69曲目 自分の選択としっかりと向き合う
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です
事務所の会議室。
「さて、1周年が近づいてきたわけだが」
岡本さんがホワイトボードに「1周年」と書いた。
「で、今アルバム収録してただろ?」
みんなで頷く。
ありがたいことにアルバムを出すことになった。
シングルがまだ2枚なのにいいのかな、とも思う。
「デビュー日が今年土曜日なんだ」
「あ、確かに」
ナツがカレンダーを見て確認する。
「ああ、だからな」
岡本さんが書いていく文字にみんな驚いていく。
「…え?」
「「まじ?」」
「「「えええー!!」」」
それぞれの反応が会議室に響く。
ホワイトボードに書かれたのは…。
「1日限定、ホールライブやるぞ」
ライブという文字をジッと見る。
「…本当に?」
「陽太、大丈夫か?」
苦笑する岡本さん。
「ホールってどこのホールですか?」
「クリップシアターだ」
クリップシアターは都内でも有名なホールで演劇やクラシック、都内学生コンクールとかしている。
「1日限定、2公演やるぞ。だから今から特訓だ」
今が10月初旬。
約2ヶ月半で仕上げる。初めてのことで俺たち大丈夫か?と思う。
「発表は1ヶ月後の11月2日の番組中。その後、FC募集開始してライブ2週間前に一般販売するぞ」
「うわー、まじか」
ゆうが驚きすぎて腰抜けたように言う。
「今日からのレッスンはライブのことになるから頑張って覚えろよー」
全員で「はい!」と返事をする。
みっちりとレッスンをしてクタクタ。
今日からまた岡本さんが送ってくれる。
理由はもちろん、クタクタになって電車の寝過ごし防止のため。
「パピー、どうしたの?今日ずっとボーッとしてたけど」
隣のナツに話しかけられる。
他のみんなは寝てる。
「んー…なんか実感が」
「ライブするって実感ない?」
「んー」
ライブなんてあと5年ぐらい先の話だと思っていた。
それまではレギュラーをして、新しい仕事が取れるように色々チャレンジしてレッスンしてと思ってた。
「なんか…恵まれすぎてるのかなぁと」
「陽太くん…」
珍しくはっきりしない俺に心配そうなナツ。
「珍しいな、陽太がそんな風になるの」
運転してる岡本さんが声をかけてきた。
「お前たちが毎日レッスンして色んなオーディション受けて努力してるのは知ってるし、
事務所も700席あるクリップで2公演しても大丈夫だと判断したんだ、自信持て」
「はぁ…」
「それに驚いてるのは俺も同じだぞ。1週間前に上司に呼ばれて何かと思ったらライブするって言われたんだから」
「「え?」」
俺とナツが声を揃えて驚く。
「岡本さんも知らなかったんですか?」
ナツが聞くと岡本さんがため息をついた。
「そりゃ、アルバム出すって言ってもまだまだ2時間持つかどうかだし、しても来年かと思ってたわ」
岡本さんも予想外だったと知って驚く。
「それだけ期待されてるんだ。自信持って仕事しろ」
その言葉がズンッと重く響く。
家に帰って夕飯食べて風呂入って今日のレッスンの動画を見る。
やっぱりみんなに比べて俺のダンスはまだまだだ。
『自信持て』
岡本さんの言葉を思い出す。
「自信持てって言われてもね」
俺はみんなみたいな特技や特徴はない。
今回、メンバーになれたのは奇跡だと思ってるぐらい。
精神的に人生2回目だから余裕あるように見えるだけだし。
そんなマイナス思考が巡る。
「…卒業、見えてきたからこんなに不安なのかな」
1回目の時は大学に進学していたし、将来に不安になることは少なかった。
でも今回は仕事に生きるって決めたから卒業後、どうなるか不安なのは事実。
周りは受験モードで自分は違うのだとより実感する。
「でも、自分で決めた人生なんだ」
そう言い聞かせて心を落ち着かせる。
全部、自分の選択なんだ。
珍しく不安になってるパピー。
一度目の人生がなんとなくでも生きていけたタイプ(自分のできる範囲を理解して生きていたタイプ)なので戸惑いがあるのでしょう。
その戸惑いが成長させてくれます。
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