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イルミ先生と同僚エミリ‐娼館コンビニ



 俺は底辺作者らしい、矮小作者にすら見下される、最底辺らしい。

 らしいというのも、俺が俺という存在の裏設定みたいなのを知ったのは、

 ここイルミナードの召喚されてから、放逐されて、死に掛けて、

 

「つまりは、王国の覇者の恋人、あらあら、愛人なのかしらねえ、ワタクシ、イルミ先生に教えてもらったからなのよね?」


 そう、この銀髪で、幼女とは言えない、だが少女と言うと、微妙に幼い感じの、

 二度言うがインパクトの強い煌めく銀髪の、

 超絶に整った容姿、腰ほどもある長い銀髪を翻す、海よりも深い瞳をした麗人に見染められてからだ。


「それにしても、娼館コンビニって、コンセプトがヤバいよなあ」


 俺は呟く、この店は昼は潔癖で普通のコンビニを装い、夜はヤバい感じの店に変わるのだ。

 まあそれでも、俺は、俺のする事は変わらないのだ、だって俺は男だ、間違っても売れる感じの色に秀でる感じでもない。


「それでも大丈夫よ、ワタクシの好みには有ってるから」


「まあ、そりゃ、毎夜、あんなにされれば、俺がイルミ先生の好みにドストライクなんじゃないかって、過信もします」


 イルミ先生は、まあこの店のマスター、主で、働いても働かなくても良い感じで、自分勝手に過ごしています。


「それでも、俺はイルミ先生を尊敬してますよ」


「へえ、どんな所が?」


「だって、こんな退屈なしごとを、無上に楽しんでいる感じが、凄いと、本当に凄いと思います」


「ふーん、というより、ワタクシの場合は、生きているだけで、

 それこそ、働く以外にも、町を散歩したり、深呼吸の動作、なにもかも、人にやさしくしたり、感謝されたり、

 本当に、些細なモノ以下の、存在しているだけの何もかもが、

 もちろん、楽しめる要素が有った方が、その気持ちが増大されるのだけど、

 根本的なステータスとして、存在規模のような、なんというのかしらねえ、

 そう感受性、そうね感受性だわ、ワタクシは感受性のようなモノが、果てしなく極点まで研ぎ澄まされているのよ」


 イルミ先生は、マシンガン様に話だして、俺はビックリした、

 まあイルミ先生の唐突なこんな感じには慣れたモノだ、ピョンピョンしてるし。


「まあねえ、ワタクシは、特異点存在みたいな感じで、無我の領域で、無上に感受性を生み出す、原泉のような良い女だからねえ」


「はあ、素直に惚れぼれします」


「少年、ワタクシに惚れたら、火傷ですまねえぜぇ? キラ!」


 可愛い感じに頬笑み、どこからともなく魔法杖を出して、魔法少女みたいなカッコ良く、アクロバティックなポーズを決められる先生。


「可愛い、可愛い、イルミ先生、超可愛い」


「うっふっふっ、ありがとう! ありがとう!」


 コスプレ会場のように、コンビニの客がシャッターを押してしまう、まあこれも日常的な茶判事であったりするのだが。


 深夜、月が昇って、下り坂。

 俺はバックの部屋で、店のあちこちが移り、監視カメラの、座っているだけでモニター番のような、警備員のような仕事をしていた。

 夜は客が来ないのだ、当然だ、イルミナードは夜は閑散だ、みんな可愛い女の子とエッチしているのだろうがよ。


「羨ましいなあ、暇だなあ」


「あらそう、だったら、私と付き合いなさいよ」


「いや無理無理、十八禁の事はできないから」


「ばーか」


 俺の隣のイスに座って、かしゃ、缶コーヒーを飲んで、電子タバコを吹かすのが、同僚のエミリちゃんだ。


「どうだ? 儲かってるか?」


「知らない、辛気臭い、デリカシーの無い事きくな」


 うざったらしいような、ニヒルな口もと、

 全体的にも、エロイが、ネガティブな雰囲気が、色っぽいのか、そうでないのか、経験未熟な俺には判断がつきかねる感じだ。

 

「あんたさあ、こんな仕事、楽しい?」


「エミリの方はどうだ? 楽しいか?」


「さあ」


 本当に、なにを考えているのか知れない、深いだけの、泥沼か井戸のような瞳だ。

 エミリって奴は、クソ電波な、なに考えてるか分からない適当な、ギャルのような奴だった。


「そういえば、深夜、俺が客のトキに、此処に来た時」


 俺は一人でに語りだす。

 そうだ、あの時は客として来た、

 イルミ先生の家で散々ぱら色々して、朝までコースだと確信した俺は、休憩を申し出た、

 渋られたが強引にして、コンビニで夜食とかを買いに来たのだ、

 ここの売り上げはイルミ先生のもの、居候の俺は気を使っているのだ。


「いきなりエミリは、”休憩中なんですけど”って、滅茶苦茶めんどう臭いような顔と声で、俺に言ったような」


「はぁ、それがなに? 責めてんの?」


「いや、ある意味で、場末のバーみたいな感じ、雰囲気が、面白かったよ」


「そうでしょうよ、それに結局は、ちゃんと仕事してやったんだから、別に問題ないっしょ、いいでしょ?」


「ものすごく、上から目線だな、はっは」


 会話は下らなかった、それでも何となく楽しい。

 そりゃそうだ、深夜に、美少女と二人きりで、秘密の会話みたいな事をしているのだ。


 俺の日常ってのは、イルミ先生とエミリって同僚の、本当に小さい箱庭で完結する、

 だがまあ悪くない程度に楽しい、もっと楽しい事があるのは知っているが、まあまあ満足して、ストレスは少ない感じなのだった。


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