98曲目 これぞ親の気持ち
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
トラから無事に高校に合格し、入学式が終わったと画像付きで報告が来た。
「おーいいな」
「ね、制服似合ってる」
ナツが画面を見せてくれる。
今日は兄組で仕事。
「トラも高校生かー。来年は楓」
「…あんなに小さかったのに」
初めて会った時のことを思い出して泣きそうになる。
「パピー、父親すぎる」
「ゆう、パピーは父親なんだよ」
「いや、違うだろ」
ナツが真顔で言うのを見てゆうが狼狽える。
たまにナツって天然なんだよな。
「で、来年の3月にスーが卒業かー」
俺がしみじみするとナツはゆうを見る。
「俺たちの時はパピーが来てくれたから、今度は俺たちが行く?」
「正真正銘の卒業生だしな」
順番に卒業をお祝いに行くのはありだよなー、なんて聞きかがら思う。
「みんな、こんなに大きくなって…」
「いや、だから父親なの?」
「だから父親なんだって」
同じようなことを言っていたら後ろから笑い声が聞こえてた。
振り返るとヘアメイクのマッキーさん。
「お前ら、結局同じこと言ってるじゃねーか」
「マッキーさん気づいた!?そうなの!!」
ゆうがマッキーさんに縋り付く。
「いつも思うけど、兄組の時、ゆう大変だなー。いつもはしっかりしてる奴らがこれだもんな」
「そうなんだよ!!マッキーさんわかってくれる!?」
「大変だな」
苦笑するマッキーさんがゆうの頭をポンポンする。
「誰もわかってくれなくてぇぇ」
「ゆうが壊れた」
俺が言うとマッキーさんは苦笑する。
「これはお前らのせいだからな」
「「えー?」」
「えーじゃない!!」
ゆうが言うとマッキーさんは更に苦笑する。
ツアーが再開した1発目は仙台の昼公演。
「仙台にclear skyが来ましたー!!」
ナツが言うと「イエーイ!」とレスポンス。
「めちゃめちゃ嬉しいなー♪」
はしゃぐ楓が可愛い。
「はー、うちの子可愛い」
「パピーキモい」
被せるぐらいの勢いでスーに言われる。
「ひどくない?だって可愛いでしょ!?ね!?」
客席に聞くと「可愛いー!!」の声。
「ほら」
「ほら、じゃないのよ。ファンの皆さんが言うのと身内が言うのじゃ違うって」
「えー?楓、俺に可愛いって言われるの嫌?」
楓に聞くと前までなら「嬉しい!」と言ってくれたのに
「…可愛いも嬉しいけど、かっこいいがいいかも」
と言われた。
「そんな…!!」
「パピー、これが成長だよ」
項垂れるポンッとゆうが肩を叩く。
「なっちゃんも固まってる」
トラが可笑しそうに笑う。
「しゃーない、ナツはマミーだもん」
「あー、そうだよね」
ゆうが言うとスーが頷く。
「パピーとナツはメンバーの親になりすぎるって」
ゆうがそう言うとナツは真顔で答える。
「大事なメンバーの成長には感動するだろ」
「それ同学年の俺にも言うの?」
「ゆうは親友だから違う」
真顔のまま答えるナツの返答に悲鳴。
「親友…は確かに違うか」
珍しくテレてるゆう。
「ゆうちゃん、テレてる」
「「テレてるー♪」」
弟組が楽しそうに茶化す。
「テレてない!!」
「へーぇ?」
ナツが顔を覗くとゆうは恥ずかしいのかプイッと横を向く。
「おー、珍しいもん見たわ」
俺がしみじみ言うとゆうに睨まれた。
なんでだよ。
「それにしても二人ともデカくなったよなー」
スーがトラの隣に立つと同じぐらい。
「俺とトラ、同じだもんな。170ぐらい?」
「168!」
「うわー。俺、172だからこのまま伸びたら抜かされそう」
そんなやりとりに衝撃。
「168…?」
「またパピーが衝撃受けてる」
ナツが呟く。
「楓!今身長いくつ!?」
俺の勢いに驚く楓。
「え?えっと169…」
「うわ、俺抜かされてるじゃん」
「1cm差は変わらないよ」
トラと楓の会話と遠くに感じる。
「…やばい、俺抜かされる!?」
「「え?」」
慌てる俺にゆうが腹を抱えて笑う。
「パピー、俺に身長抜かされそうになった時も焦ってたよなー。ま、抜いたんだけど」
「うるせー178め!」
「パピー、まだわからないって」
「176のナツにもわからんだろ!この気持ち!!」
「いや、パピー175だから俺と変わらないじゃん」
俺がギャーギャー騒いでるのを呆れてる双子。
「あ、パピーはですね、俺たちに背を越されるのが嫌みたいで」
ゆうが客席に向かって説明すると「あー」と声が聞こえる。
「なんで背越されるの嫌なの?」
楓がピュアな目で聞いてくる。
「…なんか寂しくなるじゃん。成長したんだなーって」
「え?マジで父親?」
「親すぎない?」
トラと楓が言うとスーが爆笑した。
そりゃ親の気持ちにもなるでしょ!!
みんなの成長をしみじみ感じるパピーはみんなの父親なのです。
そしてナツの親友発言に珍しくテレるゆうなのでした。
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