表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある王国『トアル王国』  作者: 真冬梨亜
異世界召喚ととある少女のチート
12/15

とある勇者とあいつの行方

俺はケイスケ。

異世界に召喚され、勇者となってギガント学園で色々と学んでいる。

クラスでは主に達也とフランシェと仲良くしているんだ。

食事にはなぜか、幼なじみのミズキと俺達を召喚したティファイン帝国の王女、ティロンさんが一緒にいる。

この学園に来て1ヶ月。

色々なことがあった。

俺は無事に強くなってきている。

達也も、瑞希もティロンさんも上位をお互いに争うライバルとなっている。

ただ1人、その中で仲間はずれなのがフランシェことフランだ。

フランは魔法に関して落ちこぼれだった。

これはあの日のこと。





「今日は魔法の記述テストの返却を行います」

先生の言葉に俺達は息を飲んだ。

「ケイスケ」

俺の名前が呼ばれ、俺はテストを貰う。

出てた点数は95点。

これは期待できる点数だった。

すべてのテストを返し終え、先生は笑って言った。

「みなさん、出来が良くて驚きです。平均点は74点です。明日解説をしますので、忘れないでください。それと、フランシェさん」

その言葉に全員がフランの方を向いた。

フランが真っ青な顔で先生の方を見た。

「後で、指導室に来てください」

その言葉だけでだいたいわかった。

フランは....赤点だ。




場は移って食堂。

「フラン....大丈夫か?」

達也がそう言って、フォークでスパゲティを混ぜながら聞く。

「うっ、大丈夫です。なんとかなる....はず」

「あれは、結構簡単なはずなのに....」

瑞希が可哀想なものを見る目でフランを見た。

瑞希はどんまいをかけないやつだ。

心に刺さったのかフランはいきなり、手を動かしのをやめ、右手をテーブルに叩きつけた。

ビシッという音がして、テーブルにヒビが入った。

おいおい....どんだけ力強いんだよ。

ステータスは普通なのにな。

「あんな問題を出すのが悪い!」

フランは逆ギレした。

「だいたい、あんなにめんどくさい方法でやるなんてバカにも程がある!....だから、....になるはずなのにぃ....」

ぼそぼそとところどころつぶやくもんだから、よく聞こえなかった。

俺達はフランの様子に話を変えることにした。

「そういえば、目黒どうしたのかな?見かけねえ」

俺がそう呟くと、ティロンがむせた。

「ゴホッゴホッ」

「大丈夫か?」

達也が呆れたようにティロンに視線を向けた。

その目は王族らしくないぞと言っている。

「じ、実はわたくしも見かけてないのです」

「....そうなの?」

「なんか、事件か?」

瑞希と達也が興味津々に聞く。

「メグロさん?誰?」

こちらに戻ってきたフランがそう聞いてくる。

「目黒は、俺達と一緒に来た勇者だ。この学園にいるはずなんだが....」

俺がそういえば、フランが少し反応した。

達也もそれに気づいたようで、フランに追求を始めている。

「ほうほう、知ってるんだな?」

「え、ええっと、初めて聞いた名だね」

「どこにいるか知ってるのか?」

「さ、さあ?」

フランの視線は斜め上を向いている。

怪しい。

「知ってるんだな?」

俺はそうフランに聞く。

瑞希もティロンも目を光らせている。

フランは少し視線をさ迷わせたあと、ため息をついて答えた。

「ギルド行けばわかるんじゃないかな?ギルドでその名を出してご覧よ」

何故、目黒のことを知ってるのか怪しいのは言うまでもない。




放課後、俺達は冒険者ギルドへ来ていた。

学園の放課後は街を歩いてもいいのだ。

「へえ....こんなところなんだ」

呑気に瑞希がそう言ってあたりを見回す。

むさ苦しい男達がわんさかいる。

その男達はフラン、瑞希、ティロンを興味津々に見ている。

ティロンは王女らしく気品を保ったまま、カウンターへと行く。

フランは周りに目もくれず、カウンターのお姉さんへと話しかけた。

「すみません、ランクEのフランシェです。『ナイスパーティー』の情報を教えてください」

その声に周りがフランに一気に鋭い視線を向けた。

っていうか、なんだよ『ナイスパーティー』って....。

「かしこまりました。『ナイスパーティー』のメンバーはバルトさん、ラムさん、ロザンヌさん、ソータさんの四人メンバー構成で、現在Cランク。この街にはおりません」

「そうですか、ありがとうございました」

フランはそう言って、俺達の方へと体を向けた。

「だってさ」

「だって?」

達也が首をかしげる。

「メグロって人は、ソータという名前の人でしょ?彼なら、ギルドに入って冒険者としてやってるってことだよ」

フランはそう言って、適当な椅子に腰掛けた。

「....今の言いようだと、メグロさんはこの会ってない間にCランクになったってことですか!?」

ティロンが驚いたように叫んだ。

そこへ、カッコイイ冒険者風の男がやってきた。

「はは、君らも『ナイスパーティー』に驚いているんだね。俺も驚いてるよ。まさか、Eランクの依頼を間違えてCランクの洞窟に入ってあっさりボス倒しちゃうなんてね」

金髪ロングを靡かせて彼は言う。

ティロンは興奮して叫んだ。

「Cランクの洞窟に!?Eランクが!?これはすごいことですね。一体どうやったらそんな荒業を....」

そんなティロンを満足そうに見て、男はフランを見つめた。

「フランシェさん、せっかく冒険者になったんだから、俺と一緒に」

「お断りします」

フランは1度も男を見ずに断った。

「パーティーとかくだらないです」

そう呟けば、男は罰が悪そうに去っていった。

「....フラン、パーティー嫌なのか?」

達也がそう聞く。

「もちろんです。コミュニケーションがめんどくさい」

その言葉に突っ込みたいのは俺だけか?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ