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400字小説  作者: 案内なび
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2、わたしは私

 目を覚ますと、そこは異世界だった。

 辺りを見渡せば、目に映るのは全て白。

 音も、臭いも、何もない。

 唯一あるとするならば、淡い光を放って宙に浮かぶ謎の球体のみ。

 私は球体に近づき、そっと手を伸ばしてみる。

 しかし、触れることはできない。

 目の前にあるはずなのに、触れることができない。

 ――おかしい。

 もう一度、手を伸ばしてみる。

 だが、やはり触れられない。

 見えない何かに阻まれているのではない。

 球体の周りだけ空間が歪んでいるのだ。

 だから、いくら手を伸ばしても届かないのだ。

 原因が分からない以上どうすることもできない。

 私はその球体を諦め、その場を離れた。






 わたしは()だった。

 ()の自己であり、精神であった。

 けれど、目の前にいた()は、わたしなくしても動いていた。

 ――おかしい。

 そう思ったわたしは、()に触られるのを拒んだ。

『ねぇ、今の()は誰なの?』

 音のない言葉が静寂に消えていく。

 わたしはただ、消えゆく()の背中を見つめていた。

お読みいただきありがとうございました。

今回は、ランダムワード「自己」から連想して生まれた作品です。


今の「貴方」は本当に「あなた」でしょうか……?

或いは、今の「私」は本当に「わたし」でしょうか……?

その答えはきっと、「あなた」と「わたし」しか知らないでしょう。


それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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