29曲目 仕事が増えそうだ
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
12月の半ば、学校もあと少しで冬休みだ。
「早く休みになんねーかなー」
「あと1週間ぐらいだろ」
壮真が机の上で溶けてるのを隣に立ってる啓太がツッコむ。
壮真の前に座る俺は苦笑する。
「クリスマス来たらすぐに正月かー」
「陽太、クリスマスも正月も仕事?」
「ちょこちょこ入ってるけど、正月はちゃんと休み」
「お!じゃあ初詣行こうぜ!」
啓太に聞かれて答えると壮真がガバッと起き上がる。
「人混みのとこかー。事務所に行っていいか聞いてみる」
「そうだよなー」
また机に溶ける壮真に俺は頭をよしよしする。
「あ、陽太雑誌載ってんじゃん」
啓太が読んでいた雑誌を見せてくる。
ファッション誌の一部にclear skyが載ってる。
あれから雑誌も何回か取材してもらってありがたい。
「げ」
「なんでそんな反応なんだよ」
「マジで雑誌だと別人みたいだよなー」
啓太が苦笑して雑誌を机に置く。
それを壮真が見て俺と雑誌を交互に見る。
「そりゃ仕事だからカッコつけるし、お前たちにカッコつてけてもしゃーないだろ」
「おーい、ファンにそんなこと言っていいのかー?」
壮真がデコピンをしてくる。いてーな。
啓太は俺と背中合わせでこっちを見るナツを指す。
「このなっちゃん、かっこいいな」
「ケイはなっちゃん推しか!俺はゆう推し!」
「おい、俺は?」
メンバー発表の後は学校も大騒ぎだったけど、今はそうでもない。
たまに写真やサインを求められるけど断るの繰り返し。
先生たちも気にしてくれてるけど、たぶん隠し撮りされてる気はする。
『お前が芸能人になろうが、ならなくても俺たちは親友だろ?』
『そーだそーだ!それに変わる理由もねーし!』
夏に言われた通り、変わらない2人に俺はふふっと小さく笑った。
「陽太、ちょっといいか?」
レッスンの後、岡本さんに呼び止められた。
「はい」
「今、出席数に影響出てたりするか?」
急に聞かれて考える。
確かに仕事で早退や遅刻は何回かしたけど合わせて片手で数えられるぐらいだ。
休んだことは今のところない。
「特に何も言われてないので問題ないかと…」
「お、そうか。よかった」
頷いた岡本さん。
「なんでですか?」
「いや、今の仕事量で足りないってなってたら仕事受けれないかなって」
「仕事?」
岡本さんから1枚の紙を受け取る。
そこには【新コーナー】の文字。
「今、土曜のお昼にやってる[RUN!KING!]って番組あるだろ?」
「あー、いろんなランキングを発表してる」
土曜のお昼にやってる[RUN!KING!]はその名の通り、今話題なことをランキング形式で発表。
実際にスタジオでやってみようというバラエティだ。
大人から子供まで人気の番組。
「そこの新コーナーで実際の学生タレントに人気な場所に行って取材をするってコーナーができたらしいんだが、
そのレポーターに陽太が声かかったんだ」
「へ!?」
俺は驚きで目を見開く。
「あ、でも毎週陽太って訳じゃなくてレポーターは全部で3人いて、その3人でローテーションしてくらしい」
「…へぇ?」
「平日に取材もあるから出席日数はちゃんと確認してく感じではあるけど、受けるか?」
岡本さんに聞かれて俺は首を縦に振る。
「はい!受けます!!」
「オッケー。じゃあ、受けるって返答するな。そのうちPと打ち合わせ入ると思うからそのつもりで」
「はい!ありがとうございます!!」
頭を下げると岡本さんはひらひらと手を振って去っていった。
「…初めての1人での仕事だ」
まだ確定ではないとはいえ、心臓の音がうるさい。
「…やべーーー!!」
両手を突き上げて叫ぶと周りの人に見られた。
===
フリーデスクでノートPCを開く。
俺たち現場に行くマネージャーは固定デスクはなく、フリーデスクだ。
RUN!KING!のPに仕事を受けるメールを作成していると隣に誰かが座った。
「岡本お疲れ」
「藤井さん。お疲れ様です」
藤井さんがコーヒーを飲みながら置いてあった先ほどの紙を覗く。
「へー、上田、仕事来たんだ」
「はい。声をかけていただいたので、このチャンスは逃したくなくて」
「で、本人もOKしたと」
「はい」
「だからか、さっきレッスン室でやべーって叫んでたの」
なんとなく想像ができて苦笑する。
「すみません…騒がしくて」
「いいぞー。あいつらはいつも騒がしいからな」
「…すみません」
レッスンの時は6人揃うから余計に騒がしいだろう。
学校じゃないと注意しないと。
「でも上田なんだな。レポーターなら西田や三浦もいけそうなのに」
紙を手に取って内容を読む藤井さん。
「ああ、それは陽太が”普通”だからだそうですよ」
「普通?」
『上田くん、一番親近感あると思うんですよね。だからお茶の間に浸透しやすいと思うんです』
電話でPに言われた。
確かにレポーターならナツやゆうも適してると思うが、2人は”高嶺の花”感がある。
お昼の番組はファミリーで見ることが多い。
番組の中でも親近感あるタレントの方が好まれる傾向がある。
だから一番”普通”な陽太が選ばれた。
「誰の懐にも入れる特殊な能力ありますしね」
「あー、確かにな」
オーディションの時のことを思い出したのか、藤井さんはクスクス笑った。
ここから一人一人の仕事を増やすきっかけになるように俺も頑張るだけだ。
===
また一つ、仕事が増えました!!
お久しぶりの啓太くんと壮真くんと藤井さん。
この頃から啓太くんはナツ、壮真くんはゆうを推してます。
番組名にセンスが無いのはしょうがない。
だって作者にそういうセンスがないんです!!
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