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血の雄叫び

鼻を啜りながらねっとりした視線で

フェキリオがガラリアを見る。


「ガラリア、ホンの気まぐれ何だろ?

いいよ、許すよ。」


さあこっちへと大きな影の手を

開きガラリアを包もうとするフェキリオ。


ガラリアはゆらゆらと

揺れたかと思うとその場飛びで

一回転し大きな斬撃で

影の手を切り裂く。


シュウシュウと霧散する影の手。


「アンタに許して貰う必要は

無いわね。」


ゆらゆらと攻撃の構えを

崩さないガラリア。


「・・手も握らせてくれなかったナァ。」


フェキリオはふうっと天井を向く。


ガラリアとピクリと耳を動かし叫んだ。


「チェラッド!娘と婆さんを

守りなさい!」


瞬間無数の影の手が天井を突き破り

凛と玉目掛けて襲い掛かって来た。

チェラッドは低い体勢で縫う様に

影の手の間を抜けて凛達に迫りくる

手を素早い刺突で霧散させる。


玉を背に影の手を避けて

仰け反る凛。


アギフを筆頭に狼族も応戦するが

牙や爪の攻撃が効いていない。


「陽の命を持つ攻撃は

効かないんだよねぇ。

どうしようガラリア?

コイツらの力を吸いとってやろうか?」


アハアハと乾いた声で笑うフェキリオ。


「アンタのそういう所が

おぞましいのよっ!」


爪の斬撃で影の手を消し去るガラリア。


「はーはー、無駄だよ無駄

幾ら消そうが出せるんだからさ。

ガラリアが心を寄せて執着するなら

全部消し去ってあげるよ。」


お前の故郷みたいにね?


フェキリオの言葉に一瞬ガラリアが怯んだ。


沸き出た影の手が凛達目掛けて鋭く伸びる

咄嗟に玉を庇って目を閉じる凛。


ぎゅっと目を瞑るが何も起こらない。


肩を震わせそっと目を開けると

闇色に染まる血塗られた姿が

目の前に居た。


実体の無い影の手を黒い刃で突き刺している。


「ギョッギョッギョーオオオ!!」


生命の息吹きをまるで感じない

血も凍る様な雄叫びが

地の底から這い出るが如く響き渡る。

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