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第4話 上里愛子(張娃)

 上里愛子(張娃) 1530年生 1603年没 (第1部から第12部まで登場)


 上里松一の後妻で、1548年に松一と結婚した。

 尚、そもそも上里松一とは1542年には婚約していたが、プリチャ(永賢尼)と上里松一の因縁(プリチャの夫サクチャイを安楽死させたこと等)から、結果的に松一の後妻になっている。


 そして、18歳の身で上里松一とプリチャ(永賢尼)との間の5人の子(細かく言えば、内2人はプリチャ(永賢尼)の連れ子)を、松一の後妻という立場から養子として暖かく迎え入れて、全てを見事に育て上げた理想の良妻賢母とされる(様々な創作物(小説やドラマ等))ことが多いが。


 様々な一次資料を検討すること等による最近の研究の深化によって、特に長女の織田(三条)美子との関係については、大いなる疑問が呈されているのが現状である。

 複数の一次資料を参照する限り、長女の美子とは、美子が織田信長と結婚するまでは、松一を巡る事実上の恋敵といってよく、その後も犬猿の仲だったというのが、通説化しつつあるのが現状である。


 尚、松一との間には4人の実子に恵まれており、更には長女の敬子は九条兼孝に嫁ぎ、又、長男の清の子(愛子からすれば孫)の美子は鷹司信尚と結婚して、その死別後には後水尾天皇陛下の中宮として入内したことから、現在の全ての皇族、摂家当主は彼女の末裔ということにもなる。


 又、彼女は三線を始めとする様々な楽器の名手であり、芸術的才能にも富んでいた。

 彼女の母方祖母は、生前に琉球一の尾類(芸妓)と謳われた波流であり、実母の安喜も何れは母と同等になったと周囲が見た尾類だったことからすれば、その血を紛れもなく引いた女性であり、その血を承けた子や孫が芸術的才能で周囲を魅了したのも、当然と謳われる程である。

 そして、極めて魅力的な女性でもあり、その血を娘の敬子や孫の美子が受け継いでいる。


 それから、彼女が琉球王国の三司官を務めた真徳の秘密の孫という説があるが、真偽が定まらないとしか言いようがないのが現状である。

 様々な状況証拠(真徳が実孫のように彼女を可愛がっていた)はあるのだが明確な証拠はなく、一次資料では真徳自身も否定しているという事情からである。


 そういったことが明らかになりつつあるが、多くの人からは彼女は松一の良妻であり、その子らの賢母であったという見方が未だに圧倒的多数である。

 1603年に孫になる上里克博や上里隆に先立たれた衝撃等から老衰で死去。

 その死を娘の敬子らが看取った。


(作者としての呟き)

 結果的に不憫な目に遭わせてしまったことに、作者としてはお詫びしたいキャラの一人。

 本当に最初はメインヒロインになる筈だったのに、プリチャ(永賢尼)と美子にその立場を奪われ、その後も松一の妻になるものの微妙に影が薄く、又、表面上は娘の一人が摂家の九条家に、孫に至っては死後とはいえ中宮に成る等、華やか極まりない人生を送られていますが、内実では色々と気の毒な目に遭わせてしまいました。

 本当に何でこうなった、という想いがしますが、ある程度は止むを得ない気がするのも事実です。

 

 何しろ松一の妻であり、更に言えば専業主婦なので、織田(三条)美子や鷹司(上里)美子のように仕事をすることで、作中に顔を出すことが出来ないという問題が。

 かといって、芸事に長けているとはいえ、それこそ高位の公家とかでは無いので、そうした点でも宮中行事とかには出しづらい。

 そんなこんなから、作者の私の技量もあって、上記のまとめにも書いたように表面上は良妻賢母ではありますが、作中では余り描かれない気の毒な方になってしまいました。

 本当にお詫びしたいキャラの一人です。

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― 新着の感想 ―
 初登場時は松一さんを振り回すハツラツ系ヒロインと描写され読者も『この子を軸にいろんな事件やイベントが起きるんだな』と確信していた……のにその後の影の薄さは、もうひとりのヒロイン永賢尼さんを読者が恨み…
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