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400字小説  作者: 案内なび
5/30

5、嫌いな能力

 ここは能力が当たり前の世界。

 そんな世界で僕が授かったのは『あたためる能力』だ。

 けれど僕はこの能力が嫌いだった。友達は火を操れたり身体を強化できたりするのに、僕はお弁当を温めるか冬に体を暖めるかだけ。

 そんなショボいこの能力が嫌いだった。


 ある曇りの日。僕が高校から帰宅中、公園のベンチで一人俯く少年を見かけた。

 放っておけなかった僕は、少年に声を掛けてみることに。

「どうしたの?」

「……ぼく、能力が弱くていじめられてるの」

 呟くように答える少年。

 どうやらこの子も同じような悩みを持っているらしい。

 励ましてあげたい。でもどう言葉を掛けていいか分からない。

 困った僕は。

「大丈夫だよ」

 と、少年を抱きしめた。

 分かっている。能力で無理やり心も暖めようとするのは卑怯だって。

 でも僕にはこれしか思い付かなかった。

 やがて少年はお礼を言って去った。

「これで良かったのかな」

 不安が募る。

 けれど僕の心を暖めてくれる人は誰もいない。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、ランダムワード「異能力」「物思いに耽る」から連想して生まれた作品です。


悩みや葛藤を抱いている時って、なんだか人間らしさを実感しますよね。……あれ、もしかして私だけだったりします?


それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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