62曲目 一度目にはなかった寂しさ
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
「ゆうちゃーん」
取材の待ち時間にスーがゆうに抱きついた。
「んー?」
「数学教えてほしい!!」
「おー、いいぞー」
受験勉強をしているスー。
俺とナツゆうの学校の話、岡本さんや両親と話して二人と同じ学校に進むことにした。
「ナツたちの学校って芸能科も一般入試なん?」
「ちょっと違うかな。事務所の所属証明できるもの提出と面接と筆記試験だね」
「え、一般入試よりハードル高くね?」
「まー、芸能事務所に所属してるってだけなら結構数いるからね」
学年でも1クラスしかないらしいから確かに面接は必要なのかもしれない。
それに事務所に将来性とか確認してるんだろうな。
「でもスーも進学先ちゃんと決められてよかった」
「そうだね。パピーは進学しないんだっけ」
「おん、仕事に集中するわ。んで、とにかく仕事しまくるわ」
『大事なのは”認知されること”。
より多くの人に知ってもらうにはソロ活動でもclear skyの名前を出していかないと』
デビュー前に岡本さんに言われたことを思い出す。
少しでも認知されるように動いていくと決めたから進学する選択はしなかった。
「俺も卒業後は仕事だけにしようかなー…」
ナツが呟く。
「別に俺がそうだったからって同じにしなくてもいいんだぞ?」
「…んー」
「行きたい大学とか専門学校があれば進んだ方がいいぞ」
俺がそう言うとナツはどこか納得いかないという顔。
思わず苦笑する。
「まだ時間あるから悩んだらいいさ」
ムスッとしたナツの頭を撫でるとプイッと横を向かれた。
火曜日。
啓太が雑誌を見ていた。
「啓太ー、いい服あった?」
「今回はあんまり。でも陽太がいたから買った」
表紙が俺とナツとゆうの雑誌。
「ありがてぇ」
「俺、FCのNo.8なんでね」
「啓太8番なの!?俺10番なのに!!」
啓太のドヤ顔に壮真の悔しそうな顔。
「ありがたいわー」
めちゃめちゃ待機してくれたじゃんと嬉しくなる。
啓太はインタビューのページを開いた。
「この陽太、めっちゃかっこいいんだよね」
「マジだ!なんか色気出てるし」
「これもさー、なっちゃんとのニコイチ感がよくて」
「ゆうちゃんとのやつもいいよなー」
「…あの、本人目の前にいるんですが?」
二人で楽しそうに感想の言い合いをしているのを止める。
目の前で褒められるって困るんだが?
「そうなんだよなー。この雑誌に載ってる人物と親友なんだぜ、俺ら」
「こうしてると何にも感じないのに、雑誌とかテレビ出てると芸能人になったんだなーって思うよね」
壮真と啓太の言葉にふーん、と思う。
「でもこうして約束も無しに会えるのもあと半年かー」
壮真がちょっと寂しそうにした。
「そうだな」
「二人は同じ大学行くんだっけ?」
「うん」
啓太が頷く。
「たまには俺と会ってくれよー」
「それ、俺たちのセリフなんですけど」
苦笑する啓太に俺はふふっと笑った。
授業中、窓側の席の俺はボーッと空を見つめる。
『約束も無しに会えるのもあと半年かー』
一度目の人生も大学が違ったから約束は必要だった。
それでもまだ気軽に会えた。
でも今回はそうはいかないだろう。
『一足先に社会人になること、しかも特殊な仕事だから友達と会える頻度が少ないこと、そこは覚悟しておけ』
前に岡本さんとミーティングした時に言われた言葉。
「…寂しいなぁ」
思わずポツリと呟く。
メンバーになれた喜びと一度目のように二人に気軽に会えない寂しさ。
これは予想外な寂しさだ、と気付かされた。
二人とはずっと親友でいたいと改めて思った夏の日。
ちょっとセンチな気持ちなパピー。
約束もなく、いつでも会える学生時代ってやっぱり貴重だったんだな、と社会人をしていると思います。
次からはまたうぇーいな彼らになります。
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