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メンバーカラーは無色透明を希望します!!  作者: ひなた


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92/97

87曲目 チャレンジするチャンスがやってきた

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!


毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)

B面シリーズは不定期です。

「陽太、速報だ」

バラエティのコーナーロケを終えて事務所に寄ると岡本さんに話しかけられた。

「お疲れ様です。速報?」

「ほら、喜べ」

差し出された紙は企画書。

タイトルを見ると【深夜ドラマ】の文字。

「…え”!?」

バッと顔を上げると岡本さんが嬉しそうに頷く。

「マジ!?」

「マジ」

「本当に!?」

「本当」

「上田ー、声でけぇぞ」

混乱してる俺を見ておかしそうに笑う岡本さんの後ろから藤井さんがやってきた。

「藤井さん!見て!」

俺は企画書を藤井さんに見せると藤井さんも「お!」と言う顔をした。

「やったな、上田。初ドラマ」

「はい!!」

嬉しさのあまり飛び跳ねる。

初めて舞台のオーディションを受けてから、ずっと演技のオーディションを受け続けていた。

けれど受かることが無く、どうしようとなっていたので嬉しい。

「どんな役なんだ?」

藤井さんに聞かれて企画書を見る。

「えっと…主人公の弟役です」

「お、じゃあちょいちょい出るんじゃないか?」

「そんなに多くは無いですけど、頑張ります!」

俺がランランにして言うと二人は苦笑しながら頷いてくれた。

「あれー?パピーがいる」

「本当だ」

「今日一緒の打ち合わせだっけ?」

後ろからスー、ゆう、ナツの声が聞こえた。

振り返ると制服姿の3人。ナツとゆうの登校日に3人できたらしい。

「見て見て見て見て!!!」

俺がダッシュで近寄って企画書を押し付ける。

「パピー、近くて見えないって」

「珍しく興奮してるじゃん」

スーとゆうが驚いている間にナツが俺から企画書を取った。

「え、マジ?やったじゃん!」

ナツが嬉しそうに言ってくれる。二人もナツの手元を覗く。

「パピードラマ!」

「めちゃ受けまくってたもんなー」

二人も喜んでくれた。

「えへへー」

「レッスン増やしてたもんね」

ナツに言われて頷く。

舞台のオーディションで周りのレベルの高さに驚き、演技のレッスンを増やした。

そのおかげかな。

「お前らー、他に言うなよー」

「「「「はーい」」」」

岡本さんに言われて俺たちは返事をした。


===

高校生組とミーティングをした後、4人は夕飯を食べて帰るとのことで会議室で別れた。

俺は資料とノートPCを持ってフリースペースに。

コーヒーを買ってると隣に誰かが立った。

「お疲れさん」

「お疲れ様です」

藤井さんが隣の自販機でお茶を買う。

ちょっとした雑談をしながら窓側の席に座る。

「にしても上田、やったな」

「はい。ようやく」

『岡本さん、俺めっちゃ悔しいから絶対受かるようにしたいです』

初めての舞台オーディションの後、陽太からの希望でしたミーティングで言われた言葉。

『受ける前はあんなに嫌がってたのに』

『そりゃそうでしたけど…でも、ここで俺が逃げたらclear skyを知ってもらう機会がちょっとでも減るのかなって』

『というと?』

『一人でも多くの人の目に入ることを考えたら苦手だからって逃げてる場合じゃ無いなって。一人でも多くファンになるきっかけから逃げたらダメだって』

顔を上げた陽太の目は闘志の色をしていた。

『あと、普通にできない自分にムカつきます』

別に陽太は演技が抜群に下手なわけも上手いわけもではない。

だからこそ受かりはしない、とも思う。

『そうか。じゃあレッスン増やすか?』

『はい!!』

そこから平日に演技のレッスンを入れた陽太。

レッスン代が増えたからと知り合いのお店でバイトしてるとも言ってた。

「やっぱり、あいつはウチの前線ですよ」

「お前の思惑通りだな」

「はい」

陽太が高校3年の夏休みに言った言葉を思い出す。

『俺はな、陽太がこのグループの幅を広げてくれると思ってるんだ。

だから最初はキツイかもしれないが、俺の思惑に付き合ってくれ』

陽太はそれを受け入れてくれたし、自分自身でもそうなろうと思ってたと後から教えてくれた。

「あいつは頼もしいですよ」

「おいおい、一人に肩入れするなよ」

藤井さんがちょっと呆れたように言う。

「わかってますよ。でもあいつには頼りますよ?」

コーヒーを飲んで一息つく。

「5人も陽太がいるから頑張れるところがあるんで」

「…上田が潰れないようにしろよ?」

「もちろん。でもあいつは疲れたら5人で癒やされてるんで大丈夫かと」

疲れたら陽太の方がメンバーにベッタベタだ。

ナツ、ゆうも陽太が抱きついてきたら受け入れてる。

「陽太がclear skyの心臓になると思ってるんで、あと5年ぐらいは無理してもらいます」

「おいおい」

「陽太が頑張れば頑張るほど、他のメンバーの闘争心が燃えるんで」

俺がニヤッと笑うと藤井さんは呆れたように笑った。

===


みんなで焼肉を食べた帰りの電車。

これから始まるドラマに向けて原作を読み直さないと、と思いながら窓の外を見る。

「…よし」

これでclear skyを知ってもらえるチャンスが増えた。

「頑張るぞ」

俺は気合いを入れ直した。


頑張ったからこそ得たチャンスを繋げるぞ!

実は苦手な演技を頑張っていたパピー。

苦手なことが実ると嬉しいですよね。


====

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