表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

異世界に飛んだ風俗店員

「いらっしゃいませ!!」

「今日どんな子が?」「何分コースで?」「どちらのサイトを見られました?」「大丈夫ですよ!!」

「ありがとうございます!!」

「いってらっしゃいませ!!」

「ふぅ・・・今日はもう終了やな。」

時間はもう深夜0時になろうとしていた。

小さな風俗店の店長をしている、川茂武史はそろそろ閉店準備にかかろうとしていた。

大阪でホテヘルの店長。37歳、若干メタボな自称愛嬌のある顔をしているコワモテである。

長らく接客業をしているので少しばかりは喋りに自信のある趣味はアニメ・漫画・ラノベのオタク店長である。見た目と裏腹に喋りが面白くそこそこの売上を上げている。


今日は給料日前の日曜日と言うこともあって夜の客足はイマイチだった。


「店長、お疲れ様です。」


「おう、お疲れ!!また明日もよろしくね!!」


イマイチな流れだったため他のスタッフは早くに上がらせているので今は武史一人で最後の女の子を

見送ったところだ。


「はぁ今月はちときびしいか・・・う~ん・・・」

売上を見ながら頭を悩ませていると電話がかかってくる。


『店長、飯いきませんか?』


スタッフの一人から電話でお誘いがかかる。仕事は終わっているし明日は公休日と言うこともあって

久しぶりに行くかと夜の繁華街えと足を運ぶ。


ひとしきり飯と酒を飲んで帰る途中乗っているタクシーが

事故を起こしドライバーは軽傷を負い、川茂武史は重体の意識不明で救急車に運ばれてる最中に忽然と消えた。救急車の隊員の目の前で急に消えたため一時騒ぎになったが、消えてしまって身元もなにもわからないままで眉唾物のオカルトと噂されていった。



「ん・・・う~ん・・・」

川茂武史は柔らかなベッドの上で目を覚ました。周りを見渡すも見覚えのない部屋だ。

なにも覚えていない・・・飯食って飲んでタクシーに乗ったところまでは覚えてるのだが・・・

頭がぼ~・・・とする。


するとドアが開き見知らぬ女性が入ってきた。

「せッ先生、患者さんが目を覚ましました!!」


患者?先生?このベッピンさんは誰?ここはどこ?いろいろな疑問が出てくる。暫くすると体のゴツいゴリラのようなおっさんが白衣を着て現れた。

「どこか痛いところは?気分はどうだい?何か覚えてるかい?名前はわかるかい?」

続けざまに質問してくる。どうやら血まみれで倒れていたところをこの病院に運び込まれたらしい。

自分の身体を確かめる。特に痛みや傷も見当らない。

「あ~・・え~・・大丈夫です。痛いとことか、気分も大丈夫です。少しぼーとするぐらいですね。

あんまり覚えてないんですけど、名前は川茂武史です。」


「そうか、ぼーとするのは治癒魔術の後遺症だろう。暫くすれば治るだろうから。かなりの重症だったからな見つけてくれた方が凄腕の治癒魔術師で良かったな、ハッハッハッ。」


「あ~そうなんですか、見つけてくれた人に感謝しないとですね・・・」

回らない頭で考える。タクシーが事故ったか?でもどうして倒れていた?タクシーは?

「その助けてくれた方はどこに?お礼をしないと、あとここはどこの病院ですか?どのくらい寝てました?」

とりあえず、思いついたことを医者に聞いてみた。


「あの方は巡礼の途中で君を見つけてここまで運んだあとはそのまま巡礼に旅立ったよ。」

「そしてここはマグナッド村の小さな診療所だ、君は昨日の夕方にここに運びこまれて今は昼を回ったくらいだ。」

医者がそう教えてくれた、なんでも聖地巡礼の旅の途中だった男に助けられたらしい。今朝また旅に出たとのことだ。


「お礼言いたかったなぁ・・・・ん?」

何かがおかしい・・・頭が少し回りだした。


治癒魔術師?

聖地巡礼?

マグナッド村?

昨日の夕方?


「ファッ!?」

「えッ?何ッ?魔術ッ?巡礼ッ?マグナッド村?えッ?えっ?・・・」

頭がパニックになる!!えッ?なにこれ?夢?夢だよね?


「ところで君の名はカワモタケシだったかな?変わった名前だがどこの大陸の出身だい?このケターキ大陸ではあまり聞かない響きだね・・・ってどうした頭を抱えて?頭が痛いのかい?」


やばい・・落ち着け・・もしや・・俺、死んだ?で、まさか・・まさか・・ここは・・異世・・いやいやいやいやいや。落ち着け・・そんなことあるわけない・・いくら俺がオタクだからって・・ないないないない。37歳にもなって・・いやいやいやいや、いくらなんでも厨二すぎるだろ。頭を抱えて考えているとまた誰かが部屋に入ってきた。


「先生?どうですか患者さんは?」

最初に来た看護師さんだった。だが、おかしい・・最初に見たときは気付かなかったが猫耳に尻尾が付いてる・・コスプレ?いや衛生的に大丈夫なのか?いやいやいやいやいや、あれ?なんか顔も猫っぽい?それにコスプレのような嘘っぽさがない・・。


「えっーーーーーーーーーーーーーーーー!!異世界ッーーーーーーーーー!!うそんッ!!」

でかい声を出して驚いたら少し落ち着いてきた。あとでかい声にびっくりして猫看護師の耳と尻尾が漫画のようにもふぁっとなった・・間違いなく本物のようだ。さぁどうする、テンプレで行くと異世界召喚などされるのは勇者と相場が決まっている。えっ?俺、勇者なの?マジで37歳にもなって勇者するの?

厨二すぎない?とりあえず、この医者にいろいろ聞くしかないだろう。


「つかぬことをお聞きしますが・・・この世界って滅亡の危機にひんしたりとかしてます?」

恐る恐る尋ねてみると。


「????」「そんな話は聞いたことがないな」

何を言っているんだ?といった顔で答えてくる。


あれ?違うの?この人たちが知らないだけ?と疑問に思っていると猫看護師が

「四〇〇年前に異世界から勇者様が現れて当時の魔王を討ってからは割と平和ですよね先生?大きな戦争とかもないですし。」


そんな前に世界は救われている!?もしや復活するのを食い止めるのか!?


「現魔王は友好的で和平条約も結んで概ね平和だよな、うん。」

「むしろ飢餓問題や、難民問題、に積極的ですよね今の魔族って。」


どうやら、現魔王は平和的で慈善家のようだ。なら、なぜ俺は異世界に・・・?


どうしよう・・・ここは正直に話していろいろ聞くべきか・・・それとも記憶喪失を装ってごまかしながら情報を集めるか・・・


「ところで、今、異世界と言っていたが君は異世界人なのかい?」


なッ!?バレた!?ここはうまくごまかすかッ!?行けるか?伊達に風俗店で鳴らしたわけじゃない風俗定員の話術をなめるなよ!!


「いや、俺は・・・」

「異世界人はひさしぶりだなぁ。」

「そうですね。前にこられたのは二年前でしたっけ?そういえば先生のおばあさんも異世界人でしたよね?」

「・・・・ッ!?」


どういう事だ?なんか異世界人ていっぱい居るの?

「・・・異世界人て珍しくないんですか???」

どうやら珍しいのは珍しいのだが今までかなりの異世界人がこの世界に訪れているらしくそこまで驚くことではないらしい。更に、地球とは別の異世界などからも来るらしく大きな都市などでは異世界支援制度などと国が異世界人を保護して支援してくれる制度などもあるようだ。

更に異世界人を助けた市民なども補助を受けれるようだ。なんでも昔来た異世界人が支援制度を作ったらしいのだが・・・


驚いて固まっていると医者が色々と教えてくれた。

この世界はファレンドリと言う世界で人族に魔族に亜人に精霊が暮らす世界で四〇〇年前の大戦以降は小さな紛争などはあるものの概ね平和だという事。また各地に異世界人が現れて色々と便利な道具の開発や知識などを広めてより良い世界作りに貢献してきて異世界人は優遇されているという。

この先生のおばあさんも異世界人で医者だったために医療の改善に努めたらしい。会いたかったのだが三年前に他界したらしい。このマグナッド村にも異世界支援課の支部が在ってその支部長をこの先生がやっている事、この診療所が支部替わりの建物な事、なんだか、話がうますぎる気がしてならないがここは素直に喜んでおこう。

また、異世界テンプレ通りステータスを見ることが出来るらしい。そこには様々な自分の情報が現れるのであまり人に見せないほうがいい事、レベルや職業、スキル、とこれまたテンプレ道理のものが記されてるらしい。また異世界人は能力補正が掛かるらしく異世界人のほとんどは冒険者になるらしい。平和な世界で冒険者?と思っていると街や村には中々出てこないが魔獣と呼ばれるモノがこの世界には存在していて魔獣を討伐したり生態の調査のために捕獲したり商隊の護衛だったり貴重な薬を作る薬草などの採取と多岐にわたり仕事をするのが冒険者だという事だ。

なるほど、異世界で冒険者・・・憧れのフレーズではあるな。


良しとりあえずステータスの確認だな。ステータスと念じながら左手を左右に振るとステータスウインドウが出ると・・・


おっ?出たぁ!!どれどれ・・・


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


カワモ タケシ ♂

Lv:1

職業:魔法使い<無属性>

HP:45

MP:80

力 :25

守り:20

速さ:48

体力:30

賢さ:70

運 :35

スキル:物質変換魔法<下級>消費MP10

※物質を違う物質に変える

※生物は不可

言語理解

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


ktkr!!魔法が使えるのか!!さすが異世界これは嬉しい!!でも、こっちでは割とありがちな職業かな?あと言語理解?これはまあ異世界の言葉がわかるってことでいいのかな、物質変換魔法これがよくわからんが物質を違う物質に変える?錬金術みたいなものか?生物には使えないのか・・・よくわからん。どうやって使うんだろ?聞いてみるか。


「職業が魔法使いなんですが、魔法ってどうやって使うんですか?呪文か何か唱えるの?」

「なッ!!」「えーーーーッ!!」

あれ?なんか二人ともえらい驚いてるぞ?異世界でも魔法使いは珍しいのか?しまったな、もう少し慎重に聞くべきだったか。


「君ッ!!ほ、本当に魔法使いなのかい・・?魔術師ではなくて・・」

「あー・・・はい、そう書いてますね・・」

言ってしまったものはしょうがないので素直に認める。魔法使いと魔術師ってちがうの?


「これは、すごい・・かなりレアな職業だよ魔法使いは。」

「え?」

「この世界の住人が使う魔術と言うのは呪文や触媒、魔法陣に魔力を使って傷を癒したり、火を起こしたりするんだ。」


魔法は違うのか?


「魔法は魔力だけで色々な現象を起こすんだ、魔術では出来ないようなことをね」

有名な魔法使いのなかには、天候を操ったり、空間を捻じ曲げたり、体を自在に変身させたりする魔法使いがいるらしい。

おぉ・・・なんかすげぇな。てことは俺のもすごい能力なのか?物資変換か・・どう使うんだろ?魔力だけで出来るのか・・・ベッドの傍にある机の上にさっき猫看護師が置いていったコップがあるのが目にはいる。異世界の水はうまかったな。汚染されてないからか?コップを手に取り何と無く変われと念じてみるとコップがガラス玉にかわる。


ぬお!?びびった!?これが魔法!?なんでガラス玉に!?


「なッ!?それが君の魔法かい!!」


しまった。ステータスを見るとMPが10減っている。魔法を使ってしまったようだ。どうやら物資変換はそのまんまの意味みたいだな。違う物に変えるのか・・・色々試してみないとな。LV1で消費MPが10の魔法か・・・最初は8回しか使えないのか・・・けどかなりチートくさいなぁ。


医者がひとしきり驚いて暫く雑談をして色々と教えてもらった。

「とりあえず、もう少しゆっくりしていきなさい。これからどうするかはゆっくり考えていこう。」


そう言って医者は部屋から出て行った。さて、どうしたものか・・・無難な選択としては大きな街に行って冒険者だろうな。まずは、何をするにも金がいる。それに仕事経験が風俗しかないから何かこの世界の為にできるとは思えん。大きな街で風俗でも始めるか?てか異世界にも風俗ってあるの?にしてもまずはLVあげと金稼ぎだな。それから、どうするかは考えよう。いつまでもここに厄介になる訳にもいかないし。医者に聞いてみようどうすれば冒険者になれるのかを。







元風俗店員が異世界にて何をなしていくのか。

駄文で読みにくかったらごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ