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400字小説  作者: 案内なび
27/30

27、罪の在処

 2XXX年◯◯月△△日。

 甲県乙市で発生した殺人事件について最高裁は□□日、「殺人の動機は自然の見えない諸力が作用した結果であり、被告人に罪はない」とし、被告人側の主張を認める判決を下した。これにより被告人側の無罪が確定し、検察側の主張は退けられる事となった。この判決を受けて被告人弁護士の某氏は――。






「馬鹿馬鹿しい。世も末だな」

 男は新聞から顔を上げると、そんな愚痴を溢した。

 大通り沿いのテラス席は日に照らされ、男の机の上には湯気を上らすコーヒーと齧られたサンドイッチが並ぶ。

 すると。

「僕もそう思います」

 と、男の背後から声が聞こえてきた。

 振り返ると、そこには見知らぬ青年が笑みを浮かべて立っていた。

「おぉ、君もそう思うか」

「えぇ。だって、犯罪の原因が自然の力の所為になるってことは、どんな罪を犯しても責任が問われないんですから」

 この時、青年が後ろ手に持った刃物の柄を握り締めたことを、男は知らなかった。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、アメリカで発生したレオポルドとローブによる誘拐殺人事件において、彼らの弁護を担当した弁護士クラレンス・ダロウの最終弁論から連想して生まれた作品です。


皆さんは罪を何に求めるべきだと思いますか?

罪を犯すことになった原因(動機)でしょうか?

それとも結果(行動)でしょうか?


なお、弁論内容の詳細は長すぎるので割愛しますが、作中の思想はあくまで連想しただけのフィクションです。ダロウの思想そのものではない点にはご注意ください。


それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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