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メンバーカラーは無色透明を希望します!!  作者: ひなた


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37/97

36曲目 仲良いほどなんとかやら

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!


毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)

パンダ状態の1ヶ月を過ごし、GWに入った。

休みなので午前から仕事の予定が入る入る。

と言っても打ち合わせやレッスンが多いけど。

そんな今日は岡本さんとナツと打ち合わせ。

「レッスン前にすまんな」

「いえいえ」

「大丈夫っす」

ナツと俺が言うと岡本さんはうん、と頷く。

「今日はな、グループの方針のヒアリングをしたくてな」

「グループの方針?」

俺が聞くとノートPCの画面を見せてくれた。

「ああ、ナツとゆうが高校生になったから上3人組の仕事を増やそうと思う」

「へー」

「ナツにはこの前話したな?」

「はい」

この前はたぶん、俺が2人に電話した時のことかな?

「それと…」

その後、色々と意見交換をして打ち合わせは終了。

「じゃー、今日はここまでにするか。ありがとうな」

「「ありがとうございます」」

2人で頭を下げて岡本さんはPCを閉じる。

「ちょうど昼だし、どっか食べに行くか?今日は出すぞ?」

「え!いいんすか!!あざす!!」

「パピー、反応早すぎ」

なんやかんや、岡本さんおすすめの事務所近くの町中華へ。

俺はラーメンと半チャーハン、ナツは青椒肉絲定食を食べて、事務所に戻って歯を磨く。

「たべすぎた」

苦しくって呟く俺にナツは苦笑。

「そりゃそうでしょ。どうすんの、今日ダンスだよ?」

「俺が真っ青か真っ白になったら助けてくれ」

消化は早い方だから、レッスンまでのあと30分でなんとかなるはず、

と思いながらうがいをしてレッスン室に向かう。

「なんか、騒いでない?」

「そうだな。誰が騒いでんだ?」

ドアを開けるとキーンと耳を裂く泣き声が聞こえてきた。


「…で?なんでこうなった?」

ナツが呆れたようにため息をついた。

俺に抱きついて泣いてるのはトラ、ナツの前で泣きそうな顔で不貞腐れてるのはスー。

あとからきた楓はゆうに任せた。

「…」

「スー?黙ってたらわからないだろ?」

「…だって、なっちゃん俺を怒るだろ?」

ずっとダンマリしていたスーが不貞腐れて答える。

「なんで決めつけてるんだ?」

「…俺が年上だから」

あー、わかる。お兄ちゃんなんだからって言われるやつね。

俺はトラの頭を撫でながら、優子と喧嘩した時によく言われてたことを思い出す。

結局、優子が悪いってなると親は謝ってくれたけど。

「スーが年上ってだけで怒らないから。俺は悪い方を怒るよ」

「…」

「スーが悪かったらスーを怒るし、トラが悪かったらトラを怒る。

両方悪かったら両方怒るからな」

ナツの言葉にトラが少しビクッとしたのがわかった。

あー…これはもしかして?

俺がチラッとナツを見るとナツは気づいたようだった。

「スー?正直に話してくれる?」

スーと目線を合わせてナツが聞くとポツリと呟いた。

「…トラが」

「うん」

「俺の大事にしてたキーホルダー汚して壊したから叩いた」

よく見るとスーの手にはぬいぐるみキーホルダー。

確か、大好きなアーティストのライブに行った時に

親にお願いしまくって買ってもらったって言ってた。

買うからテストで100点取れって言われて取ったらしいし、そりゃ怒るわ。

「トラ?なんでそんなことしたんだ?」

俺が聞くとトラは更に抱きつきながら泣いてた。

「だ、だって…!」

「だって?」

「かっこ、よかったから、触ったら、スーくんに、怒られて」

「うん」

「ムカ、ついたから、ひっぱたら、取れちゃって、そのままジュースにあたっちゃった」

スーのバックの近くにはきっと飲み途中だったであろうコーラがあった。

ナツを見ると頷いてトラに近づく。

「トラ、こっち向け」

「…」

「トラ」

少し厳しめの声でナツが呼ぶと俺から離れてナツの方を向く。

顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

ナツはしゃがんで目線を合わせる。

「トラは大事なものある?」

「…ある」

「それを勝手に触られてたらどう?」

「…嫌だって思う」

「汚されたら?」

「…キレる」

「それをスーにしたんだ。スーが怒って当たり前だろ?」

ナツがそういうとトラは小さく頷いた。

「自分がされて嫌なことはするなって言われたことあるだろ?」

「…うん」

「スーにとってはあのキーホルダーは親に一生懸命お願いして買ってもらって、

一生懸命勉強してテストで100点取るって約束を守ったんだ。

そんな大事なものを壊されたら怒るのはわかるだろ?」

「…だって」

グスグスと泣き出したトラの頭をナツはポンポンする。

「かっこいいから気になったのもわかる。だから、触る前に触っていいか聞かないと」

「…」

「そうしたらスーだってここまで怒らなかっただろ?」

そう聞くとスーは頷いた。

「トラも自分が悪いのはわかってるから泣いてるんだろ」

「…う、ごめんなさいい」

またうわーんと泣き出すトラ。

ちゃんと悪いってわかってるのは偉い。

「俺じゃなくてスーに謝ろうな」

「…うん」

「スーも怒るのはわかるけど、叩いたらダメだろ」

「…だって」

スーは我慢の限界なのかポロポロ涙をこぼし始めた。

「大事なものを壊されたらキレるのはわかるけど、暴力はダメだ」

「…うん」

「じゃあ、スーも謝ろうな」

そう言うと2人は向かって謝った。

「スー、くん、ごめんなさいいい!!」

「俺も叩いてごめん」

2人とも泣き出してしまったので、ナツが頭を撫でる。

「2人とも、謝れて偉いな」

そんな様子を眺めてるとゆうが隣にきた。

「さすがナツだね。怒りつつも諭してる」

「本当。俺あんな風に怒れないわ」

「パピーが怒る時はマジでやばい時だから怒らないでいて欲しいわ」

「なんじゃそりゃ」

「ほら、普段優しいけど怒らせるとやばい人っているじゃん?」

俺が呆れてるとゆうは何か思いついたように笑った。

「あと、ナツを怒れるのはパピーだけだから、ナツを怒るだけにしてもらって」

「いや、それはゆうも怒れよ」

そんなやりとりをしていたら2人とも泣き止んでいた。

そして時間になったのでレッスン室に入ってきた藤井さんと岡本さんに不思議そうな顔をされた。


喧嘩するほど仲がいいと言ったもんだ。

弟組が喧嘩ちゃうお話でした。

ナツは感情的に怒るってよりは淡々と諭して怒るタイプ。

言い合いになったら論破されて何も言えなくなりそう。

そして、にぃに達のことを見て賢くなる末っ子、楓くんでした。



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