第14話 上里清と上里理子(解説編)
上里清は、上里松一と上里愛子(張娃)の間の初子で、最初の主人公の上里松一の後を承けて、次の主人公になって当然の立場で、実際に作中でも活躍しているのですが。
結果的に、最初の主人公の上里松一と同様に、それなりどころではなく娘(しかも名前も同じ美子)に振り回される人生を送らせてしまいました。
本当に名付けが悪かったのかな、名前に引っ張られてしまった気がする、と私自身が不思議な程です。
そもそも論を言い出せば、私の筆が奔らずに日本対女真戦争で、清の息子二人を戦死(殉職)させなければ済んだ話なのでしょうが。
本来ならば敵になる筈の上里清とヌルハチが胸襟を開いた仲に、何故になったのか。
それをおかしくないように描こうとすると、ああ描くのが自然かな、と考えてしまった次第です。
(上里理子に夢枕に立たれて、私の息子二人を返せ、と怒鳴られそうです)
それはともかく、で済ませてはいけませんが。
上里清が本格的に本編で登場するのは、北米独立戦争が勃発した第7部以降になります。
それ以前、それこそ第2部で赤子として初登場していましたが、まだ幼少といって良い頃でしたし、兄や姉の活躍の為に影が極めて薄い存在で、第7部から本格的に本編で活躍しだしました。
もっとも、第7部以降は、主人公的立場として基本的に活躍を続けており、実際に本編を振り返って、私が読む限りでも、極めて有能な軍人で、又、オスマン帝国や女真との友好関係を保つのに活躍する等、外交官としての才能も垣間見せており、本当に優秀な主人公の筈なのですが。
実父の松一と同様に、女好きではないものの、女性にほだされて関係を持って、その結果として色々と家族に問題を起こすことに。
さて、話を変えますが、妻の理子は、そもそも清と結婚するより、宮中女官になって誠仁親王と関係を持って、将来は国母(今上陛下の母)になりたい、と考えていた女性なのですが。
実父の広橋国光が亡くなったことから、宮中女官になっても、将来は苦労するだけだろう。
それよりも、自らに求婚して来た上里清と結婚した方が良いだろう、と考えて、上里清と結婚した次第の女性になります。
そんなことから、別途、描きますが、アーイシャ・アイマールこと広橋愛が、上里清と関係を持つことに対して、(そもそも18歳の年齢差がありますし、その身の上に同情したことから)大らかな態度を、理子は執ることになります。
その結果として、それこそ妻妾同居というよりも、夫婦と夫の元愛妾、更にはその愛妾が産んだ子が、暫くの間、家族として一つ屋根の下で暮らすという事態になりました。
(更に言えば、夫婦が、元愛妾と、愛妾の産んだ子を自らの子として大事にしたことから、元愛妾と実子は義理の姉妹という事態になりました)
自分で書いておいて、自虐にも程がある、と言われそうですが。
ここまで奇妙な同居の家族関係というのは、なろうを始めとするネット小説では稀有な気がします。
そんなことまで、本編小説中では起きましたが。
私の筆が奔った最終的な結果として、上里清と理子夫妻は、鷹司(上里)美子の次男になる松一を上里家の後継者として養子に迎えることになり、上里家は七摂家の一つに(何れは)なることになりました。
更に言えば、松一の正妻は、後水尾天皇陛下と徳川千江皇后陛下の長女になる文子内親王殿下になる(予定)という状況に。
本当に上里清と理子夫妻にしてみれば、子ども達というか、跡取りの身分上昇には最終的には呆然とするしかないことが起きました。
(その一方で、考えてみれば、長女の飛鳥井(上里)雅子の子は「南極送り」になっているという。
本当に孫の運命の違いに泣いた気がします)
え、でも、飛鳥井雅子の子2人は、南極で子作りしてた覚えが、それなりに楽しんでいたのでは、というツッコミが起きそうです。
(それにしても、鷹司(上里)美子は、傍から見れば本当に怖い。
仲の悪い異母姉の子とはいえ、実の甥二人を始めとする身内を容赦なく「南極送り」等にするとは)
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