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本州へ

春がすぎて若干夏のような感じになってきた五月後半。順調に調教の強度も強くなり坂路を1日に2本も上がるようになった。


その頃には俺にも体力が付いてきて1本くらいだとまだ余裕があるくらいだ。


ただ疲れるのはめんどくさいので疲れたふりをしたり、脚が痛いふりをして歩いたりする。まあよく見破られるけど。


1回だけ発熱をした時だけは2週間休みになった時は最高だったなぁ。


朝珍しく俺は起こされることなく起きて廊下の時計を見ると8時だった。


いつもは五時には放牧されてるのにおかしいな。


「起きろーお前今日輸送だから」


輸送?どこ行くんだ?


そして脚に輸送用のプロテクターを巻かれて無口もいつものナイロン素材ではなく、昔ながらの綱のような無口に変えられた。


そうして俺以外にも厩舎の馬3頭輸送するようで俺は一番最後に入ることになった。


一頭、また一頭と詰め込まれ最後の俺の順番が来た。


あかねちゃんが俺を曳いて馬運車へと乗せる。


何回も乗ったことがある乗り物だ。もう慣れている。すんなりと入る。


「こしあんちゃん、頑張ってねデビュー戦応援行くからね」


どうやら牧場内の移動ではなく違うところに行くみたいだ。


そうして最後の短い別れを終えると扉が閉められた。


発進すると隣にいる馬以外は、みんな大人しく待っている。


そして今気がついたのだが、この馬運車ちょっと大きいから揺れも大きいかと思ったがそんなに揺れない。なんならほとんど揺れがないような感じがする。


揺れがないと寝やすいなと思い目的地まで立ったまま寝ることにした。


目を覚ますとまだ馬運車の中に居た。長いなと思いつつ頭を上げ窓から外の景色を見る。


まさかの海が見える。磯の香りがしていたから海の近くとは思っていたが久々に海を見たので見とれている。


そこから3時間ほど走り運転手が俺らに水と草をやりに来た。


少し喉が乾いていたのでバケツ一杯を飲み干し草を食べる。


やっぱポカリがかかっていない餌は不味い。


いつもは俺だけポカリの粉をかけられる特注仕様だったのだが、これだと食べない方がマシかもしれない。


しかしお腹は減っているので仕方なく食べる。


そうしてふと窓から外を見ると、フェリーに乗り込むようだ。


人生初フェリーいや、馬生初フェリーが正しいか。


フェリーに乗り込むと同じような馬運車が何台か見えた。


そうして船の揺れもそこまでなく、順調に進んでいく。


俺の隣の馬がたまにうるさくして目を覚ますことがあったがフェリーの間はずっと気持ちよく寝れた。


翌日になってフェリーから下りる。


しばらく馬運車でウトウトしていると外が騒がしく、匂いが美味しくないことに気がついた。窓の外には、何年かぶりに見るマンションがあった。そう都会に来ていた。


そこからしばらく走らせて2日経ってようやく着いた。


「ようお前ら。これからここ宇治セイントフィールドで頑張っていくぞ」


熊のような強面のおっさんがそう言って出迎えてきた。


宇治って言うと京都かな。初めて来た。これからちょっと楽しみになってきたぞ。

今回次数の割に内容薄くてごめんなさい。

この話に出てくる無口での話なのですが、僕のいた育成牧場ではまだ入厩したことのない馬を送る時、綱のような紐でできている無口を付けて送り出します。これは昔からのしきたり(?)みたいな感じらしいです。

結び方忘れちゃったな。

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