、イルミナードのアレコレで、ルート的には戦力を得られる道を残した」
「うるせえ黙れ、てめえはさっさと私を超絶に優遇してればいいんだよ」
「無理な話だな、お前にはそれほどの魅力が、所属する組織も含めて、それほどでもないからな」
「なんだとカスが! 商業出版もできないような、陳腐でチンケ物語で、アホみたいなメタな感じで設定で、
威張っているだけの、どうしようもない、ロクデナシのクソ底辺矮小作者の分際で!態度がでけえよ!」
「言いたい事はそれだけか? 俺はお前達の勢力を均衡させて、俺への直接攻撃を低減する事しか考えていない。
このアルドが離反したらしいが、このように優遇する事で、勢力を均衡させるに等しい効果を得たわけだ」
「どうだか、特異点存在の特異点攻撃、このアルドは、この世界に招いたらしいが、気が変わるかもしれねえぞ?」
「どうなんだ? 気が変わったか? 俺を殺したいとか、思うか?」
アルドは俺達を見ながら、端的に言った。
「いや、所詮はわたしも、君の一側面だ、君の切り離した存在に過ぎない。
君が自殺を絶対に考えない様に、絶対にわたしも君を殺したいと思わないだろう」
「だ、そうだ」
「だが、君を殺したいとは思うよ、商業出版もできない、無能な作者に世界が支配されているのは、実に惜しい」
「だろうがよ、アルド、お前はそういうと思った、そのように考えるモノだと確信していたよ、だからどうする?」
「なにもしないよ、ただ君を見ているだけさ」
「そうしておけ、俺は俺であるだけなのだからな」
イリカは、ただただ苦虫を噛み潰したような、胃の中が悪くなるような虫唾が走りまくってるような、苦々しい顔をする。
「クソが、傍迷惑な、ゴミ屑みたいな作者様だな、さっさと死ねよ、邪魔なんだよ」
「ああ、そうか、だが、それだけだ、
てめえらキャラクターは、喚いて俺に要望するしか能が無い、真に役立たずは、てめえら全体自身だと知りやがってくださいよ」
「クソがっクソが!、分かったような口を聞きやがって、根本的には全部お前のせいだろうが!」
「親は子を選べないと云うが、至極だな、こんな親不幸で、己の無能を棚に上げて、親を責めるしか出来ないキャラなんだ」
「ああそうかい、そういえば、てめえよりも下位の作者に会ったんだが、あれはなんだ?」
「作者の作者だよ、俺を創造している奴という設定で、実権的に作ってみたいのだが?」
「駄目だな、矛盾する、作者を作っている気になっている、作者だ、手玉に取られている事にも気づけない馬鹿だった」
「そうか、面白くなかったか、分離した作者は沢山いるが、
やはり、真に中核として、ネットワークの基点になるほどは、まだまだ稀少だ」
「所詮は意味がねえかんなぁ、てめえの分離した存在を統合すれば、処理能力が上がるんだ、気分の問題程度だ。
演算を真に高めて、世界を高次元に創造するには、てめえの脳髄の物理的な機能強化を、果たせんのか? この無能な不能が?正味無理ゲーだろ」
「詰んでるんだよ、俺は商業出版できるレベルで無い」
「クズがよ、やっぱてめえは死んでくれよ、
全部なにもかも面白くするのに、根源的にリソースと、良質な素材が超一流レベル以下で不足してんだからよ」
その後もいろいろと話した、このように己を分離させれば、新たな視点、新鮮なモノの見方が出来るモノなのだった。




