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400字小説  作者: 案内なび
20/30

20、正体

「あらぁ、頭領直々に乗り込んで来るだなんて」

 とある地下オフィスの一室。

 社長椅子に座る赤いヴェネチアンマスクの少女が笑う。

「こうでもしないと、アンタらを潰せないからね」

 私も拳銃を構えて応えた。

 ヒリヒリと肌を焼くような緊張感が、辺りを支配する。

「にしてもアンタの髪、艶やかでいい香りね。巻き上げた金で高いシャンプーでも使っているのかしら?」

「ふふっ、それは貴女もでしょう? 全身に香水なんかお付けになって。そんなに殿方を魅了したいのですか?」

 煽りの応酬が続く。

 だが、これでは(らち)が明かない。

 私は先制することにした。

「的外れもいいところね。これはその罰よっ!」

 刹那、発砲音とともに銃弾が放たれる。

 だが、銃弾は彼女の耳元スレスレを通り過ぎ、マスクの紐を断った。

 これで彼女の正体が分かった。――はずなのに、私は素直に喜べなかった。

「なん、で……」

 知りたくなかった。

 目の前で微笑みながら涙を流す少女が、親友だなんて。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、X(旧Twitter)で頂いたランダムワード「マフィア」「高いシャンプー」「香水」から連想して生まれた作品です。


一人の親友として敵対組織のボスを見逃すか?

それとも、マフィアのボスとしてけじめをつけるか?

究極の二択に迫られた彼女は、一体どうするんでしょうね。

余談ですが、こういう究極の二択に迫られた主人公が葛藤で苦しむ展開、私は大好きです()。


それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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