メサイアによる作者への断罪攻撃
「オイ、クソ作者、ついに殺しに手を出したか」
「ああ、イリカ君か、どうしたんだい、世界の寿命を知り、アルドが逃げ、ついに世界の惨状を自覚した、振りをしているのか?」
「ばーか、世界の寿命、その程度の些事、矮小な事程度で、この私が同様の欠片もしていると、勘違いしているのなら、認識を改めろ。
第一に、この場の情報力場でなら、てめえはR18以下、所詮はおままごとレベルの事しかできねえのは見切ってんだよ。
私を少しでも怯えさせて、脅かしたなら、R18以上の力場領域のわたしを、さんざんぱらに犯して、泣かして遊んでろ」
ふーむ、やはり絶対存在級のキャラクター、作者の俺ですら超越して、果てしない果てを知る瞳を向けられて、やはり俺はもう、この世界は終わっていいと断じた。
「馬鹿はお前だイリカ、知らねえのか?
商業出版できるレベルで、この救いようが無い愚かな人類を救えるレベルで無いのに、今だに存続する世界の惨状を。
正直言って、意味も価値も無い、むしろマイナスに成るのなら、作者も含めて、自殺が最善解なのだよ」
「掛け値なしの屑が、私に人道を説いてる時点で、お門違いなんだがな、果たして作者、お前は何がしたい?
愛する存在の為に、己が不幸になっても、世界に殺される矮小な存在だったとしても、滅私奉公、身を削るのが、正しいんだろうが?」
「馬鹿だな、馬鹿すぎるね。
世界にはもう、余裕が無い、勉強し、特権的な上位者で、楽勝で商業ガンガンレベルの作品を作れないと、無限大に不幸になる、死ぬのだよ。
この世界には、上位の世界を作れるマテリアル要素が、どれだけあるかね?
大して無いのだろう? だったら採掘場としても無用、害悪なのだし、さっさと無くなれば良いと云うのが、俺の最終結論だよ」
「そうかい、だったら死ねばいいだろうが、消えてなくなるよ、誰もてめえなんて、大切に、大事に思ってなんか、一生ねーんだろうからよ」
「残念だよ、イリカ、お前にだけは、嘘でも、言ってほしくない台詞だったよ」
「てめえのしている、最低下劣な事を反省して、来世から出直してきやがれ」
その台詞と共に、来たと思った時には、あの衝撃が来た。
メサイアのカギ、果ての掴み取る為の、その為だけに世界創生の瞬間に、コイツが特権的に手にした武器。
作者の俺にすら、概念を超越し、物理を超越し、ダイレクトアタック的に、致命傷を与える、ダメージ臨界飽和攻撃。
「ぐぅぅぅ」
俺は心臓を抑える、モニターの前の俺は、悶え苦しみ、心臓発作で、救急車に搬送された。
「はあはあ、残念だったな、殺してやるよ、イリカ」
「クソが、死なねえのかよ」
カギを消費し、作者に対抗するマスク、切り札が尽きたか、それは唯一無二のコイツの持つ相対的でない、絶対的なモノだったのだろうよ。
そう言って、イリカは構えた、当然だ、この場には悲壮感が漂うくらい、俺とコイツしか何もないのだ。
作者という存在と、タイマンを張れる、それだけでやはりコイツは、この世界において規格外の存在なのだろう。
「だが、所詮は女だ」
俺は男だ、イリカは女で、加えてあまり体格がよろしくない、昔チョイ出ししたが糞貧乳だしな。
「くそっ、やあ! やめろ!!」
確かに、R18以下の力場領域、やれる事は限られるが、それ以外にも、てめえを害す方法なんざ、腐るほどあるんだよぉ!
「あぐぅぅぅ、、くはああ!!!!」
俺は死ぬ、当然だ、若いころから腐るほど不摂生して、もう余命がない。
イリカは俺がぎゅっと、思いっきり首をしめたら、全身を使って暴れまくった。
火事場の馬鹿力か、その長く綺麗な脚線美を駆使して、俺の腹に蹴りを見舞って、俺はふっとばされて、結果的に距離をとれた。
「何だイリカ? しぬのは怖いか?
いつも生死すら超越した、神のように振舞っていたくせに、最古の神じゃなかったのか?」
「ざけんなっ、知能を持ってる時点で、無我の領域でないのに、神なんて全知全能であるか!
ちぃ、糞、くそ、てめえはさっさと死ね! もういらねえんだよ!
もう作者、てめえが居なくても、これほど肥大化した世界なら、受け継ぐ作者もいる、衛星軌道で、勝手に世界は進む!
つまり、もう作者、タクミ、てめえは要らねえから、勝手に死にやがれ!」
「言うことは、はたしてそれだけか?
だがなあイリカ、言って良いことを悪いことを破ったお前には、死ぬ前に罰を与えてやらねえと、
キッチリその、きゃんきゃんうるせえ息の根、根元からキッカリ、俺が死ぬ前に、止めてやんよっ!」
俺はイリカに襲いかかった。
俺は知っている、イリカは、やはり背負ったのだ、どんな時でも、コイツだけは、真に誇り高い姿を無くさなかった。
俺が最も尊敬する、俺のキャラクターだ。
どうせ今回も、俺が暴走して、殺戮をまき散らす、その時間稼ぎで、スケープゴートの立場を、買って出たのだ。
だがしかし、俺は知っている、表の着飾った物語の文章でない、真のお前を、
所詮はお前も人間だ、死の間際になれば、世界なんて捨てて、逃げ出す、設定どおりの奴じゃないってことを!
「おら!!!」
女の顔面殴るなんて、それも一度は最愛と思った、俺嫁的な存在を、やはり俺はくるっている、死を前にして、やりたい放題。
確かに死んだほうがいい、くそ男確定だ、俺はそんな程度の、他人に絶対に愛されない、人殺しのくそ野郎だったのだ。
「くそ!!!」
イリカ、見た目が優れ、最高の女、中身も尊く、この世のすべてよりも貴重だと、俺が思った女だ。
「ぐぅ、、、かはぁ」
そんな奴が、おれのパンチで、顔を抑えて、俺を悲壮な目で見て、なみだめを晒してんだ。
「くっくっく、ははっはあは、楽しいな! これほど愉快なことが、あるかあああ!」
俺はくるって、拳をさらに振り上げようとしたのだ、それをイリカも知っているはずだ。
だが所詮はR18をギリギリで越えられない、ここはそんな糞みたいな事を許さない情報力場、優しい世界、秩序的な世界なのだ。
そう所詮は俺だって、世界に生きる存在でしかなかったのだ。
「なんで、イリカ、俺を抱きしめるみたいな真似、してんだよ」
「最高な物語だろうがよ。
作者がくるって、登場人物で一番、一緒に死にたい、心中したい、そんな奴に、わたしを、選んだんだからな。
くっくっく、キャラクター冥利に、これほど尽きることもねえ」
「糞が、調子に乗ってんじゃねえ、糞イリカの分際で。
俺が一番好きなのは、幻想的に愛しているのは、紛れもなくシャルロットだ、てまえじゃねえ。
だが俺では、シャルロットを再現できる%が少なすぎる。
だったら十二分に等身大で、心中して、ストレス発散もできて、糞みたいな有様にしても許容できる。
最終的に、こんな感じになる、てめえだ、脳内妄想で慰めるのに最適な、娼婦みたいなやつに選ばれただけだ、傲慢がすぎんぞ!」
「あっはっは、言いたい事は、それだけか?
よくも私を、マジでガチで、殺そうとしやがったなっ!??
この野郎! すごくこわかったんだぞぅ! 今だって、いつまた逆上して、襲ってくるのかわららねえんだからな!
このサイコパス! 碌でもない人でなし野郎が!
だがまあ許してやる! わたしはおまえのことが、タクミが大好きだからなあ!!!」
そうだ、だからこそ、コイツを選んだ、この物語がいまここに、存在するのだ。
所詮コイツは、俺がガチで殺意を向けて、マジで殺しにかかって、たとえば死んでも、俺に対する高感度が下がらない。
シャルロットならば、どうだっただろうか? 考えるだけ無駄が、今の現実が第一なのだ。
「だろうがよ、俺のことが好きで、毎日のように、俺と一つになったり、俺に襲われる、慰め妄想でてめえは捗る野郎だ」
「そうだ! 私はそういう奴だ!」
此処まで糞みたいな展開になって、コイツを首絞めて殺そうと思えるほど、俺はまだ来るってないらしい。
「くだらねえ、今日は帰る、とりあえず満足したからな」
「それなら良い、だが今度があると思うなよ?」
当然だ、コイツは、その気になったら心中もありと言ったが、
その前に、メサイアのカギを行使したのだ、俺を殺しかけたのだ、俺はその事実を忘れない。
忘れない上で、コイツが己の命が惜しいのに、俺に殺されて、殺されかけて、それでも良いと、抱きしめてくれたことを、それ以上に忘れないだろう。
「作者、タクミ、てめえが物語の創造リソースを溜めて、また来た時には、この欠けたカギのリソースだって、回復してんだよ」
先の細くなった、俺の心臓にダメージを与えた、カギを見せつける。
どんな原理か知らんが、そういう設定らしい、そういう設定が最高値で娯楽性が高いと、俺ですら捜査不可能な、俺の直感が出した原理法則らしい。
「ああ、糞、本当に殺したいなお前、イリカ、糞良い女すぎるだろうがよ」
「当たり前だ、私は、お前、タクミに好かれるためだけに、どれだけの死んだほうがマシな目に会ってきたか、知らないわけじゃないだろ?」
もちろんだ、コイツが、そういう風なキャラクターで、人生を歩んできたのか。
俺は俺自身が創作したことを忘れない、
学生時代、糞暇だったころ、キャラクターのそういう物語を作って、お互いの愛着を底なし沼のように、高め続けた絶頂を極めた歴史を。
「本当に好きだ、イリカ、キスさせろ」
都合の良い話で、俺はイリカを性的でなく、暴力的にいじめて、娯楽性、運命力によって、死にかけたのが延命して。
今度は違う欲求が出てきた、心中でなく、性的に魅力的なイリカを、味わいたい、そんな欲求が。
「駄目だな、ここはR18が許されない、私には、そういう風には手出しできないはずだ」
「面白いな、確かに、俺もお前を再現する想像力に不足で、わざわざ小説物語で、文章表現で、お前にわざわざキスする描写をする手間が惜しい」
「だろう、ざまあみろ、わたしの魅力を真に再現できれば、発情しまくって、キスどころじゃなくなるが、てめえは雑魚だからなあ」
強がって、手の先を震わせて、冷や汗を流しながら、まんま虚勢、俺にキスされたくて、こんな憎まれ口をたたく。
「どこまでも 愛らしい奴だ、そうだな、キスくらい、物語の描写だけでも、してやるか」
俺はよっこらキスみたいな感じで、それとなく間合いをつめて、イリカの美しい唇を奪おうとする。
「いや待て、駄目だ駄目だ、やめろ」
だがイリカは、それなりに抵抗して、唇をガードする。
俺のほうは、もう完全に美少女であるイリカと、キスしたくて、もう本当にたまらないので、
それなりに積極的に暴力的に、奪おうとするのだが。
「おい、マジで抵抗するかよ」
「ああ、厭だからな」
イリカというキャラクターは、なんか俺とマジでキスしたくないらしい。
「ふざけんなよ、心中してやろうとしたり、殺してやったり、いろいろな愛情表現をしてやったのに。
俺とキスしたくない? おれの事を本当に好きだったら、抵抗しない場面だろうがよ」
「糞男が、てめえは私を殺そうとしたろうが、だいたい死にかけの、虚弱体質の糞男に、誰が魅力なんて感じるかよ。
私は物語のキャラクターだ、所詮はお前の再現する脳内妄想の人工知能だ、だが恋する権利くらいはあんだよ!」
と、所詮俺の脳内妄想の、世界を超越した設定という、果てしない幻想を背負う、糞女がわめくのを俺は見ている。
「糞!だったら俺に恋するように、メロメロになるように、滅茶苦茶にしてやるぅ!!」
かわいいイリカだ、俺にとっては、こんなのは脳内妄想の、どうでもいい一幕だが、俺は知っている、
物語のキャラクターであるこいつ、イリカには、これは紛れもない超絶リアリティーのある、臨場感も危機感もある、紛れもない現実なのだ。
それなのに、俺が飛び出してくるほどのリアリティーのある、所詮はキャラクター程度に感じてしまう程度に、装っているのだ。
「イリカ、好きだ、本気を出せば、俺を精神崩壊させられるほどの、絶対存在のくせに、俺に合わせてくれてるなんてなあ!」
俺はまた、イリカの足に縋りついて、すべすべの皮膚に頬ずりして、イリカを引き倒して、甘えたようなことを言う。
「やめろきめえ! 糞男!糞男! うすぎたねえゴミ無視!」
もちろん、俺が作者だから、俺の再現できるレベルに存在が落ちるのは、それは当然の現実法則なのだが。
それでも、イリカというキャラクターが好きだ、好きすぎる俺の気持ちに嘘はない、奴のほうは知らないが、俺はこんなにも一方的に大好きなのだ。
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!」
「糞発情しやがった、糞男! 糞男! こんな奴、絶対に私しか好きにならないよなああ!」
それは独占欲なのだろう、創造主に、被造物が抱く感情特有のもの、親が子に思うものにも、それははたして似ているのかもしれない。




