第12話 伊達(上里)智子と伊達輝宗
伊達(上里)智子 1548年生、?年没 (第1部から第15部まで登場)
伊達輝宗 1544年生、?年没
伊達(上里)智子は、上里松一とプリチャ(永賢尼)の間の第三子で、プリチャ(永賢尼)からすれば第五子になるが、他の4人の兄姉と異なり、特に事績が伝わっていない。
むしろ、その夫の輝宗や、長男の政宗の方が著名な存在になる。
智子の夫の輝宗は、中南米大陸を日本が植民地化する際の旗頭を務めたと言っても過言ではなく、それこそ60歳を過ぎて隠居するまで、中南米大陸の日本の植民地において、現地の最高指導者といえる立場を務め続けることになった。
長男の政宗に至っては、日本の首相を12年に亘って務め上げており、様々な功績を挙げているのだ。
(詳細は別途、政宗の欄で述べられている)
だから、智子については、兄や姉に似ない凡才という世評が高い。
それこそ、織田(三条)美子の言葉として、
「弟の勝利が自分がフェンリル狼なら、姉(の美子)はヨルムンガンドの大蛇だ、と言ったそうだけど、それならば智子はヘルでしょうね」
と述べたとされる程である。
だが、その一方で、長男の政宗は、
「父から直に聞いたが、母(の智子)を決して政治等に関わらないように努めたとか。何しろ、兄や姉が傑物揃いだ、自分の妻(智子のこと)が政治に関わったら、素晴らしい功績を挙げるか、トンデモナイ事態を引き起こすか、の二者択一だ。そんな心配をしては、自分の身が持たない、と父は考えたとか。実際に小学生の頃から自分は日本に赴いていたから、伝聞にはなるが、様々な母の言動等を見聞きする限り、自分が父の立場でも父と同様のことをする」
と母の智子を評しており、全くの無能、凡才とは言い難いとの主張も根強い。
そのように智子に関する評価は定まらないのが現状ではあるが、輝宗に関しては出処進退を弁えた名政治家、北米独立戦争に際しては、日本本国と北米植民地の間でバランスを取り、中南米大陸の植民地にとっては、輝宗によって最大限の利益が確保されたと評されており、政宗がその血を承けて、更には母方伯母や伯父の血を承けて、日本の名宰相の座を受け継いだのも間違いないようである。
(作者としての呟き)
実際問題として、智子は有能だったの、と問われるならば、それこそ幼少時の描写等から言って、有能とは言い難かった気がしますが。
その一方で、それこそ政宗の母ですし、又、他の兄弟姉妹の活躍を見れば見る程、単なる無能とは言い難い気がします。
何処で描いたか、すぐには作者の私も探せませんが。
智子は姉二人、美子や和子の行動等から、自分は姉のようにはならず、大人しくしておこう、それが自分には分相応だと考えて行動しており、それを生涯、貫いた気がします。
ある意味、自分というモノを弁えていて、そうしたことからすれば、十二分に有能と言える気がします。
そして、智子の夫の輝宗ですが、史実同様に余り名を挙げることはありませんでしたが、実は有能という人物に、本編でもなった気がします。
史実というか、一般的には輝宗というと政宗の父としてしか、余り知名度は無い気が私はしますが。
実際問題として、輝宗からすれば、祖父と父の対立から起きた、稙宗と晴宗の間の「天文の乱」の後始末を見事に輝宗は行っており、家中分裂から起きた伊達家の力の低下を癒しています。
そういった輝宗の奮闘が無ければ、史実の政宗の飛躍は無かったでしょう。
そして、この世界では、輝宗は南米のブラジルで大成功を収めて州知事等を務める一方、北米独立戦争等では、裏で様々に暗躍するキャラとして活躍しました。
本当に史実同様に表立ってはいませんが、様々に活躍したキャラです。
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