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第32話 エウドキヤ女帝(解説編)

 完全に口癖、書き癖になっていますが、本当にどうして、此処までのキャラになった、と遠い目をしてしまうキャラになります。


 最初は、エジプト対オスマン帝国戦争の理由付けを色々と考えて、更に様々な資料を調べた末に、ローマ帝国の復興ということを考えて、帝位継承者と浅井家を縁付けようと考えたことからで。

 その末に、浅井亮政が1563年生であることから、年齢を考えると三女のエウドキヤと結婚するのが相応しいだろう。


 それでも4歳年上の妻になるが、止むを得ないだろう。

 だが、それならば姉二人はどうするのが、良いだろうか。

 流石に姉が二人とも死んでいる、というのは余りの気がするし。


 そんなこんなを考えながら、エウドキヤというキャラを考えて、少しずつ描いていったのですが、作中において本当に凄まじい変貌を遂げていくことになりました。

 こうなった原因ですが、結局のところは、エウドキヤはイヴァン4世の娘というのが私の念頭にあり、更に描く内にローマ帝国の皇帝というよりも、ロシアの統治者に徐々になっていったのが、このようなキャラにエウドキヤがなった原因だと思います。


 私の完全な偏見と言われそうですが、ロシア史を振り返る限り、それこそ剛腕を振るい、「敵」に対して苛烈な措置を執る指導者が、他の国々と違って如何に多いことか。

 イヴァン雷帝に、ピョートル1世、エカチェリーナ2世、スターリン等々、それに現在の大統領に至るまで強権を振るう指導者が、著名なロシアの指導者として私の脳裏に、まずは浮かんでなりません。

 更に言えば、エウドキヤ女帝はイヴァン雷帝の娘でもあるのです。


 そんなことから徐々にキツイでは済まない性格に描く内に変わっていき、酷い癇癪持ちになって、それこそ後水尾天皇陛下と徳川千江の縁談のときには、帝国の閣僚の半分のクビが文字通りに飛ぶのではないか、という騒動を作中で引き起こした程です。


 そして、モスクワ大公国の平定の際には、モスクワ大公国の国民の約5%が死亡した、という伝説を作中で創ってしまうことになりました。


 本当にモスクワのクレムリンの中で泣いていた少女が、作中での時間が経過して成長する内に、ここまでに変貌するとは。

 武田(上里)和子以上に、初登場時から大きく印象が変わった登場人物だと考えます。


 でも、その一方で、藤堂高虎等は酷い目に遭っていますが、何故か、私の脳内では上里勝利や浅井亮政の二人が、エウドキヤ女帝の癇癪に苦慮しているシーンが浮かんできません。

 逆に上里勝利に至っては、エウドキヤ女帝の癇癪を宥めるシーンさえ本編中にあります。

 

 上里勝利の場合は、姉の織田(三条)美子に鍛えられたというイメージがありますし。

 浅井亮政の場合は、4歳年下ということから姉さん女房の機嫌を取るのが上手く、又、エウドキヤ女帝が年下の夫に甘いイメージが浮かんでくる為の気がします。


 後、エウドキヤ女帝が爆発したというか、性格がここまで変わった理由ですが、それこそ武田(上里)和子と同様に、姉に反発したのも一因のような気が、これを描く内にしてきました。


 この後で取り上げますが、姉のアンナは実は存命で、モスクワ脱出後は前田慶次とずっと自由な生活を楽しんだのです。

(表向きのアンナの身分は、エウドキヤ女帝の世話を幼少期からモスクワ脱出まで行っていた10歳年上の侍女ということになっていました)


 姉が自由気ままな家庭生活を送る一方、自分は皇帝として帝国の統治等に精神を使う生活をずっと強いられては。

 何で自分がこんな目に、と腹立たしくなっていき、時々、感情を爆発させるのも当然の気がします。


 それにしても、本当に強いでは済まない女性キャラになりました。

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