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とある王国『トアル王国』  作者: 真冬梨亜
異世界召喚ととある少女のチート
5/15

とあるクラス召喚

前回から数時間での投稿です。

新章スタート!!

 俺はある日、光が輝いて、異世界へと来てしまった。




  チャイムと共に俺達は解放される。

「ふい〜、3限終了!!」

 前の席の中谷達也が言った。

 俺達は中野学園高校の生徒だ。

 日本に住む普通の高校生。

 クラスの奴らはノリがいいし、面白いヤツばかりだ。

「よう、目黒。さっさと行こうぜ」

 1人の柄の悪そうな奴が目黒君に話しかけている。

 いるんだよなあ。

 このいい高校にもああいうのが。

 俺は立ち上がって、目黒君のところへと向かう。

「目黒君。悪いんだけど、この問題教えてくれないかな」

 柄の悪そうな奴がそうすると俺にガンを飛ばしてくる。

「ああ?今、俺が話しかけてるんだけど?」

「ごめん、俺は次の授業で当たるんだ。この問題は難しいから目黒君に教えてもらおうと思って。教えて貰ったらどくから、それまで待っててよ」

「ふざけんな、コラァ!!お前、何様だと思ってるんだよ」

「残念、一般庶民です」

「喧嘩売ってんのか!?」

「まさか。でも、そうこうしてると、あっという間に次の授業だよ?」

 俺は時計を指さす。

「っち」

 そう言って、彼は教室を出ていった。

「....ごめんね、佳祐君」

 目黒君は申し訳なさそうにそう言った。

「いや、別に。俺はさっきの人が五月蝿いのが嫌だっただけだ」

 それは本当だ。

 ちなみに、目黒君は彼にいじめられていると聞いている。

「でも....」

「さあ、皆さん。そろそろ授業ですよ」

 先生が入ってきたようだ。

 俺は親指を立てて目黒君に笑って見せた。

 目黒君は申し訳なさそうにぺこりとお辞儀をした。

「また、おせっかいかよ、佳祐」

「べつに、俺はやりたいことをしただけだ」

「まっ、好きにやれよ。後始末は俺がしてやる」

 達也がそう言い、前を向いた。

 全員が席に着き挨拶が始まる。

「起立!!」

 その言葉と同時に....教室が光った。

「なっ!?」

「誰だ!?教室にビーム仕込んだの!!」

「なんだ、目からビームが発動するのか?」

「それはやばい!!」

 クラスの奴が騒ぎ始める。

 こんな時にもこのクラスの雰囲気は変わらない。

「ちょ!?誰ですか!先生のスカートをめくったのは!!」

 ....先生も相変わらずだな。

 俺達はそんなこんなでどこかへと飛ばされた。





 気づいたら高級な床に転がっていた。

 顔を上げて周囲を見れば、クラス全員と先生を入れて36名全員がいた。

 中には起き上がっている奴もいる。

「....ここはどこなんだ」

「くくくっ、ついに来たか!異世界!」

 どうやら動揺は見られないやつがいる。

 きっと中二病が抜けなかったやつだろう。

「この、絨毯....、ウールか?ウールなのか!?」

「....ねえねえ、私の化粧道具知らない?」

 相変わらずのキャラの濃いクラスだ。

 お陰でここはカオスと化している。

 ふと、大きなドアが開き、めっちゃ宝石ジャラジャラの男がやってきた。

 うーん....、宝石ジャラジャラはきもい。

「成功だ!!」

 男はそう言い、バンザイをしながらこちらへやってきた。

 ....あ、これまじで異世界だ。

 気づけば、この部屋は神殿のようになっていて、柱には彫刻が。

 床は確かに....ウールっぽい。

 さらには男の後ろに甲冑を着た、男達が並んでいる。

 こんなの、バチカン市国でしか見れないはずだ。

 ちなみに、バチカン市国の服装とは違うので、バチカン市国ではない。

 じゃあ、どこ?

 右の壁を見れば大きな地図が。

 地球の大陸の形は一切なく、様々な見た事のない大陸の形が並んでいる。

 地球の地図はかなり正確だ。

 こんなでたらめな地図は書かない。

 すなわち、ここは地球ではない、ということだ。

 中二病は間違ってなかったな。

「姫、成功です!!」

 男は後ろを見ながら言った。

「良かった!!失敗したらどうしようかと思ったの!! 」

 姫と呼ばれた少女が男の前にやってきた。

 男は咳をして大きな声を出した。

「皆のもの!!ここにいるのはティファイン帝国王女、ティロン様だ!!」

 起きている生徒や先生がそちらを向く。

 どうやら、今ので全員起きたらしい。

「あれ、佳祐。あんたと寝た覚えないんだけど」

 梨香がそう言い、起き上がる。

「?ここはどこ?」

 梨香は未だ理解できないように首をかしげた。

「皆様、こんにちは。ティロン・ティファインと申します。急ながら、勇者召喚をさせてもらいました」

 王女がそう言いお辞儀をする。

 勇者召喚?

 それにしても、王女は美人だった。

 透き通るような金髪に、青い瞳。

「よし、勇者召喚来た!!」

 中二病が叫んでいる。

「おい、貴様!!王女が話しているのになんということを!!」

 男が喚き散らす。

 ふと、こういうラノベを読んだことがあると思い出す。

 こういうのはだいたい、ステータスがあって、俺ら異世界人は鑑定とかいうのを見れたような....。

 頭の中にステータスという言葉を思い浮かべる。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ケイスケ

 17歳

 Lv.1

 スキル

 鑑定Lv.10

 言語理解Lv.10

 剣術Lv.10(オーソドックス)

 盾術Lv.10

 魔法

 まだ未習得


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おお....。

 見れてしまった。

 じゃあ、あの偉そうな男は?



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 タップン

 35歳

 Lv.2

 スキル

 文学Lv.3

 司令官Lv.2

 魔法

 火魔法Lv.2

 光魔法Lv.1


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ええー....。

 タップンって何?

 名前だよね?確かにお腹タップンみたいな感じだけど。

 しかもスキルLv.低くね?

 じゃあ、あの王女は?


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ティロン

 17歳

 Lv.10

 スキル

 剣術Lv.5(ティファイン式)

 護身術Lv.10(ティファイン式)

 司令官Lv.3

 作法Lv.10

 王家の気品

 魔法

 火魔法Lv.5

 水魔法Lv.4

 地魔法Lv.2

 治療術Lv.10

 音魔法Lv.3

 特殊

 癒しの使い手

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おお....。

 レベルとかよくわからんが、すごいな。

 多分。

「?佳祐、お前何してるんだ?」

「おお、達也か。いや、なんか異世界に来たらしいから、ステータス見れんじゃね?って見てみたら、見えた」

「えっ、まじか」

 達也も早速ステータスを確認している。

「....ホントだな。あの男の後ろにいる奴らは強いぞ」

「....そうか」

 おそらく、あの王女以上か。

「失礼ですが、学校の授業が始まるので帰って良いでしょうか?」

 そう言ったのはうちのクラスの学級委員。

 真面目な女子だ。

「....すみません。帰る方法はわかりません」

「....なんですか?それは私達の帰り方は知らないということですか?勝手に呼びつけて帰り方は知らないなんてずいぶんと酷いと思います。私達は道具とかそういうのじゃないので好きにやらせてもらいます」

「貴様!!王女になんてことを」

 男が怒りに震えている。

 学級委員はさらりと答えた。

「あなたの国ではこの、王女様とやらが1番だと思いますが、私達の1番は天皇です。あなたに従う義理はありません」

「そうだそうだ!!」

 誰だ。野次入れるのは。

「くそっ、王女様。どうやら勇者召喚は失敗のようですね」

「いえ、そうではないです。息のいい方々ではないですか。あなた達の帰り方はよくわかりませんが、魔王を倒せばわかるのではないですか?」

 ティロン王女がそう言った。

 学級委員は考えるようにして沈黙している。

「それに、生かすも殺すも私達の自由です。悪いようにはしません。ですから、魔王を倒すことを取り組んだ方が損はないと思いますが....」

「わかりました。やりましょう」

「「「早っ!!」」」

 クラス全員が突っ込む。

「ちょっと待て。私は大人だ。クラスの生徒は全員守ろう」

 そう言い、立ち上がる先生。

「....大人もいたのか」

 男が呟く。

「とりあえず、皇帝が待っておられる。全員、ついてこい。でなければ殺す」

「....殺されないためにも、ついてくぞ。皆」

 先生がそう言い、真っ先に歩き始める。

 皆、不安ながらも無言でついて行った。




 皇帝への謁見を終えて、全員に部屋が渡される。

 帝国では教育が難しいらしく明日には全員、隣国のマルカ国の学園に入学ということになる。

 先生も先生で俺達の身柄の安全と、補助をお願いしていた。

 全く素晴らしい先生だ。

「ねえ、君。勇者君だよね?」

 ん?この部屋は俺以外誰もいないはず....。

 ふと、窓を見ると、黒い服に身を包んだ男が佇んでいた。

 髪は黒で、瞳は黄色。黒猫のような男だ。

 猫耳はないが。男に猫耳あったら鳥肌だ。

 差別ではない。

「ねえ、聞いてる?」

 俺は逸早くステータスを見る。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ランラン(偽名)

 20歳(嘘)

 Lv.測りたくありません

 スキル

 開示許可がありません

 魔法

 開示許可がありません

 特殊

 いや〜見ないで(笑)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ....なんだ、この、デタラメは....。

 ふと、ランラン(偽名)を見ると静かに微笑んでいた。

「おーおー、早速プライバシー侵害とはやっぱり勇者なんだね。あれだよね?君らは明日にはマルカ国のギガント学園に行くんだよね?あの学園は種族身分問わず色々な人がいるからね〜。君たちの先生が頑張ったお陰だね」

「あんたはなんだ?」

 ランラン(偽名)は自分を指さす。

 今気づいたが、手袋も黒かよ。

「俺?俺はね、ディラン。あっ、嘘じゃないよ?この国へのスパイをしてたんだ。君らが召喚された時もいたし、皇帝への謁見にも紛れ込んでたよ。悪いけど、ここの警備はチョロイからね」

 ....報告した方がいいのかな?

「あっ、報告とかしない方がいいよ?この国、マジ酷いから、君が殺されちゃう。俺とあったことは誰にも言わないでね」

「あんたはどこの国のスパイなんだ?」

「うーん....。勇者さんには言っちゃってもいいかな?どこかで聞くかもしれないけど、俺の国はトアル王国って言うんだ。帝国は俺らを凄く差別してるから、口にしただけで不敬罪で殺されるよ。気をつけてね。じゃ、時間だし。俺の国は君らの味方だから覚えといてね」

 そう言い残し、ディランは夜の闇に溶けていった。

 トアル王国....。よくわからないけど、何もなかった振りをすればいいという話だ。

 というわけで寝ようと思う。

 さっきは何も無かった。

 以上だ。



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