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『勇者』の反逆  作者: 本場匠
プロローグ
1/46

1:召喚

「勇者様、この国をお救いください」


 そこは神殿のような、厳かな雰囲気の空間だった。

 いくつもの柱が立ち並ぶ石造りの部屋の中心は、自らが座り込んでいる場所のようだ。

 

「どうなってんだよ……これ……」


 神殿なんだからいるだろう神様とやらに届いてほしい。この気持ち。


 ついさっきまで見える景色は、学校帰りの通学路だったはずだ。

 それが、いきなり光に飲み込まれたかと思うと、こんなところにいる。

 どうなってんだよ、おい……。


「勇者様……?」


「なあ、あんた。これどうなってんだよ。どこだここは」


 さっきから目の前で跪く少女に、そのまま疑問を投げつけた。


 一応、ラノベやゲームをたしなむオレとしては、想像がついていないこともない。

 よくあるテンプレな展開。


 まあ、当たってほしくない想像なんだけど。

 ――――異世界召喚、なんて。


「ペルヴィア王国にあります、召喚の間です」


「召喚の間、ねぇ……。こりゃ、確定か?」


 少女の答えに、めまいを感じた。


 そうやって途方にくれていると、少女に呼ばれる。


「それで、勇者様」


「その勇者様ってのやめて。そんなのガラじゃない」


「では、なんと……?」


「東城アキラ。それともアキラ・トウジョウって言えばいいのか。

 好きに呼んでくれ。

 で、君は?」


「申し遅れました。ペルヴィア国の第3王女、スフィア・ペルヴィアです」


 巫女か神官かと思ってたら王女様かよ……。

 やば、無礼な口きいたとかで怒られたりしねぇかな……。


「じゃあ、スフィア。なんでここにオレを召喚したんだ?」


「それについては、後程、王から聞いていただきます。

 ついてきてください」


 彼女は疑問に答えることなく、立ち上がって踵を返した。

 すたすたと先を歩いていくスフィアに慌ててついていく。


 王の間までの道のりは珍しいものだらけだった。

 見るからに高そうな調度品やら絨毯やら甲冑やらが並んでいる。

 

 そして、壁に掛けられたこの世界の大陸らしき地図を見つけた。


「ああ……、マジで異世界かよ……」


 その大陸は自分が見慣れたものとは似ても似つかず。

 しかも、何故か文字がわかる。

 見たこともないような、ぐにゃぐにゃにのたくった字なのに。

 この国のある場所、隣国の名前、すべて読める。

 便利っちゃあ便利だけど、なんだかなー。


 違和感に頭をひねっていると、歩みが遅くなったことに気づいたのか少女が振り返っていた。


「どうかしましたか、勇者様」


「また勇者って……。いや、もういい……」


「地図、ですか?」


 スフィアは視線をたどったのか、同じように壁の地図を見る。


「そ。ちょっと気になっただけだよ。

 行こう」


「はい、勇者様」


 これから、どうなるんだろうな?

スフィアが第2王女→第3王女と修正しました。

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