51曲目 ちょっと寂しいのはここだけの話
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
「上田ー、ちょっといいかー?」
放課後、啓太と壮真と帰りの支度をしながら喋っていたら山田先生に呼ばれた。
「はーい」
「ちょっと職員室まで来てくれ」
何かしたっけ?と思いながらついていく。
先生のデスクで話を聞くことに。
「せんせー、俺なんかやりました?」
「いや、成績も出席も問題ない」
その2つが問題ないならなんだ?と思っていると山田先生はちょっと言いにくそうにした。
「来週、文化祭だろ?上田も参加するよな?」
「はい、そのつもりです。マネージャーからもOKもらいましたし」
うちの高校は土日に一般開放するタイプの文化祭だ。
だから来週の土日はレッスンに行けなくなるって岡本さんにも伝えてある。
もちろん、学業優先だからOKしてもらえたけど。
「そうか」
「…俺、参加しない方がいいですか?」
山田先生がいつも様子が違うから不安になる。
そう聞くと山田先生は首を横に振る。
「それは違うぞ。ちゃんと参加してくれ。
ただな、メディアに出ることが多くなっただろ?
去年は上田目的で来る一般の方はほぼなかったけど、今年は増えそうだなって話をしててな」
確かに去年は俺目当てはほぼいなかった。
文化祭の後にレギュラーも出るようになったし。
「だから混乱を避ける為にも一番人が増えそうな時間は控え教室で待機してもらうようになるかもしれん」
「あー…それはしょうがないですよ」
そういうこともあるかも、と思ってはいたけど実際に言われるとなんか寂しい。
「まぁ、当日の様子を見てどうするかは決めるから」
「わかりました」
「悪いな」
職員室から戻ると2人は待っててくれていた。
「あ、待っててくれたんだ」
「おー」
「山田先生、なんだって?」
啓太が聞いてくる。
「文化祭、もしかしたら控え教室にいるかもって話」
そう説明すると2人は驚いた顔。
「え!?マジ!?」
「まぁ、陽太テレビ出ること増えたし、陽太がうちの高校通ってるってバレてるもんな」
啓太の言葉に頷く。
「だからいっそのこと休んでレッスンに行こうかなー」
「ダメダメダメ!!陽太は俺たちと文化祭で食べ歩くし、遊ぶんだって!」
壮真が両方を掴んで揺らしてくる。
目が回るわ!!
「壮真、落ち着けって」
苦笑する啓太が止めてくれた。
「可能性があるってだけだから控え教室にいなくてもいいかもしれないんだろ?」
「たぶん。やばいって思ったら山田先生が控え教室に行くように連絡くれるらしい」
何かあった時用に山田先生の個人連絡先は登録してある。
だからやばいってなったらすぐに電話が来るはず。
「そうならないように願うしかないけど、休むのは無しな」
啓太にも念押しされて俺は苦笑しながら頷いた。
文化祭当日。
「…まぁ、こーなりますよねー」
教室の窓から外を眺める。
1日目の今日、午前中は楽しく3人で周ってたけど、途中から声をかけられることが多かった。
13時ぐらいになったら同世代の子たちが多く、山田先生から電話がかかってきてしまった。
「おー、いたいた」
ガラッと扉が開いた音と声が聞こえて振り返る。
「山田先生」
「すまんな。結局こうなっちまって。ほれ」
俺の前の席に座る先生。渡されたのは紙パックのミルクティー。
「ありがとうございます」
ストローをさして飲むと甘さが口に広がる。
「芸能活動してる生徒なんて今までいなかったからな。
こういう時どうすれば確認したんだが、うちの学校じゃこれが精一杯だ」
「確認?」
「俺の友達に芸能系の仕事してる奴がいてな。そいつに聞いた」
「へー」
意外な友人関係に驚いてると先生が苦笑する。
「高校生の文化祭なんて楽しい大イベントだから上田にもちゃんと楽しませてやりたいんだがなー」
「しょうがないですよ。こうなるのも覚悟でグループにいるんですから」
窓の下ではいろんな屋台やゲームをする声が聞こえる。
「…でも楽しそうでいいなーとは思います」
そう呟くとガラッとまた扉が勢いよく開いた。
「陽太!…とヤマセンじゃん」
「あれ?山田先生」
壮真と啓太が入ってきた。
手にはチョコバナナやフランクフルト、焼きそばもある。
「お前らー、教室に持ち込むなよ」
「いいじゃん!陽太と食べるんだから!!ちゃんと片付けるし!!」
「中倉、お前生徒会の奴ら探してたぞ?」
「さっき会ったんで大丈夫です」
啓太もサラッとかわす。
「まったく」
「今日だけ!」
「壮真、明日もだろ」
啓太の言葉にハッとする壮真。
「今日と明日だけ!見逃して!ヤマセン!お願い!」
「陽太と文化祭楽しみたいんです。お願いします」
2人が山田先生に頭を下げる。
山田先生はため息をついた。
「他の先生たちに見つかるなよ」
「うん!ありがとう!!ヤマセン!」
「ありがとうございます!」
2人がウキウキしながら俺を見る。
「さっき食べ損ねたやつ買ってきたから食おうぜ!」
「陽太はこれも買ってきた」
タピオカ入りジュースを受け取ると、俺は苦笑した。
「ありがとうな!」
「「どーいたしまして」」
その後は3人で教室で文化祭を楽しんだ。
実は寂しかったなんて絶対言わない。
文化祭を途中までしか楽しめなかったパピーに親友2人が買ってきてみんなで食べました。
特別感がすごいですよね、文化祭って。
そしてヤマセンの友達が誰かはいつかどこかで。
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