憐憫
3月9日
今日はアノ娘の誕生日
僕は目を覚ましベットから飛び起きる
そう
僕は今日告白をする
あの娘の誕生日と言う一大イベントに僕と言う存在の全てを投げ打つ
「やるしかねぇ」
それを考えるだけで胸がどきどきする
今ここで緊張しきってしまったらしょうがない
僕は深呼吸を一つ、二つ……よし、おちついた
窓を開ける
素晴らしいほどの快晴だ
まるで天気の神様さえあの娘の誕生した日を祝福しているような…
「うおぉぉぉぉぉ!!!!やるぞーーーーーーー!!!!!!!」
よし!気合入った!決めるぜ今日は!!
『憐憫』
「あははー。もう君どうしょうもないですねー」
「うるせぇい」
朝からテンション高々にあんなマネをした俺はまぁ想像通りだと思うが母親に怒られた
うん、むしろ殴られた
痛かった
「気合入れるにしてももっと人様の邪魔にならないようにシコシコとやって欲しいもんですねー」
「うるさい、少し位言われるだろうとは思ったけどまさか殴られるとは思わなかったんだよ。
つーかうら若き女の子がシコシコとかいうな」
「ムリムーリーですねん。あははー♪」
俺の隣にいる女ノコは幼馴染で同級生の宮古 冬美
とても明るく友達思いだが
この女はどうも自分が女の子という自覚が欠如しているらしくなんかもうシコシコとかチン○とかシモネタとかもう普通すぎて突っ込めない位普通に使っちゃうどうしようもない奴だ
「なんか失礼なこと考えちゃってます?」
言葉遣いもなんか変だしカナリお間抜けな性格している癖に自分がバカにされている事にはカナリ敏感だ
「いーや、別になんも。
つーか勢い止められたよ……なんかもうダメだな今日は……」
「なに言ってるんすかあんたは。本当だったらもう一週間前には告白してて誕生日を一緒に過ごしていい感じの空気を作ってヤッちまおうって言ってたくせにまた見送るつもりですかぃ」
そうなのだ
実はこの告白計画の実行は本当は一週間前だったのだ
「だってさー。あれも勢い殺されちゃったんだもんよぉ」
そうなのだ。あれは告白する一歩手前までいったのだがなんかお腹のが空いてたからお腹の虫がなってしまいそうで……それにまゆ毛整えるの忘れてたし……
なんだかんだで後日に見送るのを決めたのだ
そんな様子を見ていた冬美は溜息付いてたっけ
「もー、あんたはバカですか?根性なしですか、腐れやろうですね
そんな事いって逃げてると今日も逃しちゃいますよ」
「むー……がんばる……」
その息ですね……と言って溜息をつく冬美
あ、バカにされた
「お前、俺が今日も告白しないと思ってるだろ!?
くそー、バカにしやがって!」
「べーつにー、なにも思っちゃいませんよーだ。あははー」
と言って走りだす冬美
「あ、待てって!お前には俺と言う人間を再認識させる必要がある!絶対!」
「大丈夫ですよーだ、根性なしだって事はこの世界がどう変化しようとも変えられない事ですからー!やーいやーい!」
「このアマがぁ!」
俺も走って冬美を追いかける。
今こそどちらが上か決着をつけてやる!
「待ちやがれ!」
「遅すぎですよー!」
俺はついには冬美を捕まえることは出来ず無駄に学校まで全力疾走させられてしまった……