表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/61

第7話 織田(三条)美子(解説編)

 本当に当初の予定からは、完全に化けたキャラの一人で、本編においてのシンデレラガール第1号の気が私はしてなりません。

(尚、第2号が広橋愛で、第3号が鷹司(上里)美子になりますが、その中でシンデレラガールとしては最もトンデモが織田(三条)美子の気がします)


 第1部のちょい役(上里松一の義子の1人)で終わってもおかしくないのに、後になる程、作中の表裏で派手に動き回るようになり、後半部では完全に日本の政界の黒幕的存在に昇華するとは。

 更に言えば、第1部では世界の生き物に目を輝かせるような無邪気な少女だったのに、成長するにつれて本当に性格が変わって行って、最後には政治的妖怪じみた存在にまで。

 夫の織田信長が首相まで務めながら、第8部以降は完全に隠居生活を送ったのとは余りにも違う人生を、彼女は歩むことになりました。


(この辺り、どうにも彼女(というかプリチャ(永賢尼)の子ども達全員ですが)に芸術等に関する才能があるようなイメージが私には思い浮かばず、その反動として政治等に才能があるとしたツケが最終的に回ってしまった気がしなくもないです。


 だからといって、頭が良い筈の美子が、和歌が真面に読めないわ、源氏物語の理解が思い切り偏るわでは、芸術的才能がないにも程があり過ぎ、ととある方にツッコまれました。

 確かに作者の私としても、筆が奔り過ぎた気がします)


 本当に近衛前久が、九尾の狐の化身呼ばわりするのも、当然な程、生粋の外国人、シャム王国出身の血筋なのに、日本の皇位継承問題にまで介入する政界の黒幕に最終的には育つという事態になっています。


 でも、その一方で、作者の私としては、最後の一線、日本の皇室尊崇、皇位継承安定という軸だけは揺るがさないキャラにしようとして、その描写等には成功したと考えたいです。

(実際、それによって、この世界でも後水尾天皇陛下が即位する事態が起きています)


 そもそも外国、シャム王国出身なのに、美子の日本の皇室尊崇の想いが高いのはおかしい、という指摘を受けたこともありますが、私からしてみれば、当然の事態です。

 シャム王国では、それこそ首都の下町で貧困生活を美子は家族と送っていましたが、松一の義子から養子にまでなり、更には様々な縁が絡んだ末に、清華家の三条家の一員(それも当主代行)にまでなって、今上(正親町天皇)陛下の最側近の立場になり、従三位尚侍の地位にまで就いたのです。

 その日本での様々な恩義に報いよう、と美子が粉骨砕身するのはおかしくない、と私は考えますが、如何でしょうか。


 尚、第2部においては、松一へのファザコンをこじらせた結果、松一の愛人になろうとするような性的には奔放なキャラだったのですが、第3部以降は織田信長と結婚したせいか、極めて性的には良識のあるキャラになっています。

(その代わり、史実の信長に準じた20人もの子持ちに、この世界の信長と美子の夫婦はなって、作者にしても完全には二人の間の子どもを把握できない結果になっています)


 それなのに、最終部が近づいた段階で、不倫をして信長以外の男性との間に、広橋愛を産んだという世界的な捏造スキャンダルが起きてしまうとは。

 お前がやった事だろうが、と言われれば、その通りなのですが、本当にどうしてこうなった、という想いさえしてしまう事態です。

(それにしても、その相手が正親町天皇陛下やセリム2世とは、私の筆が奔り過ぎました)


 そんなことを完結後に思い返してしまいますが、結果的に第1部から第15部、つまり最初から最後まで登場したキャラの一人で、作者としては色々と想うことがあり過ぎて、却って解説がしづらいキャラにまでなっています。

 ご感想等をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
織田美子さん、極めて貞淑な女性であるのに、盛大な不倫の噂を立てられました。これは一つには、尚侍という役職が悪いと思います。私の様な半可通な歴史好きは、尚侍には三種類あって、 ①本当の女官長。身体では…
 読者が美子さんの活躍を読んでて思ったのは「幼少を日本じゃない場所で育ったからこそ生粋の日本人以上に日本への帰属意識が強く(皇室尊崇の根源)尊敬する養父が軍人だったので自ずと海軍を通過した新聞や書物に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ