65曲目 夏休みは休みじゃないらしい
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
終業式が終わって、明日から高校最後の夏休み。
啓太と壮真の勉強の息抜きがてら遊んで仕事して、
ちょっとはゆっくりできるのかなって思ってた。
『…全然ゆっくりできないんですけど?』
6月頭に更新されたスケジュールを見て驚愕。
『レッスンと固定の仕事はいいとして、オーディションと特番コーナー収録祭なんですけど』
ほぼ毎日何かしら入ってる。
『本当だ、パピーすごいね』
『俺たちもちょいちょいソロ入ってるけど、これはすごいわ』
両隣からナツとゆうが覗いてくる。
なんならちょっと引いてる。
『当たり前だろ。卒業したら4月からは制限なく仕事できるんだ。今のうちから種まきしないと』
岡本さんの言葉が正論すぎて何も言えなかった。
そんなやりとりを思い出しながら天を仰ぐ。
「なーに疲れた顔してんだよ」
壮真が覗いてきた。
「明日から仕事三昧だなーって」
「え、まじ?遊べない感じ?」
「丸一日は無いかなー。午前だけの日はあるから、そしたら午後からって感じ」
「忙しいんだな、陽太」
啓太もカバンを持って隣に立つ。
「今のうちに種まきして卒業後に仕事をいくつか持ってる状態にしたいんだってさ」
「へー、大変だな」
壮真が呟く。
「まぁ、今まで仕事のオファーが来てたのが不思議だったし」
「そんな感じなんだ?」
啓太もふーんと呟いた。
「じゃあ今日もこの後仕事か?」
「今日はオフ。レッスンもない」
今日は事務所の大きな会議があるらしく、タレントは立ち入り禁止だ。
「お!じゃあこれから遊ぼうぜ!学校終わったし!」
「いいね。お昼食べてどっか行こう」
「!行きたい!」
急いで荷物をまとめてどこに行くか3人で話しながら学校を出た。
夏休みに入ってからは怒涛だ。
オーディション、レッスン、収録、グループの仕事、雑誌の撮影…。
去年とは比べようがないぐらい忙しい。
気づいたらもう8月になってた。
「…え、もう8月なんですけど。夏休みの1/3が終わった」
今日はclear skyがゲストに呼ばれた番組のロケ日。
セカンドシングルのプロモーションだ。
俺はバスの座席で天を仰ぐ。
いわゆる魂が口から出てる状態だ。
「え、本当に8月?俺は信じない…」
「パピーが壊れた」
「去年のナツみたいだな」
「え、俺あんな感じだったの?」
スー、ゆう、ナツが話しているのを聞きながらため息。
思ったよりきついなーと思っていたら肩を叩かれた。
「?」
「パピー、大丈夫?」
隣に座る心配そうな楓。
「パピー!俺のおやつあげるよ!」
後ろからトラが持ってきてた小袋のクッキーをくれた。
「…二人ともありがとうな。心配させてごめん」
二人にお礼を言って頭を撫でる。
「あー、ずるい!」
「俺たちも心配してましたけどー?」
スーとゆうがちょっと捻くれて言って、ゆうの隣でナツが苦笑しながら頷く。
「そうだよな。心配してくれてありがとう」
「陽太くん、無理はしないでね。みんな心配してるから」
ナツに言われて俺はうん、と頷く。
ロケの待機中、岡本さんに声をかけられた。
「どうだ?夏休み入ってからのスケジュール」
「文句言っていいですか?って感じではあります」
「だよなー。俺も悪いって思ってはいる」
苦笑の岡本さん。
「でも4月からお前を不安にさせないようにしたいんだ。そこはわかってくれ」
その言葉が腑に落ちる。
4月からは仕事だけになる。
今までは仕事がなくても学校やレッスンで充実してたけど、学校の時間が自分の時間になるんだ。
仕事をしてなければ不安になるだろう。
「…はい、ありがとうございます」
お礼を言うと岡本さんは真剣な顔で俺に体を向けた。
「俺はな、陽太がこのグループの幅を広げてくれると思ってるんだ。
だから最初はキツイかもしれないが、俺の思惑に付き合ってくれ」
「…俺、期待されます?」
そう聞くと岡本さんはフイッと横を向いた。
「じゃなきゃオーディション合格してない」
岡本さんってツンデレだよなーと思いながら笑った。
この忙しさが日常になるように頑張ろう!!
みんなに愛されパピー。
実はパピーのことをすっごく考えてのスケジュールを入れていたツンデレな岡本さんなのでした。
そして真剣な時のナツの陽太くん呼びが発動されました。(作者はこれがキュン)
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