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元風俗店員が初めての討伐

悲鳴を聞いたあとのジョディの動きは早かった。

すぐに駆け出し洞窟の方へ向かう。

俺も一瞬遅れて駆け出すが緊張のあまり動きが鈍い。

どう考えても誰かがゴブリンの集団に襲われている、ジョディが助けに行ったが誰かを守りながらは不利だ。

1人じゃ危険だ!!くそッ!!動け体!!

なんとか奮い立たせてジョディを追う。


洞窟の前でジョディがゴブリンと戦闘を開始した。

周りを見ると冒険者らしい3人組がいる!?1人が負傷してるようだ左腕を抑えている。


「早く後ろに下がれ!!」

ジョディの方へと駆けながら冒険者たちに声をかける。

ジョディは既に3体のゴブリンを倒している。倒れたゴブリンが光の粒子になって消えていく。

何!?消えるのか!?これは確かに殺したとは思えないか・・・けどこれやったらいけるか!!

ジョディは4体目のゴブリンの頭を棍で打ち抜いた。

うげ・・・やっぱ無理かも・・・グロイ・・・あっやばい、冒険者たちのほうにゴブリンが3体移動し始めた。

冒険者たちも立ち向かおうとしているがここから見てもわかるぐらい震えている。


「あぁくそがぁぁぁぁぁぁ!!」

冒険者たちに向かっていったゴブリンへと方向転換し一気に加速する。

ほんの一瞬でゴブリンの後ろに回り込み背後からゴブリンの頭めがけて棍棒を野球のスイングの要領で振りぬく。

メギョッ!!

ゴブリンの頭がまるでトマトのように砕ける。

緑の血が周辺に飛び散る。

俺の顔にもかかる・・・胃から何かがこみあげてくるが残り2体がこちらに向かって武器を構えている。

短剣を持ったゴブリンだ。

気をどうにか持ち直してゴブリンたちと対峙する。

2体が左右同時に襲い掛かってくるが動きは遅いジョディと比べると止まっているようだ。

右のゴブリンが少し早いのでそちらから対処する。

テニスのバックハンドの要領でゴブリンの頭に棍棒を叩き込む。

そしてそのまま肩に棍棒を担いで左のゴブリンの頭に叩き下ろす。


3人の冒険者たちには一瞬で2体のゴブリンの頭が砕けたように見えた。黒い外套を着た男の動きを3人は捉えることができなかった。


3体のゴブリンを倒してる間にジョディが8体のゴブリンを倒していた。

今周りに他のゴブリンはいない、おそらく洞窟の中にいるのだろう。


「逃げるよ!!早くしな!!」

ジョディが3人の冒険者に声をかける。

幸い足に怪我はなく走ることはできそうなので急ぎ退散することにする。

洞窟の奥からゴブリンたちの声が聞こえる。


「ギャギャ」「ギャギャッギャギャ」「ギャギャギャ」

まだかなりの数のゴブリンがいると予想されるので俺も駆けだす。

ジョディが殿を務め何とか休憩していた場所へとたどり着くが3人の冒険者たちの体力の限界か倒れこんでしまう。

ぐずぐずしているとゴブリンたちな追いつかれてしまうが3人の冒険者たちは動けそうにない・・・


「タケシ!!大丈夫かい?」

「ちょっと待って・・・吐きそう・・・」

ゴブリンを殺した・・・胃から全ての物を吐き出す。

殺した・・・人ではないが確実に俺が殺した・・・だけど殺らなきゃ殺られていた・・・出来るかもう1度・・・吐いて気分が落ち着いてきた。


「もう大丈夫。気分は最悪やけど、出来ひんわけやない。このままやったらこいつら死んでまう。」

「あんたたち邪魔よ!!とっとと後ろにさがりなっ!!」

3人の冒険者にそう怒鳴りつけて後ろに下がらせる。

そうしてる間にゴブリンが追いついてきていた。


「タケシは右からお願い!!無理はしないでね!!」

「了解!!」

即席コンビに連携なんて取れるわけもないので2手に分かれる俺は右ジョディは左。

ざっと20体近いゴブリンがいるが俺もジョディも基本は一撃必殺でゴブリンを倒していく。

何度か攻撃を受けたりもしたがチート防具に身を固めているので大したダメージにはならない。

途中頭に何か音楽が聞こえてきたが無我夢中で気にしてる暇がなかった。

そしてジョディが最後の1体を倒し戦闘は終了した。

俺もジョディもゴブリンの返り血を浴びドロドロだった。


「ハッ・・・ハハハハハハ・・・」

笑いが込み上げてきた生き残ったと・・・膝から崩れ落ちおそらく泣いていたかもしれない。

笑いは止まらない酷く乾いた笑いが響き渡る。


「タケシ・・・」

ジョディが心配そうに駆け寄ってくる。


「大丈夫や・・・流石に初仕事がこれはちょっときつかっただけやから・・・」

実際、精神的にかなりきつかったが大分落ち着いてきた。

おそらく続けざまの戦闘で感覚がマヒしたのだろう、一気に来たがもう本当に落ち着いてしまった。

壊れたかとも思ったが案外普通な自分に逆に驚いている。


「それにしても臭いなこれ・・・洗い流したいわはよ・・・」

「確かにね・・・タケシの魔法で水出せないの?」

「無茶言うたあかんわ流石にそれは・・・出来んのかな?」

フム・・・水に変えるか・・・大きな石を頭の上へ抱え上げ魔力を込める。


ザバーーーー・・・


石が水に変化し頭から水をかぶったようになる。

おぉ・・・出来た・・・てか俺の魔法、物質変換か?なんか俺の思ってるのとなんかちがうなぁ・・・便利やからええけど。


ジョディの分も水に変える、戦闘中に魔法を使っていなかったのでMPに余裕はあるはずとステータスを開く。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


カワモ タケシ ♂

Lv:2

職業:魔法使い<無属性>

HP:31/70

MP:60/100

力 :28〈+10〉

守り:25〈+90〉

速さ:52〈+10〉

体力:33〈+10〉

賢さ:71

運 :36

スキル:物質変換魔法<下級>消費MP10

※物質を違う物質に変える

※生物は不可

言語理解


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装備:鉄の棍棒

装備:ミスリルの胸当て〈偽装済み〉

装備:ミスリルの篭手〈偽装済み〉

装備:ミスリルのブーツ〈偽装済み〉

装備:黒の外套〈速さ+10・体力+10〉


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あれ?レベルが上がってる。


そういえば戦闘中になんか頭の中に音が響いたな。

あれか?戦闘を思い出し少し気分がわるきなる。

ジョディに聞くとおめでとうとまた強くなったのかと嫌味っぽく言われた。

確かに成長度合いでもチートくさい。

やはりこれは今はやりの俺最強なのか?ハーレムルートに進むのか?でも平和な世界で俺最強って。

色々考えていると、ジョディが冒険者たちの手当てを終えて村に戻ると言ってきた。

幸い冒険者たちの傷も深刻なものはなく大事には至らない、あたりも暗くなってきて、これ以上遅くなると戻れなくなり野宿をするはめになるので、急ぎ戻ることになった。


帰りは順調で夜間の下山に手こずったものの無事に村に帰る事が出来た。


村に戻ると冒険者たちはマイセンの診療所に連れて行ききっちりとした治療を受け明日詳しい事情を聞くこととなり、俺とジョディだけでマスターの元に行く。


一通りマスターに事情を説明すると、マスターのお説教が始まった。

状況が状況だが逃げる事は出来なかったのか、俺が初仕事だったことを。

俺たちを心配してくれていたのだろう、隣町の冒険者たちも来ていて心配してくれたり俺のレベルアップを祝福してくれたりした。

とりあえずは今日はこのぐらいにして、明日もう一度西の山に行き調査にいくそうだ。

俺はその調査には加わらない。

ゆっくり休めとのことだ。

とにかく、帰って来たことで肉体的にも精神的にもかなり疲労があり、酒場の奥の部屋で今日は休ませてもらうことになった。

マイセンの所は怪我人がいるので俺の寝る所がないからだ。

簡易ベッドがあるだけの簡素な部屋でベッドに倒れ込む。

硬いベッドだが、疲れた体には心地よく直ぐに深い眠りに落ちた。

初の魔獣討伐。


これまで全く風俗店員の要素はなし。


どうやって、何をしていくのか乞うご期待!!

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