出会い、そして
40男は性質がアレだったりするので、回りくどい文体を敢えて使っています。
読みにくい点はご容赦ください。
思えば、出会ってから早いもので一年が過ぎた。その間、ほぼ毎週欠かさず顔を見てきた。いや、見たくて会いに行っていたと言った方が正確だ。
もう、認めざるを得ない。99%、惚れているのだと。
それ以外、この心境を例えようがない。この歳にして、まさかの恋愛とは。やはり恥ずかしさの方が勝る。けれどもう、後ろには脚を戻したくない自分がいて。
悩む。
たまたま出会って、また会いたいと感じ。それを重ねるうちに一年が過ぎ。
気づかなかった訳がないだろう。盲目になっていた…だけの馬鹿野郎と言われればそれまでだ。実際、否定はできないのだから。
正直な話、現時点で彼女を失うなど考えられない。仮に失えば、今の自分が崩壊してしまうのは火を見るよりも明らかなのだと思っている。
理屈じゃない。筋道が出来ている訳でもない。逆にそんなものがあったら怖い。だからこそ、悩ましい。
だけども、自信をもって言える言葉はある。いつか本人にも言えたらどんなにか幸せだろうか。勝手にその場面を想像して、仄かに熱くなるこの身体が少し恨めしかったりするが。
いつか言おう。この出会いを悔やむことはしないよ、と。
そんなことを考えつつ、これまでの時間を振り返ってみた。そして、ついつい溢れた言葉に嘆息を吐く。
「高校生か、俺は…」
一人愚痴てから、周りに人がいないことを気にし、嘲笑をあげる。これも分かり切っている。気にするまでもなく、常に自分は独りだったのだと。
「馬鹿らしい…」
もう一言呟き、自分の状況を整理することにした。何分、自分の気持ちに動揺している今、まともな思考が出来ているかさえ定かではないのだ。
何が良くて何が悪いのか。そのレベルの話から頭を悩まさないと駄目なのかと思いを巡らせ、何となく深く息を吸う。
そして済ませていない昼食を摂るため、上司に外出を願い出ることにし席を立った。
社屋のロビーを抜け、やや冷んやりとした風を肌に感じて間もなく。澄み切った空を仰ぎ、その眩しさに目を細める。
「とりあえず、何食べよう…」
そう考えつつ、何を食べるかは既に決まっていることを自嘲しながら、飲食店街へと脚を早めた。




