28、順番
「なぁ」
「あ?」
「消しゴム貸してくれん?」
「いいぜ」
「ありがと」
「うん」
「あ、シャーペンもある?」
「鉛筆なら」
「じゃあそれで」
「おん」
「……」
「……」
「あっ、折れた」
「代わりいるか?」
「あるの?」
「9本ある」
「鉛筆だけ多くね?」
「黒鉛筆は絵描くのに使うからな」
「意外だわ」
「削るからそれくれ」
「鉛筆削りも常備してるのか。はい」
「これ代わりな」
「さんきゅ」
「3本くらい貸そうか?」
「いいの?」
「しゃーなしな」
「助かるわ」
「……」
「……」
「あっ、また折れた」
「すげぇ折るな」
「す、すまん」
「責めてねぇから安心しろ」
「あぁ、力加減には気をつけるわ」
「そうしてくれ」
「……」
「……」
「……ってか、今気づいたんだけどさ」
「?」
「お前、最初の言葉、五十音順に喋ってる?」
「……偶々だろ」
「ほらほら!」
「違うわ」
「確信犯だろ」
「つまんねぇな。てめぇ」
「急にひどい」
「取るに足らねぇな」
「無理やりた行までねじ込むな」
お読みいただきありがとうございました。
今回は、「五十音順に会話させたら面白そうだなぁ」と思って生まれた作品です。
偶にYouTubeなんかのドッキリや検証企画でありますよね。
「五十音順で喋ったら相手はいつ気づくのか?」みたいな。
こういうのって、喋る側は不自然にならないようすぐに・正確に喋らないといけないので、かなり難しそうですよね。
私だったらすぐにバレそう……。
それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)




