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第17話 中院(上里)里子と中院通勝

 中院通勝 1556年生、1610年没 (第7部から第13部まで登場)

 中院里子 1560年生、?年没    (第4部から最終部まで登場)


 中院里子は、上里松一と上里愛子(張娃)の第4子であり、上里家の兄弟姉妹の末っ子になる。

 1574年に中院通勝と結婚するが、1580年に中院通勝が宮中女官の伊予局との間の密通事件を起こしたために、勅勘を被った夫と共に豪州に赴くことになり、そこで、2年余りを過ごす。

 そのことで改心した通勝は、その後は浮気をせずに里子を唯一の女性として、生涯を送った。


 又、里子は母譲りの芸術の才能を持っていたが、姉の敬子とは異なり、文才に優れていた。

 それも通勝から愛されるようになった一因とされる。


 例えば、夫が作成した源氏物語の注釈書「岷江入楚」の出版に尽力し、又、甥の九条幸家の求めに応じて、夫の講義をまとめた「九条家本源氏物語聞書」を作成する等、夫が薨去後、源氏物語研究については中院里子が当代随一との呼び声が掛かる程だったと伝わっている。

 息子の中院通村らがその死を看取った。


 中院通勝は、上記にもあるが、勅勘を被ったことから2年余りを豪州で過ごすことになり、そこで、自らの母方伯父の三条西実枝の弟子になる細川藤孝(幽斎)に古今伝授等の指導を受けた。

(これは(この世界では)細川藤孝が豪州在住であることから、本来から言えば三条西家の秘伝ともいえる古今伝授が日本に伝えられない危険を回避するために、三条西家と所縁のある中院通勝に細川藤孝が古今伝授を伝えたからである)


 この指導で改心した中院通勝は、日本に帰国後は学究生活を生涯に亘って送ることになり、京都帝国大学文学部で教鞭をとる一方、源氏物語の注釈書「岷江入楚」の出版等を行った。

 そして、細川藤孝の依頼から、鷹司(上里)美子に対して、古今伝授を美子が成人後に伝えることになっていたが、皮肉なことに1609年に自らが大病にり患してしまい、当時18歳の美子と21歳の中院通村に急きょ古今伝授を伝えた上で、1610年に妻子に看取られて薨去した。

(尚、細川藤孝も1610年に薨去している)


(更に言えば、18歳で美子は古今伝授を伝えられるだけの知識才能を持っていた、ということであり、時の後陽成天皇陛下以下の多くの公家の面々を始めとする学者らは、美子の芸術の知識才能に対して改まった態度を執ることになった)


(作者としての呟き)

 作者のお前が言うな、と言われそうですが、本当に鷹司(上里)美子が、全部盛りといってよいスーパーガールになった一因が、中院通勝と里子との縁でした。

 

 中院通勝と里子の結婚について決めて描いたのは第6部冒頭でのことで、それこそ北米独立戦争勃発の経緯を第6部で描くことを決めていて、更に第7部で北米独立戦争を描こう、と決めてはいましたが。

 その後については、大プロット等は影も形も無い、と言われても仕方のない状況だったのです。

(勿論、その後でローマ帝国復興、というのは決めていましたが、では、どのような流れで等について予定は未定としか、言いようがない状況だったのです)


 そんな状況だったのですが、その後の執筆の結果、鷹司(上里)美子が生まれることになり、更に美子に芸術の才能があるのが明確に分かるようにしたい、と考えた際に目に入ったのが、古今伝授に関する様々なことで。

 芸術に才能がある美子が古今伝授を教わる経緯等につき、義理の叔父になる中院通勝を介するのが妥当だ、と私が考えたことから、上記のような流れが起きました。


 本当に他でも述べましたが、名作というのは作者の意図しないところでも上手くまとまる、というのを痛感することに、この件ではなりました。

 ご感想等をお待ちしています。


 尚、この後の予定について、割烹で補足します。

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