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第44話 後水尾天皇陛下 (おまけ)

 後水尾天皇陛下 1596年生 1680年崩御 


 後陽成天皇陛下の第三皇子として中和門院前子様との間に生まれる。

(前子様が産んだ子としては第一皇子になる)

 南北朝期以来の久々の皇后陛下が産んだ皇子として盛大に出生が祝われたが、皇位に即位するまでには、様々な紆余曲折があった。

 

 後陽成天皇陛下は、自らの皇子よりも同父母弟になる八条宮智仁親王殿下に譲位したいとの意向を示されたのだが。

 後水尾天皇陛下の外祖父になる近衛前久公らが、

「皇后陛下が産まれた三宮(後水尾天皇陛下)こそが即位されるべきだ」

と主張し、皇室典範を改正までして、後水尾天皇陛下が即位される道筋を作ったのだ。

 その為に父子関係は、後陽成天皇陛下が崩御されるまでこじれていたとされる。


 皇位に即位して、徳川千江を皇后にするが、健康な男児には中々恵まれなかった。

 こうしたことから、皇位継承に不安を覚えた伊達政宗首相らが奔走して、1621年に尚侍であった鷹司(上里)美子を新たに中宮として迎える。

 そして、美子中宮が五つ子を産み、その内の3人が健康な男児であったことで、皇位継承に関する不安が解消されることになった。


 1666年に千江皇后陛下が崩御されたのを機に退位し、第二皇子の後光明天皇陛下(中宮腹としては第一皇子)に譲位する。

 1680年に崩御され、それを美子皇太后陛下らは看取られた。


 政治的感覚が極めて優れていたとの噂が高いが、立憲君主国の君主として政治的発言等は常に慎まれていたために、それが真実か否かは不明としか言いようが無い。

 だが、芸術的才能に富んでいたのは事実で、美子中宮陛下らと共に古今伝授を校合して御所伝授を完成させる等の成果を自身が挙げており、又、様々な芸術のパトロンとして知られている。


 又、美子中宮陛下も芸術的才能を持っていたことから、

「日本における玄宗皇帝と楊貴妃と、後水尾天皇陛下と美子中宮は言えるが、後水尾天皇陛下は玄宗皇帝と違い、政治の混乱は全く起こさなかったし、楊貴妃と違い、美子中宮は立派な御世継を産んだ」

と日本の国内外で、そう高く評価され続けている。


(作者としての呟き)

 最初にお断りというか、言い訳を。

 分かる人には分かると思いますが、この世界の後水尾天皇陛下ですが、隆慶一郎氏の未完の名作「花と火の帝」のオマージュが、かなり入っています。

 そんなことから、八瀬童子の磐子が登場したという裏事情まであります。


 とはいえ、私の文才の無さから、感想欄では後水尾天皇陛下に対するヘイトが起きる事態が起きたことについては、正直に言って平謝りに謝るしか無いです。


 もっとも、その一因としては、結局のところ「源氏物語」が絡んでいるのが、何とも言えません。

 結果的にですが、この小説は藤壺中宮側視点からの源氏物語のような話になりました。

 どうのこうの言っても、源氏物語は光源氏視点なので、藤壺中宮への光源氏の恋慕について、読者は寄り添いやすいのですが、これが藤壺中宮視点で、ずっと描かれていたら、どうでしょうか。

 義理の子が義母に横恋慕する話を、義母視点で読まされたら。

 義理の子に対するヘイトが、読者から起きる方が自然の気が、私はしてなりません。


 そんな事情はありますが、この世界の後水尾天皇陛下は、鷹司(上里)美子と何れは結婚できるという未来を期待して精進し続け、最終的には想いを貫いて、努力が報われた末に鷹司(上里)美子と結ばれることになりました。

 更に、それによって後継者にも恵まれた上で、様々な業績を上げた末、最後は美子に看取られるという幸せな人生を終えることで、この世界の後水尾天皇陛下は、本当に完全なハッピーエンドに結果的になった気が私はします。

 ご感想等をお待ちしています。

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 史実ではへそ曲がりな父ミカドや朝廷を封じ込める為にあの手この手で横ヤリを入れる幕府とのさまざまな確執がストレスとなったのか下半身関係の放埒な逸話や根回し無しで姫殿下への唐突な譲位など手放しで褒められ…
後水尾天皇、史実よりもハッピーエンド。 中宮美子の方が実質的な皇后と、歴史家達は語りそう。そして、千江皇后は影に埋もれた。 皇軍世界は、現実よりも平和だけど、割りを喰らう人物の結末に同情しちゃうよ…
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