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B面 上田陽太という人は不思議な人だ

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。

また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。

両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!

「緊張するよね」

初めて話したのは1次の時。

俺が落ち着こうとため息をついたら声をかけられた。

「…よく声かけられますね。みんなライバルですよ?」

「あー、確かに。でも仲間になるかもしれないし」

ニッと笑った顔を見て、この人本心じゃん、と驚いた。

「緊張して全力出せないよりも、こうして話してリラックスして全力出せた方が

いいかなって」

「…変わってますね」

「後悔をしたくないだけ」

その言葉には素直に頷いていた。

「それは…そうだね」

少しだけ打ち解けた感があった。

「俺、上田陽太。お互い残って一緒に仕事しようぜ」


この人は不思議な人だ。


「…西田夏。よろしく」

そう思いながら返事をした。

陽太くんと話をしたおかげか、緊張無くリラックスして歌うことができた。

あれからお互いオーディションを進めて、最終オーディションの1日目の夜。

お茶を買いに自販機がある食堂にいると陽太くんがいた。

「まだ寝ないの?」

声をかけるといつもの笑顔が返ってきた。

「ナツ。お疲れ」

お茶を買って陽太くんの向かい側に座る。

手には携帯、片耳にはイヤホンをしている。

「もう寝るけど、その前に見返しておこうかなって」

「部屋で見ればいいのに」

「隣に聞こえたら悪いから」

「気配り上手ー」

「からかうなよ」

思わず笑う。


俺は家族や友達からはクールだと言われることが多い。

クールというか、表情が大きく変わることが少ないだけ。

面白い、楽しいとかの感情が人よりも薄いと自負している。

『西田って演技してる時は表情緩くなるよな』

『は?』

『なんつーか、楽しいってのがよくわかるわ』

演劇部のメンバーに言われて気づいた。

確かに演技してる時は楽しい。別の人物になりきってやるのが好きなんだと思う。

自分以外って思うと表情筋が動く。

そこから演劇にハマってそういう仕事につけたらなってなんとなく思っていたら

オーディション開始すると見た。

「オーディション…」

アイドルと言っても仕事の幅はある。


もし、合格してアイドルになれたら演技の仕事もできる?


そう思ったら受けてみたいと思った。

そこからは早かった。

両親に話して、了承を得て履歴書を送ってと…。

なんだか新しい自分に出会える気がした。

そして出会ったのが陽太くん。

陽太くん繋がりでトラとも仲良くなれて嬉しかった。


「やっぱり、陽太くんといると安心するわ」

ちょっと話して感じたことを言う。

「そう?」

「さっきスーと話した時もそう言ってたよ」

「年上だからじゃなくて?」

それを本気で言ってるから本人は自分の凄さをわかってないんだなって思った。

『やっぱり陽太くんってすごいね』

昼間の練習中にトラが呟いた。

『なんでそう思うんだ?』

『だって、挫けそうになった時、みんな陽太くんのところに行ってる』

陽太くんのグループを見るとメンバーが変わるがわる陽太くんのそばに行って

抱きついたり、頭を撫でてもらってたりしていた。

『でもわかるなー。陽太くんといると元気になるんだよね』

トラの言葉に俺は妙に納得していた。

「年上とか関係ないよ。なんていうか…チャージスポットみたい」

陽太くんに言うとやっぱりわからんっていう顔。

俺は面白くなって思わず笑う。

しばらく他愛もないことを話してると、陽太くんがクスッと笑った。

「何?」

「いんや、ナツ楽しそうだなーって」

そう言われて驚く。

「…え?」

「初めて話した時はクールな子だなーって思ってたけど、

今は楽しそうに笑ってるからよかったと思って」

クールが悪いわけではないぞ、と慌ててるけど、気にしない。

「俺、楽しそう?」

「?今そう言ったろ?電話でも楽しそうに話してくれるなーって

いつも思ってたし」

不思議そうな顔をされた。

演技をしている以外で楽しそうと言われたのは久しぶりだ。

「…そっか」

「?」

俺がクスッと笑うと陽太くんはさらに首を傾げた。

その後、それぞれ部屋に戻って寝ることに。

俺は陽太くんと仕事ができるといいな、と改めて思った。


上田陽太という人は不思議な人だ

一緒にいるだけで元気になれるんだから

初のナツ視点のお話です。

クールなナツも陽太くんに笑顔にされてしまうのです。

本編の横道になるお話をB面として不定期にあげてみようかなと思います。


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