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400字小説  作者: 案内なび
6/30

6、欲望

「私を呼び出したのは貴様か」

 地面に描かれた魔法陣から現れたのは、一匹の悪魔。

 暗がりに浮かぶ黒い羽根と触角を生やした姿は、まさにイメージ通りだ。

 そんな悪魔に俺は答える。

「あぁそうだ。お前の力を借りたくてな」

「ほう。ならば貴様の願いとはなんだ? 教えてみろ」

 ――きた。

 (かね)てから答えようと考えていたこの質問。

 待ち侘びたこの瞬間に、俺は一呼吸を置き、その言葉を紡いだ。

「温かい飯を腹いっぱい食わせてくれ」

「……は?」

「いやだから、温かい飯を腹いっぱい食わせてくれって」

「……理由は」

「もう何ヶ月も公園の水と何かの残飯しか食ってないから」

「……因みに代償は」

「俺の命で。最期にこの願いさえ叶えば十分だから」

「……」

 何故か黙り込む悪魔。

 暫しの沈黙の後、悪魔は言った。

「……分かった」

 瞬間、ベンチの上に大量の料理が並ぶ。

「やった! ありがとう!」

 俺は合掌した後、無我夢中で食らいついた。

 傍で啜り泣く声も聞こえない程に。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、ランダムワード「悪魔」「欲望」から連想して生まれた作品です。


悪魔って正直な欲望や感情を表した存在らしいですね。

もしかしたら、正直者どうしは互いに惹かれ合うのかもしれません。

因みに、ちゃんとカトラリー(ナイフ・フォーク・スプーン・お箸など)も悪魔は出してくれていますので、ご安心を。


それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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