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4曲目 教えて欲しい!

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!


毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)

【一次オーディションが先日開催されました】

俺が応募した番組の最後にオーディションの様子が流れた。

「お兄ちゃん映らなかったねー」

優子が言う。俺はため息をつく。

「今映っても困るわ。映るなら最終ぐらいの時がいい」

「なんで?」

「途中で映ってクラスの奴らに茶化されるのが嫌だ」

そう言うと優子はため息をついた。

「わがまま」

「うるせー」

バリッとせんべいを食べる。


二次オーディションの日。

この日の課題はダンスだった。

10人1組で同じ曲のダンスをしている俺たちの周りを審査員が回るらしい。

練習時間は2時間。講師は一通りレクチャーしたらレッスン室から出て行った。

上手くステップが踏めない俺はどうしたもんか、と思いながら鏡を見ていると隣の男の子が完璧だった。

「!!あの!今のステップ教えてもらえませんか?!」

年下だろうけど、教えてほしい。

そう言うと周りも驚いていた。

「…え?」

「あ、ご、ごめん。めちゃくちゃ上手かったんで…」

目を逸らして頭をかく。

俺、どんだけ必死なんだ。

「…お兄さん、俺より年上だよね?年下に教えてもらうの嫌じゃないの?」

怪訝そうに言われて俺はキョトンとする。

「全然。歳とか関係なく上手い人に教えてもらえるなら頭も下げるさ」

「…変なの」

「それだけ必死なんだよ」

苦笑するといいよ、と言われた。

「ありがとう!俺、上田陽太」

「…山之内寅之助(やまのうちとらのすけ)

「トラって呼んでいい?」

「うん」

ちょっとツンデレなトラにステップのコツを教えてもらう。

何回か一緒にやってコツを掴む。

「わかってきたかも」

「陽太くんできてるよ。あとは慣れだよ」

「ありがとう!」

ギューッと抱きしめるとトラはちょっと嬉しそうに笑った。


本番では緊張しながらもしっかり踊れたと思う。

「陽太くん」

オーディションを終えて駅に向かってると声をかけられた。

振り返るとナツがいた。

「ナツ」

「お疲れ様。どうだった?」

今回、ちょうどナツと俺でグループが分かれてしまった。

「んー、全力は出せたとは思うけど。ナツは?」

「俺も。でも上手いやつ多かったからなんとも」

「わかるー。なんなら俺、教えてもらった」

そう言うとナツは驚いた。

「え?また声かけた?」

「ナンパ常習犯みたいな言い方しないでよ。だってステップ上手かったんだもん。ダンス得意な人にコツ聞いた方が早くない?」

「…それ、陽太くんだからできることだと思う」

「そう?」

ナツがちょっと呆れた顔をした。

「陽太くん!!」

後ろから声が聞こえてナツと振り返る。

「トラ、お疲れ。さっきはありがとな!」

トラは走ってきた息を整えて首を横に振った。

可愛いなー。

「ううん。大丈夫」

「ナツ、この子がさっき話してたトラ」

「ああ、この子が」

ナツがトラを見るとトラは睨んできた。

「陽太くん、この人誰?」

「同じオーディション受けてるナツだよ。前回、俺の前に並んでて俺の緊張ほぐしに付き合ってもらったんだ」

「ただ話してただけでしょ」

ナツが呆れた顔をする。

「西田夏って言います。よろしく」

「…山之内寅之助」

ナツが差し出した手をトラは取ったけど、どこか不機嫌。

「トラ?」

「陽太くんは天然タラシだね」

「へ?」

ナツがそう言うとトラは頷いた。

「俺も仲良くしてくれると嬉しいな。ダンス上手いんだろ?今度俺にも教えてくれよ」

ナツの言葉にトラは驚く。

「…それ本気?」

「本気だけど。俺、ダンスはできなくはないけど、どっちかというと苦手だからさ」

しれっと言われてトラの驚いた顔から戻らない。

それを見たナツは小さく笑う。

「なんでライバルに?って思った?」

「…まぁ」

「俺も話しかけられた時に思ってたけど、陽太くんが『仲間になるかもしれないから』って言ってて確かにって思って」

チラッと見られてニッと笑って返す。

「ライバルだけど、仲間になるかもしれないから頑張って一緒に受かろう!」

俺がそう言うとナツは呆れたように、トラは嬉しそうに笑った。

「せっかくだし、なんか食って帰ろーぜ」

「いいけど…トラ、お金大丈夫?」

「大丈夫!帰りにハンバーガー買ってきていいってお小遣い貰った!」

ナツとトラと並んで帰る。

それがなんだか嬉しい。

「あ、そういえばこの前、TVで流れた時ナツ映ってなかったか?」

「…一瞬。おかげで次の日の学校大変だった」

「モテる?モテる?」

ナツの嫌そうな顔と引き換えにルンルンなトラを見て思わず笑ってしまった。

おかげでナツのグーパンを食うことになる。


頑張る仲間が増えるのは嬉しい!

寅之助くんの登場です。

将来的にはちょっとオラオラ要素入る予定ですが、お兄ちゃん達には甘えたいタイプ。

そしてTVで映ったハルはきっとモッテモテ。


====

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していただいたら作者のモチベーションもめちゃ上がって喜び狂い、発狂します( ´ ▽ ` )

感想もお待ちしております(^ ^)

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