片思いの手紙
掲載日:2026/10/31
夜空を見上げて、
切なさを感じた。
直接、地球に来ることの出来る宇宙人の何万倍も、
自分の星の周りで、その種を終える宇宙人の方が多いはずだ。
無数にいる彼らも、宇宙の中に他の存在を求めて、
自分達の紹介を記した物質を、宇宙に向けて送っているはずだ。
数え切れない程。
その手紙は、広大すぎる宇宙の中で、お互いに届かず、
届いたとしても理解されない。
届いて理解されたとしても、
もう既に滅んでいる場合もある。
決して会えない、一方通行の手紙。
無数の、片思いの手紙。
宇宙の中で、どこかの星に捕まって、
大気圏の中で燃えたのだろうか。
星の海の中へ沈んでいったのだろうか。
どんな文字で、どんな形で、どんな表現で、
どんなことを書いたのだろうか。
でも、送るということは、
共通した思いがあるはずだ。
その根底にある言葉は、
同じはずだ。
『会いたい』
その言葉を、思いを乗せた手紙が、
広い宇宙を飛んで行く。
広大な闇の中、
小さく灯る明かりのように。




