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え?セリでないの?

やっと桜が咲いて本格的に春を感じることが多くなった。もうこの気温は夏だろ…と思いながらいつも通り曳馬をして歩いていると何やら高そうなカメラがやって来た。


なんだこれと思いつつ一度馬房へと帰される。


何やらカメラを組み立てて撮影の準備をしているようだ。


すると俺の馬房にあかねちゃんがやって来た。


「これから撮影だし綺麗にするねー!レザーシーンかけたらこしあんちゃんの青鹿毛絶対綺麗になると思うんだよねー」


なんか語尾伸びているなと思いながらも霧吹きでブラシに何かをかけてブラッシングされていく。


気温が上がってきてだんだんと眠気も出てきて立ちながら寝ていると「こいつ人馴れしすぎだろ」とはるきさんが話しながらでてきた。


「お疲れ様です。もう手入れ終わるんですぐ出します!」


「あーありがと、曳馬俺やるからあかねちゃんこいつの耳前向けといてよ。こしあんはあかねちゃん好きみたいだから」


そう笑いながらはるきさんが言う。なんか好きバレしたみたいで複雑だ。


「そーなんですかね…あんまり好かれてる感はないですけど」


大丈夫君は推しだから好いてるぞ。


そうして2分ほどすると俺の体は見違えるほど綺麗になっていて、黒く光っていた。


はるきさんに曳かれて横を歩く。カメラの前に行くと練習通りに肩の位置をはるきさんの体に合わせて歩く。なるべく大股で歩くようにしていく。


ウォーキング動画を撮られた後に駐立の写真も撮られる。


俺の耳を前に向けようと目の前であかねちゃんが「こっちみて!!」とぴょんぴょんしていたのが少し面白かったがそれ以外は何事も無く終わった。


10分もかからずに馬房に戻ったが、せっかく体が綺麗なのでなかなか寝転びたくない。


そうして立ちながら寝ることにした。




「遥輝さんこしあんどうします?セリ出ても血統微妙だから売れても安いですよね」


馬の出すセリの仕分け仕事をしている俺に話しかけてきたのは馴致担当の山田祐作だ。


「んー母のリコリスラジアータは南関牝馬重賞を2歳時総ナメにしてたからそこそこいいんだけど父がなぁ」


「やっぱりディープボールドは種付け頭数1頭ですからね。こしあん以外の産駒いませんから微妙ですよね。重賞も2着8回GIも3着が2回のタイトル無しですからね」


「あのじいちゃん達馬見る目は確かなはずなんだけどこれを付けたのだけは不思議なんだよな。つぶは最後だからか今の日本で一番いいノーザンブラックだしな」


「1500万のノーザン付けれるのに20万のボールド付けるのは不思議ですね」


つぶあんは間違いなく体もいいし、セリで売ったら3000万は行くと思う。でも俺はこしあんも同じくらい走ると思うんだよな。だから安価で手放したくはない。


「祐作の言う通りボールド産駒はセリ厳しいと思う。だからうちのクラブで募集したらセリよりも高く売れるだろ。売れ残ってもあれはそこそこ走るからうちで持っておこうか」


「僕も全く同じ提案しようと思ってました。ではとりあえずその方で手配しておきます」


「よろしく頼むよ」


とりあえずセリは35頭中12頭。23頭はクラブに回すかな。


そうしてセリの馬のリザーブ価格とクラブ馬の募集価格を打ち込む。


「ふう、出来た。もう朝だな」


そうして朝の曳馬に行くとやっぱりこしあんは寝ていた。


「売れるかなぁ1000万で…」と呟き、価格設定若干ミスったと思った。

育成とかはなるべくリアルな感じなんですけど、値段設定はわかんないので想像多めです。

馴致とこの後出る騎乗までは見てきたので大体は合ってると思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] こしあんっていう名前から、ディープボンドみたいな馬体を想像してたけど、父がディープボールドっていう名前のシルバー&ブロンズコレクターっていうのがわかった今回、プボプボとした歩き方でモーイって…
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