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ミクロの一重  作者: みつ
3/3

知らせ


自宅に戻った川田。携帯が鳴った。


(愛子かな?)


携帯を見ると知らない番号から着信だ。


電話に出る、川田。


「誰ですか?」


「久しぶりだな、川田。逃げられると思っていたか?」


絶句する川田。


「俺たちの世界から、足を洗ったつもりでも、やはり、お前のことは誰も良く思っていないよ。俺の回りはな。川田、また俺たちと仕事しろよ。お前には、それしか、ないんだよ」


何も言い返せない川田。


川田は、少し前までアンダーグラウンドで、凌ぎを削っていた人間だった。



しかし、嫌気がさして、姿を消した。しかし、闇の奴等に、また見つかったのだ。


「もう勘弁してくれ!頼む!」


そう電話で話す川田。


相手が言う。


「それは、無理だよ、川田。もう無理なんだ。お前には、戻るしかないんだ」

その声だけが、残酷に川田に突きつけられていた。


1年後ー


愛子は、一人で町を歩いていた。


川田は、一年前に音信不通になり、それっきりになった。


川田のことを忘れられないこともあるが、パッとする男もいない。


だから、今は彼氏もなしだ。


これから、職場の同僚と映画を見る予定だった。


映画館の前で、愛子が待っていると同僚が来た。


同僚が、じゃあ、何を見ようか?と聞く。



その時、映画館から出る人の中に、川田のような人を見た。


大きな声で、名前を呼び、手を振る愛子。


しかし、その男は振り向かなかった。


決して、振り向かなかった。




男は、外に出た。今日もイイ天気だ。


しかし、自分の今からの仕事を考えると、憂鬱になる。


(最後に、愛子と会ったのも、こんな季節の、こんな日だったかな・・)


男は、そう思い、空を見上げる。






太陽は、遥か昔から、あった。太陽がないと地球も成り立たない。



でも、太陽は、果たして、地球のことなんて考えているのか?


いつか、太陽は燃え尽きるらしい。


それは、もう決まりきっているのが通説である。


(終わり)

筆者の作品の中では、おそらく初めてのバッドエンドな小説でした。「取り返しのつかない過ち」を架空の設定で、描いたのですが、やはり、何を感じてもらえるかは、読んでくださった方の自由だと思います。最後まで読んでくだり、ありがとうございました!

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