第20話 織田信長(解説編)
2話でまとめようと考えていましたが、いざ、書いてみると本当に書くことが多くて、結果的に3話を費やすことになりました。
それにしても、様々な創作物(小説や漫画等々)で、織田信長は様々に変わってきましたが。
(私が思いつく限りでも、女体化さえも珍しくなく、時空を超えた転生モノも当たり前のようにあります。
なった職業にしても、首相に教師に等々、なっていない職業を探す方が難しい気さえします)
でも、自分が書いておいて言うのも何ですが、女房の尻に敷かれる信長はレアな気がします。
私の筆が奔った結果、本当に妻の美子が強くなりすぎてしまい、「信長は不憫」のタグが必須、と感想欄で言われる事態が引き起こされるとは。
それこそ、信長に夢枕に立たれて、
「儂は女子に従うような男ではない」
と怒鳴られた末に、私は刀でバラバラに斬られて、遺体は火炙りにされそうな気がします。
それはともかく(で済ませるな、と更に信長に怒られそうですが)。
そんなことから、ある意味では破天荒極まりない本作の信長が誕生したのも否定できません。
第2部の大プロットを立てた段階で、信長を登場させようとは考えましたが、それではどんな立場で、というと本当に悩むことになりました。
私のイメージ不足と言えば、それまでなのですが。
大人しく国家公務員や地方公務員の仕事をする信長というのは、どうにも私には思い浮かばないことになりました。
とはいえ、軍人を志望したら、それこそ皇軍関係者から、信長は排除されると考えました。
(この辺り、感想欄で私が少なからず誤解していたのを、後で指摘されました。
1941年前後ならば、信長は勤皇家とされており、むしろ皇軍関係者は軍人として受け入れるのでは、とのことです。
そうしたことから、西郷隆盛を例に挙げてフォローすることになりました)
そして、悩んだ末にインド株式会社の従業員になって、サラリーマンの路を歩むことにしたのですが。
更に感想欄に煽られた結果、上里松一の長女の美子と信長は結婚することになったのですが。
その果てに労働組合のトップに信長はのし上がり、更にそれをバックにして、全国政党を組織して、衆議院議員になって、終には首相にまでのし上がるとは。
お前の筆が奔った末だろうが、と言われれば、全く以てその通りなのですが。
本当にどうしてこうなった、としか、作者の私も呆然とするしかありません。
最もその一方で、信長は周囲の人物の考えを推しはかるのが苦手というイメージが、史実の様々なエピソードから私の中ではあったことから。
北米独立戦争が、このことから起きるという方向が、小説上で矛盾なく描けることになりました。
更に言えば、北米独立戦争終結後も政治家として獅子奮迅の活動を、信長がしても良かったのでは、と言われたことがありますが。
史実の本能寺の変等から、潔くこれからのことを諦めるイメージが、信長に私にはあったことから。
1582年の衆議院総選挙で落選したことから、素直に政治家から信長は引退することにしました。
これについて、もう少しこの後でも信長を活躍させるべきだった、と言われたことがありますが。
私のイメージでのことになりますが、それなりの歳を経た以上、信長が選挙に落選した後、何としても国会議員、政治家に復帰しようとして、周囲に頭を下げ回るという光景が思い浮かばなかったのが大きいです。
そんな風に年を取ってから、衆議院議員になろうと頭を下げて回るくらいならば、自分は趣味の世界に生きる、と信長ならば言いそうな気が私はしてならず、そんなことから本編での描写になりました。
この辺り、本当に色々と言われそうですが、そういった事情からです。
ご感想等をお待ちしています。




