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16曲目 運命の日

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!


毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)

8月最後の土曜日。

18時に俺は母さんと一緒にテレビ局にいる。

『メンバー発表は8月末の生放送のSP番組で行います。

その際には皆さんも出演していただきますので、親御様と一緒に来てください』

確かに番組放送中に発表していたな、と思い出した。

「うー…緊張する」

「ほら、ちゃんとしなさい」

母さんが苦笑する。

指定の集合場所に着くと、何人かもうすでにいて、ナツとゆうを見つける。

「ナツ!ゆう!」

「陽太くん」

「やっほー」

手を振ってくれる2人のところに行く。

母さんもついてきて、2人の母親に挨拶してる。

「緊張するな」

「さすがにね」

「俺、あんまり寝れなかった」

そんな話をしてるとスー、楓くん、トラもやってきた。

そしてスタッフさんが来て控え室に案内される。

「オーディション生は指定された席におかけいただき、置かれてる番号バッチを胸元に付けてください。

付き添いの方は後ろの席にご自由におかけください」

それぞれが席についたら説明を受ける。

「この後、19時からSP番組が生放送されます。

発表までは過去のオーディション映像を流していきますので、皆さんはこちらで待機していただきます。

もちろん、こちらのモニターで番組は観ていただくことは可能です」

前に設置された大きめなモニターを指す。

「発表は20:30ごろからの予定です。20分にお声かけするので一緒にスタジオに移動していただきます。

発表の時にはスタジオに出ていただき、床に番号が書かれたテープが貼ってあるので自分の番号の場所に立っていてください。名前が呼ばれた方は一歩前に出ていただき、全員の発表が終わったら番組終了です」

スタッフさんの説明に緊張が増す。

「スタジオ出る際には再度説明するので、安心してください。では、お時間までお待ちください」

スタッフさんが出て行った後、各々話したりしてるけど、最終オーディションの時よりもさらにピリピリしてる。

心臓止まりそう、とか思ってたらドアが開いた。

「こんばんはー。皆さん、お久しぶりです」

高野さんが入ってきて、母親たちは驚きの声。

「「こんばんは!!」」

「うん、いい返事。今日はスタジオまで来てくれてありがとうございます。

とうとう発表ですが、どんな結果になってもここまで頑張った自分に拍手を送ってくださいね」

はい!と全員で返事をすると高野さんは満足そうに頷いて出てった。


【本日!番組発のアイドルグループのメンバーが決定します!】

番組が始まってスタジオは大盛り上がり。

今回、審査員の藤井さんもスタジオにいた。

俺たちは変わらずピリピリしてる。

【まずは書類選考から3次オーディションの様子を見てみましょう】

そこからはVTRが始まった。

たくさんの履歴書を見ていく様子、1次、2次、3次オーディションの様子。

実際のオーディション映像と審査員たちのインタビューが流れる。

番組開始から30分、3次までのVTRが終わってスタジオトーク。

レギュラーのタレントさん達が感想を言ってく。

【さて、ここまでで20人まで選考されました。

ここから20人のインタビュー映像があるので見てみましょう】

合宿の説明会の時に受けたインタビューが流れる。

みんなちゃんと受け答えしててすごいなーと思っていると自分の番。

【上田陽太、15歳、高校一年生です】

「…なんか、機械通した自分の声って気持ち悪いな」

「わかる気がする」

俺が呟くとナツが同調してくれた。

20人分を見た後、最終オーディションの様子が流れる。

ダンスの練習風景や休憩中の姿を見て、他のグループはこんな感じだったのかーと思う。

途中、休憩中に楓くんに抱きつかれた時の映像が流れた。

【中にはこんなに仲良くなったオーディション生たちも】

【あの子、かわいいー】

ワイプの中で何人か楓くんを愛でてる。

そうさ、可愛いだろう。

1回目の発表と2回目の発表は各グループの一部が切り取られてた。

俺はダンスは最初の部分、演技はゆうとのハモリ部分が流れる。

「俺、目立ってね?」

「今更?」

淡々と返してくるナツに何も言えない。

【最後にはみんなでBBQをしてお互いを労いました】

そこでもトラに抱きつかれて苦しそうな俺が映される。

【彼、さっきも抱きつかれてましたよね】

【34番の上田くんですね。彼に抱きつきやすいんでしょうね】

そこで笑いが起こった。

「皆さん!移動をお願いします!付き添いの方はこちらでお待ちください!」

ここまでで俺たちは移動の声がかかる。

いよいよ、発表だ。


「さて、いよいよ発表です。ここまで残った20名に登場してもらいましょう!」

高野さんの声にスタジオへの扉が開く。

俺たちは指定の場所に立つ。

気づかなかったけど、観覧のお客さんが結構いる。

「実際にオーディション生を見ていかがでしょうか?」

高野さんが番組を進めるが、緊張でそれどころじゃない。

ある程度会話された後、高野さんの空気が変わった。

「では、発表に進んでいこうと思います」

スタジオのライトが暗くなり、高野さんのみスポットライトが当たる。

「今回、first star全面協力のもと、オーディションを行い、

応募数1,982通のうち6名がメンバーとして決定いたしました!」

スタジオに「おお」と声が上がるが、俺は驚きを隠せない。


6人?

1回目の人生では5人だった

もしかして…


「では、発表いたします!なお、発表順はランダムで行わせていただきます」

ドラム音が鳴り響く。

全員、緊張で顔がこわばってるだろう。

「まずは1人…No.175、手塚楓!」

楓くんにスポットライトが当たり、拍手喝采。

「続いて2人目…No.130、山之内寅之助!」

トラがガッツポーズをして前に出る。

2人が選ばれた事が普通に嬉しいな、と思う。

「3人目…No.33、西田夏!」

隣がライトアップされる俺たちは顔を見合わせた。

ナツは泣きそうな顔。俺は笑って背中を押して一歩前に出す。

「4人目…No.80、坂田翠!」

スーが嬉しそうに一歩前に出る。

「5人目…No.15、三浦優希!」

ゆうが前に出てナツと握手してるのが横目に見えた。


そう、()()()()()()()()()()()()()


「そして最後の1人、6人目を発表します!」

高野さんが声を張るとドラム音はさらに大きくなる。

「最後の6人目はー…」

心臓の音がうるさい。汗が止まらない。


「No.34、上田陽太!!」


ドンッという音とパッと明るくなった。

俺は驚いて顔を上げる。一瞬、世界が無音になる。

拍手をする観覧の人たちを見て意識を戻し、一歩前に出て一礼する。

「この6人が新しいグループのメンバーに決定しました!!」

高野さんが言うとパンッパンッと紙吹雪が降ってきた。

「これから彼らはデビューに向けて準備やレッスンを行なっていきます。

みなさま、6人の明るい未来の為にどうか応援のほど、よろしくお願いします!」

高野さんの言葉に俺たちは再び一礼をして番組が終わった。


1回目の35年の人生と違う人生になることがこの日決まった

オーディション結果の発表のお話でした。

無事に6人目になれた陽太くん。

全く違う人生の始まりです。


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