52曲目 デビューしてからが大変だ
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
11月に入ってデビューに向けての準備がラストスパートだ。
「12月15日に番組内でデビュー発表して、その1週間後にデビューだ」
岡本さんの説明に俺たちはワクワクが止まらない。
「いよいよだなー」
「しかも生放送で発表!」
ゆうの呟きにスーが興奮して言う。
12月15日はレギュラーの年末特番で生放送だ。
「デビューしたら今までのレッスン時間にグループの仕事をメインに入れてくようになるからな」
「そうするとレッスンが全然できなくなっちゃうのか」
ナツが困ったように言う。
「仕事がなければいつも通りレッスンになる。あとは今やってる平日レッスンも継続希望なら手続きするけど」
岡本さんが提案してくれた。
「継続するってなったら全員ですか?」
「そのつもりだけど、個別で継続ならそれはそれでいいぞ」
「みんなどうする?」
ナツがみんなに確認する。
「「やりたい!」」
「僕もやる!」
スー、トラ、楓が答える。
「俺も続けたいなー」
「俺も。定期にしてるし」
定期券で通ってるからいつでも来れるし、レッスン無くしたら感覚鈍りそう。
「じゃあ、一旦継続にしてまた様子みて回数減らしたり個別申込に変えるか」
カタカタとPCに打ち込んでいく岡本さん。
「保護者の方には俺からデビューについて説明するからお前たちは何も言わないでいいぞ」
「「「はーい」」」
「んで、下3人はそんな感じだけど、上3人は今後オーディション情報掲示板で受けたいのあったらどんどん言ってくれ」
「え、いいんですか?」
驚いて聞き返す。
「もちろん学業優先だし、オーディションの内容によってはNG出すけどな」
「でもなんで急に」
ゆうが聞くと岡本さんはニヤッと笑う。
「デビューできるぐらいの実力はついたんだ。
今後もレッスンは大事だけど、より大事なのは”認知されること”。
より多くの人に知ってもらうにはソロ活動でもclear skyの名前を出していかないと」
「だからオーディションもどんどん受けていいってことか」
ナツが呟くと岡本さんは頷いた。
「そもそもお前たちは公開オーディションで決まったって時点で知られてるとは思うけど、デビューしたらそれ以外でも知ってもらわないと。演技でもいいし、バラエティでもいいし、歌でもいいし」
「今回のナツみたいにってことですね」
「そう。だからデビューしてからが大変だぞ」
岡本さんの言葉が急に重くのしかかってきた気がした。
帰り、事務所のオーディション情報掲示板を見ていくことにした。
「へー、結構ある」
「すごいね」
ナツとゆうが呟く。
「俺たちも早くできるようになりたいな、楓」
「そうだねトラくん」
不服そうな2人に俺は頭を撫でる。
2人は小学生だからソロができるのはまだまだ先だ。
「こればっかりはしょうがないさ」
「むぅ」
ギューッと抱きついてくる楓に苦笑する。
「ゆう、ミュージカルとかどう?」
トラに抱きつかれてるナツがゆうに言う。
「興味はあるけど、この日程だと長期で休む感じじゃん?」
「あ、本当だ」
「仕事での長期休みっていいんだっけ?」
「生徒手帳に書いてあった気がする」
芸能科だからそういう待遇はちょっとはあるのだろう。
「パピーは気になるのはないの?」
スーに聞かれるけど、首を横に振る。
「俺は一旦今のままかな。学校の出席と成績はキープしていきたいし」
「そうか、パピーは普通科だもんね」
「うん」
デビューしてからのスケジュールをさっき聞いたけど、出席がちょっと怪しい可能性が出てきた。
たぶん大丈夫だとは思うけど月曜日に山田先生に確認しないと。
「でも認知してもらうのは確かに重要なことだから様子見てオーディション受けていこうかな」
「そもそも受けたから絶対受かるわけじゃないもんね」
ナツの言葉に頷く。
そのままみんなで駅まで行ってそれぞれの電車に乗って帰る。
『大事なのは”認知されること”。より多くの人に知ってもらうにはソロ活動でもclear skyの名前を出していかないと』
岡本さんの言葉が反芻される。
デビューできればオールOKというわけではない。
デビューしたからこそ、そこからどう上がっていくかだ。
まずは日本中の人に知ってもらうこと。
「…頑張らないと」
1回目の人生ではみんなを見ている側だった。
でも今度はより多くの人を楽しませる側だ。
自分の人生の全てをかけて。
これからが本当の勝負だ。
デビューに向けて準備が進みます。
12月15日に発表してその1週間後にデビューには理由がありますが、その理由はお楽しみに。
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