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5曲目 大根役者なんですけど

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!

2次オーディションの2週間後、3次オーディションの通知が届いた。

「かーーぁーーーさーーーん!!」

「次に進んだの?」

母さんが苦笑する。俺がコクコクと頷くと母さんはふふっと笑う。

「よかったわね。あと何回あるの?」

「確か、3次して最終だった気がする」

「そう。頑張って」

夕飯を作る母さんはどこか楽しそう。

次はなんだっけなーと1回目の人生を思い出そうとするが、思い出せない。

記憶力の無さに自分でがっかりする。

携帯を見るとメッセージが来ていた。

【次進んだよ。陽太くんは?】

ナツのメッセージに俺も、と返信するとトラから電話が来た。

「トラ?」

【陽太くん!3次の通知きた!】

興奮しているトラに思わず笑う。

「俺も。やったな」

【うん!!】

声からわかるはしゃぎ具合に言うて小学生だもんな、とほっこりした。


2週間後、3次オーディション。

残りは50人。

「今回は演技かー…」

ポツリと呟く。

演技とかしたことない。

「困った…」

「陽太くんも困ることあるんだね」

ナツが小さく笑った。

「演技とかしたことねーもん」

「ま、普通はそうだね」

「ナツは?」

「俺は一応演劇部だったから」

知らなかった情報に驚く。

「じゃあ得意分野だ」

「得意かどうかはあれだけど…」

前回同様、各自で練習をしてから順番に呼ばれる。

演技はオーディション番号順のペアで行われる。

今はナツとペアだ。

「よろしくお願いします、先生」

「なんか嫌だなーそれ」

そんな話をしながら練習をしていく。

絶対大根役者なんだけど、大丈夫か…俺。


===

「じゃあ、次のペアお願いします」

藤井さんが声をかけるとスタッフさんが次のペアに声をかけに行った。

「岡本も慣れてきたか?審査員」

「慣れませんよ」

ハッキリ言うと苦笑された。

次のペアの資料を見る。

「あ…この子」

「ん?ああ、1次の時にお前がいいって言ってた子だよ」

西田夏、上田陽太は1次の時から気になっていた。気になる2人がペアなのはラッキーだ。

2人が入ってきてオーディションがスタートする。

今回は犯人を追い詰める探偵のシーンだ。

お互いに交代して犯人・探偵役をしてもらう。

「“キミが犯人なんだろ?”」

「”…なんのことでしょう?僕はその日は現場にいなかったと警察も証明してますよね?”」

探偵役の西田くん、空気が変わってクールな探偵を演じている。

ちなみに、それぞれの人柄はオーディション生に任せている。

ニッコリと笑って返事をする上田くんは明るい人気者系で持ってきたのだろう。

演技を進めていくにつれて犯人(上田くん)は追い詰めれる。

「”だから、あなたしかいないんだよ。そうだろ?”」

クールにかっこよく決める西田くん。

「”なーんだ、バレちゃったのか”」

両手を上げて笑顔のまま呟く上田くんに思わずゾワッとした。

「”大人しく捕まりますが、きっとあなたとはまた会うでしょう。その時までお元気で”」

西田くんの肩に手を置いた上田くんは小さく笑って歩いていく。

それを睨む西田くんのかっこよさが引き立つ。

「はい、じゃあ次交代してください」

藤井さんの声にハッとする。

次に上田くんが演じた探偵もクール、西田くんの犯人役も陽気なキャラだった。

お互いが比較されやすいが、それぞれが両極端なキャラを演じれることをアピールしたかっただろうか?


2人が終わると退出を促して次のペアを呼び込む。

「…藤井さん、彼らは本当に一般人なんですかね?」

「?そうだろ?西田くんは演劇部だったらしいけど」

資料を見る藤井さん。

「2人とも、うま過ぎませんか?」

そう聞くと藤井さんは苦笑した。

「落ち着け。確かに西田くんは上手い方だけど、上田くんは慣れてない人の演技だったよ」

「でも、他のオーディション生よりも上手く感じました」

「それはたぶん、上田くんが空気を作るのが上手いからだろう」

藤井さんの言葉に首を傾げる。

「空気?」

「演技はいかに観ている人を世界観に引き込むか、それも大事な要素だ。西田くんは演技で引き込んでいたが、上田くんは空気を作って、より西田くんの演技が引き立つようにしてた」

「なるほど…?」

いまいちピンとこないが、言いたいことはわかる気がする。

「普段から空気を作るのが上手い子なんだろ」

「なるほど」

次のぺアが入ってきたので、頭を切り替える。

彼らにまた会えるといいな、と思った。

===


「絶対無理だー」

「俺もー」

俺はハンバーガーを頬張りながら、トラはオレンジジュースを飲みながら呟く。

「大丈夫だよ。陽太くん、ちゃんとできてたよ」

ナツがポテトを食べながら言う。

「うるせー。めちゃくちゃ上手いやつに言われても」

「なっちゃん、そんなに上手かったんだ」

トラが首を傾げる。かわいいな。

ナツはポテトをトラの口に突っ込んだ。

「うまー。ありがと」

ポテトをムグムグ食べる姿はハムスターみたいだ。

「これでみんな進んだら次が最終だね」

ナツの言葉に頷く。

「今日、出てく時に写真撮られたけど、なんだろうね」

「さー?」

トラの問いかけに俺たちは首を傾げる。

「みんなで受かろうな」

俺の言葉に2人は力強く頷いた。


ここまできたら絶対に受かりたい!

ボス(岡本さん)再登場。

陽太くん、頑張って演技しました。

トラは2人より後の方のオーディションだったので、2人がハンバーガー食べてるところに合流しました。


====

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