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楽園の果実  作者: 蜜柑桜
終章
57/57

楽園の伝説

 紅と黄の枝葉が茂る、樹々に守られた女神の楽園(くに)

 その深い深い林の奥へ、黄金(きん)色の角を頂いて、

 一頭の白い毛を持つ鹿が、地を彩る葉を踏みしめる。


 迷いなく進む青銅の蹄、黄金(きん)の大樹の前で止まる。

 葉を透かし降る陽の光を、さも快いと仰ぎ見た。

 そして今度はゆったりと、自らの前へ(こうべ)を垂れる。

 白く輝くその毛並みを、女性の指が優しく撫でた。


 己が力宿す愛の実を、

 たずさえ帰った人の子の、

 こころ正しき行いに、

 美しき主人(あるじ)は微笑んだ。




 完

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み終えましたー。 [一言] 2人の冒険を楽しく時に心配しながら読ませていただきました。完結お疲れ様なのです(*^^*)
2024/07/04 10:47 退会済み
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